タリバン

読み:タリバン
外語:Taliban
品詞:団体組織名,@集団

アフガニスタン南部のカンダハル州に本拠をおくイスラム原理主義勢力。「タリバン」とは「神の道を求める者」を意味する「タリブ」の複数形。モハマド・オマル師を最高指導者とする。

2001(平成13)年10月にアメリカ軍が米同時多発テロの報復とする空爆及び北部同盟への荷担をするまでは同国領土の9割を支配し、事実上の同国の政権勢力であった。

1992(平成4)年のナジブラ政権崩壊後の長期内戦で弱体化したゲリラ組織を離れ、パキスタンの辺境バルチスタン州のイスラム学校(マドラッサ)に身を寄せていたパシュトゥン人ドゥラニ族のイスラム戦士たちが組織したものを祖とし、1994(平成6)年に再組織化。この時に「タリバン」の名が付いた。アフガニスタン本国に攻め込むが、軍事の素人だったため簡単に撃退されてしまう。その後、パキスタン軍部による軍事教練、武器提供など幅広い支援の下、再攻勢に出る。この時には2万5千人の兵員を揃え、戦車やMiG-21戦闘機を揃えるなど万全の態勢を整えていた。政府側の前回の一件による油断もあり、1996(平成8)年、瞬く間に首都カブールを陥落させ、1998(平成10)年8月、前大統領以下の北方同盟の籠もる北部を攻略。全土の9割弱を手中に収めた。しかし、この際にイラン領事館の外交官ら9人を殺害したため、10月にはイランとも交戦している。このほかパキスタンを除く周辺各国とも上手くいっておらず、同政権を承認したのはわずか3ヶ国(UAE、サウジアラビア、パキスタン)に留まっている。

この国際的孤立の中、2001(平成13)年2月26日にはイスラムの教えに反するとして、バーミヤンにある世界的な仏教遺跡である2体の大石仏像の破壊令を布告。世界各国の中止要請の中で破壊を決行し、3月14日に完了宣言を出している。

また、1998(平成10)年8月のケニア共和国、タンザニア連合共和国の米大使館爆破テロ事件、2000(平成12)年10月の米駆逐艦爆破テロ事件、2001(平成13)年9月の米同時多発テロ事件などの首謀者と目される、ウサマ・ビン・ラディンを資金・兵力援助を受けるかわりに国内で庇護しているため国際的に微妙な立場に立たされ、2001(平成13)年9月末までに既にUAE、サウジアラビアから断交されている。

2001(平成13)年10月以降のアメリカ軍による空爆及び北部同盟への支援が始まって以降は急速にその支配地域を失い、12月頭にはほぼ壊滅した。しかし、最高指導者であるオマル師をはじめとする幹部の行方は杳として知れない。