牛歩戦術

読み:ぎゅうほ・せんじゅつ
品詞:名詞

国会本会議における投票の際、その審議を引き伸ばすことを目的に、演壇上への投票を可能な限り遅くするよう、ゆっくりと歩いてゆく戦術。略して牛歩。

かつての日本社会党、最近ではその後継である民主党が時々行ない、その国会中継でお茶の間に笑いをもたらす一種の珍プレーの一つとして定着したが、元々は現在の自民党の前身の自由党(小沢一郎の自由党とは同名だが別物である)が昭和22年の第一回国会において、当時の与党の社会党への対抗として用いたのが初とされる。そして発案者は自由党幹事長大野伴睦だとされている。

この様なことをする理由は一つで、国会は会期が決まってるため、会期切れで採決が出来無かった時には、その法案は廃案か継続審議に持ち込めることに起因する。結局は採決されるの分かっていても、あえて引き延ばす理由はこれである。とはいえ過去に一度だけ、これで消費税を廃案にできたこともある。

裁決は実際は投票さえされればよいので、順不同でも問題はないが、一応名前を呼ぶ順番はある。そこで、呼ばれた順に次々と投票するのが普通の流れである。

牛歩の基本プレイは、牛歩議員が壁となり与党議員の投票を妨害、そして壇上にて立ち止まり通路を塞ぎ妨害、というのが常道である。この邪魔臭い連中を取っ払うのは与党の党歴の浅い議員(これを陣笠議員という)なわけである。もみ合った時は当然痛い。よって党歴の長い人は手を出さず、この手の汚れ仕事は新入りの仕事となるわけである。国会の中の人も大変だ。

現在牛歩プレイを見せてくれるのは民主党等であり、つまり野党である。よって先に与党が投票してしまえば、もみ合うこともなく、あとはひたすら野党議員が牛歩プレイをすることになり、国民もひらすら牛歩っぷりを楽しむことができる。

壇上でのお見合い、ひたすら長いお辞儀、靴紐直し、すり足歩きやスローモーション歩き、票をどっちのポケットに入れたかな?ごっこ等など、各議員の小技が光る場面であり、楽しみどころといえる。