ポーランド人Lazaro Ludoviko Zamenhof(1859(安政6)年〜1917(大正6)年)が万国共通語を目指して作った人造語で、1887(明治20)年に完成した。
Esperantoは、エスペラントで「希望する人」を意味する。
エスペラントは人造語であるが、その源流はウラル・アルタイ語族系の言語にあると考えられる。
ヨーロッパ諸語の語彙を取り入れながら、文法については大幅な整理簡略化が図られている。ヨーロッパ諸語特有の「格」は存在するが、名詞の性はない。
また発音も、一つの文字には一つの読み方しか定義されていない。英語sはthisでは[s]、isでは[z]だが、エスペラントではsは常に[s]と発音される。
また英語などにある二重音字、例えば英語のthisの「th」やeightの「gh」のようなものはない。
アクセントは常に終わりから2番目の母音であり、例外はない。後に子音が続かない場合は、アクセントの母音は伸ばして発音される。
エスペラントは28字のアルファベットで書かれ、大文字と小文字がある。
英語にあるQWXYの4字はエスペラントには無く、固有名詞以外では使わない。CGHJSの5字には^が付いた文字ĈĜĤĴŜがあり、またUには^が逆さになった記号(˘)が付いた文字Ŭがある。
母音は日本語と同様a、e、i、o、uの5種類である。
ABCĈDEFGĜHĤIJĴKLMNOPRSŜTUŬVZ
abcĉdefgĝhĥijĵklmnoprsŝtuŭvz
単語は、公平性のために国際的に広く使われている単語から選ばれた、とされている。
既に死語である、ラテン語起源と思われる語もある。
単語は語根+語尾で構成されており、語尾は次のようになっていて例外はない。
例えば、踊り(danco)、踊る(dancas)、踊った(dancis)と活用する。
この特徴から、エスペラントの単語は必ず母音かs音で終わる。
参考として、日本語と英語を併記する。
| 単数 | 複数 | |
| 一人称 | mi (私 ‐ I) | ni (私達 ‐ we) |
| 二人称 | vi (君 ‐ you) | vi (君達 ‐ you) |
| 三人称 | li (彼 ‐ he) | ili (彼ら/彼女ら/それら ‐ they) |
| ŝi (彼女 ‐ she) | ||
| ĝi (それ ‐ it) | ||
| 一般人称 | oni (人々) | |
エスペラントは、特殊な思想とは無関係の存在ではあるが、この思想は社会主義、共産主義に広く受け入れられた。
こういった思想家は、結果平等、世界の均質化を求める。世界中で同じ言葉を話す、というのは、かれらの思想と合致したのである。
しかし左翼には、男女の区別を否定する、いわゆるジェンダーフリーやいわゆるフェミニスト思想を良しとする者が多い。他の言語同様にエスペラントにもある男女の表現差を理由として、エスペラントはダメであるから使わない、とする者も現われた。
これに関連して、彼(li)と彼女(ŝi)を区別するのは性区別で望ましくないとして、liとŝiの代わりに代名詞「ri」を使うriisma esperanto思潮がある。
但し、エスペラントは保守的な存在であり、作者ザメンホフの定義からは変更をしないことを良しとする。ゆえに、riisma esperantoは正道ではない扱いである。
コンピュータでは、現在は主に文字集合や符号として、次のようなものが使われる。
ISO-8859-3であれば全のエスペラント文字が利用できるが、対応した実装は殆どなく、Webブラウザなども殆ど絶望的である。そこで、英語等の言語ISO-8859-1を用い、エスペラント独自の文字を数値文字参照などを用いて表現する方法がよく使われた。
現在は、時世も反映してかUTF-8を使う方法が主流である。