成田国際空港

読み:なりたこくさいくうこう
外語:Narita airport
品詞:固有名詞

千葉県成田市にある空港。第一種空港。空港コードはNRT/RJAA。2004(平成16)年3月までの名称は「新東京国際空港」。

この空港の名称は完成以降長らく「新東京国際空港」であったが、2004(平成16)年4月1日、成田国際空港株式会社法が成立・施行され、空港を管理する「新東京国際空港公団」が「成田国際空港株式会社(NAA)」と名称を変え民営化(特殊会社化)されたのにあわせて、空港の名称もそれまで通称であった、「成田国際空港」に改称された。

戦後復興も一段落し、高度成長期に入り出すと、国際線の需要が高まりだした。特に首都圏ではこの傾向が顕著であったが、既存の東京国際空港(羽田空港)は手狭で、その需要に応えることは出来なかった。このため、それに代わる新しい国際空港の建設計画が練られるようになり、1962(昭和37)年、政府は新国際空港の建設方針を閣議決定する。1965(昭和40)年11月、政府は建設予定地を千葉県富里村(現在の富里市)に内定したが、地元住民の抵抗が非常に強く(富里反対闘争)、話し合いは難航した。このため、1966(昭和41)年7月4日、佐藤内閣は国有地の下総御料牧場があり、用地買収が容易であると考えられた千葉県成田市三里塚に予定地を変更した。しかし、寝耳に水であった三里塚の住民はこの政府決定に大反発。成田空港反対同盟を結成し、反対活動(三里塚闘争)を始めた。これに反帝学評(革労協)、第四インター、中核などの新左翼の過激派が合流、反対運動は過激さを増す一方で、政府の当初目論見は大きく外れることとなってしまった。

この反対運動で有効な戦法として行なわれたのは「一坪地主運動」といい、建設予定地の土地を一坪単位で多くの人間が所有することによって、政府が土地を買い上げるための交渉相手の人数を膨大なものとし、万一強制執行により土地を取り上げられる場合においてもその手続きの手間を増やそうというものであった。土地が一向に買収できないため、政府は土地収用法に基づき、1971(昭和46)年2月22日と9月16日の2度に渡って行政代執行を実行。特に2度目の時には東峰十字路で機動隊員3名が殉職している。政府はこれでなんとか最低限の土地の買収を終え、1973(昭和48)年には1本目の滑走路の建設に着手した。焦った反対派はまだ残っている土地に航空機の進路を妨害するように岩山大鉄塔を建てて、開港を妨害した。政府は話し合いによって解決を試みようとしたが、らちが明かないため1977(昭和52)年5月6日、鉄塔の撤去に踏みきった。ここでも反対派の救護に当たっていたボランティアの頭に機動隊のガス弾が直撃して死亡している。また、3日後には暴徒と化した過激派が交番を襲撃して警官1名を殺害している。なんとか空港の建設が完了し、開港も4日後に控えた1978(昭和53)年3月26日、厳重な警戒がひかれている中、空港に過激派ゲリラが突入し、管制塔内の機器を破壊。機器の修理のため開港は延期され、開港は1978(昭和53)年5月20日となった。また、突入の際に活動家1名が火傷を負い2ヶ月後に死亡している。

開港後も反対派の運動は続き、現在も未解決のままである。しかし、反対運動が大きくなるにつれ、その内容も当初の目的を忘れた単なる暴徒と同レベルとなってしまい、現在ではほとんど国民の支持は無い。なによりこの反対運動のせいで空港機能の拡充は遅れ、未だに計画は完了出来ずにいる。まず、当初この東京都心から60kmと遠く離れた空港までのアクセスには成田新幹線やリニアモーターカーの建設が予定されていたのだが、中止。代わりに建設されたJR線や京成線も営業開始は開港から大分経ってからのこととなった。さらに反対派のテロ行為を防ぐため、空港の出入りは厳重なチェックを受けねばならず、実に使いにくい空港となってしまった。また、滑走路も長らく一本しかなく、日本の首都圏の国際線を担う空港がわずか滑走路一本しかないという世界的に見ても異常な状態が続いた。現在ではなんとかもう一本の滑走路が稼働しているが、この滑走路の長さはわずか2,180mしかなく、中型機以下しか運用が出来ない。運用時間にも制限が大きく、ジェット燃料輸送の本格的パイプラインの建設も大幅に遅れた(完成は開港から5年後の1983(昭和58)年8月8日)。完成までは列車などによって輸送していた)。これだけ不便で使用しにくい空港ともなれば、首都圏第三空港や羽田再拡張事業の話が出てくるのも当然である。そうなれば、相対的に成田の地位の低下は免れず、それは地元産業の地盤沈下も伴うものとなる。これは自業自得とも言えることであるが、羽田の再拡張事業がはじまり、羽田の国際線再開が検討されだすとそれの反対運動を繰り広げている。これは大阪国際空港の騒音公害で住民訴訟を起こし、空港閉鎖を求めていた一方、関西国際空港の建設が決まり、いざ空港の閉鎖が決まった途端に残留運動を行なった伊丹市民よりも質が悪いと言わざるを得ない。

成田空港の2番目の滑走路は当初から計画されていたものであるが、開港そのものが反対派の大きな抵抗にあったこともあって、いつまでたっても建設できずにいた。しかし、2002(平成14)年に行なわれるサッカーのワールドカップまでの運用開始が目指された。滑走路予定地はその大半の買収が完了していたが、僅かに反対派の一坪所有地が点在し続けていた。このため建設位置を北側に800mずらし、長さも予定の2,500mから2,180mに短縮した「暫定滑走路」として1999(平成11)年12月から建設が開始された。建設開始までの難航振りとは裏腹に建設作業は順調に進み、予定よりも1ヶ月早い2001(平成13)年10月31日完成。運用開始も1ヶ月早められ2002(平成14)年5月20日から4月20日となった。2,180mの滑走路は地方の第三種空港の滑走路に匹敵する長さで、B767程度の中型機までしか利用できない。それまで成田空港でのこのクラスの機体の運用は1割程度しかなかったため、有効性が疑われていたが、これはそれまで成田の離発着枠にゆとりがなく、苦しい枠の中で多くの旅客を運ぶため大型機が重点的に運用されていただけのことであった。このため、暫定滑走路の運用開始後の離発着数はそれまでの13万回から17万回へと4万回増加し、その増加分全てが暫定滑走路によるものであった。このように暫定滑走路は一応の成功を見たが、これはこれまでアジアなどの近距離便もB747などの大型機での運航を余儀なくされていた異常な状態が改善されただけのことであり、これからの航空需要には対応できない。また、誘導路もへの字に曲がったままである。このため、やはり当初の予定通りの2,500m滑走路の整備が目指されている。

旅客ターミナルは第1と第2(1992(平成4)年12月6日オープン)の2つある。このターミナル間の移動は連絡バスを使って15分ほどかかるため、ターミナルを間違うと大変なことにもなりかねない。特に、近年増加しているコードシェア便は当然なことながら運航会社側のターミナルになるため、必ずしも自分のチケットの航空会社のターミナルと一致しないので注意が必要である。また、両ターミナル間の航空会社の割り振りは離発着数のバランスが取れておらず、さらに近年のアライアンスのパートナーも考慮されていないため、ほとんどのコードシェア便が自社運航便とは異なるターミナルから発着するという現状となってしまっている。これを是正するため、第1旅客ターミナルの改修が完了する2006(平成18)年春以降に大幅に組み替えられることになっている。現在の予定では第1旅客ターミナル・北ウィングにスカイチーム及びそれに所属するエールフランスに関係の深い会社、英系航空会社(BA、ヴァージン)(合計588便/週)、南ウィングにスターアライアンス及びそれに所属する全日空の関係会社(合計852便/週)、第2旅客ターミナルにワンワールド(BAとフィンエアーは第1・北に残留)及びそれと結びつきの強い日本航空とその関係会社、アライアンスに所属していない航空会社(合計1,228便/週)が入る予定である。

2003(平成15)年の成田の実績は航空機発着回数が羽田(26.8万回)に次いで国内2位の17.6万回、航空旅客数は羽田(6287万6269人)に次いで国内2位、世界26位の2653万7406人、航空貨物取扱量は国内1位、世界でも3位(2002(平成14)年に4位よりランクアップ)である215万4000トンであった。また、国際貨物に限定すれば、香港国際空港(チェク・ラップ・コック)の207万4000トンに次いで世界2位の162万2000トン(いずれも2001年)であった。

空港へのアクセスとして、道路は東関東自動車道の成田ICと接続する新空港自動車道と国道295号が接続されている。また鉄道はJR成田線(特急成田エクスプレス、快速エアポート成田)と京成本線(スカイライナー、特急、快速)が接続されており、第1ターミナルの下に成田空港駅、第2ターミナルの下に空港第2ビル駅がある。また、京成電鉄東成田線と芝山鉄道の東成田駅もあるが、こちらはほとんど利用されていない。

首都圏の場合、空港は国際線の成田と国内線の羽田と住み分けがなされているため、国際線・国内線の乗り継ぎはほとんどこの両空港間をまたがねばならない。この場合、航空便はほとんど無いため、地上移動によらねばならず、速いが高いリムジンバス(75分、3,000円)か、時間はかかるが安い京成電鉄のエアポート快速特急(105分、1,560円)を利用することになる。

コラム(空港概要)
所在地 千葉県成田市三里塚地区
開港日 1978年5月21日
種別 第一種空港
管理者 成田国際空港株式会社(旧:新東京国際空港公団)
面積 700ha
設置場所 陸上
運用時間 17時間(6時〜23時)
管制方式 単独管制
無線施設等 NDB, VOR, DME, ILS, ASR, SSR, ASDE, ATIS
ターミナル 2棟
着陸料 2,400円/トン
停留料 180円/トン
給油施設利用料 3.92円/L
国内・国際乗継 空港内水平移動
               (ただし, ほとんどは羽田空港との間での乗継)
アクセス 鉄道(JR東日本, 京成電鉄), 高速道路
施設利用料 大人 2,040円, 小人(2歳以上12歳未満) 1,020円
滑走路 A滑走路(4,000m×60m), 
       B滑走路(暫定2,180m×60m)(計画2,500m×60m)
航空機発着回数(単位:回)
  ┌────┬────┬────┬────┐
  │        │2000年度│2001年度│2002年度│
  ├────┼────┼────┼────┤
  │ 総  数 │ 133,046│ 129,000│ 176,365│
  ├────┼────┼────┼────┤
  │ 1日平均│     365│     353│     490│
  ├────┼────┼────┼────┤
  │ A滑走路│ 133,046│ 129,000│ 131,644│
  ├────┼────┼────┼────┤
  │ B滑走路│   -   │   -   │  44,721│
  ├────┼────┼────┼────┤
  │国 際 線│ 127,980│ 124,670│ 165,389│
  ├────┼────┼────┼────┤
  │国 内 線│   5,066│   4,330│  10,976│
  └────┴────┴────┴────┘
航空旅客数(単位:人)
  ┌─────┬─────┬─────┬─────┐
  │          │ 2000年度 │ 2001年度 │ 2002年度 │
  ├─────┼─────┼─────┼─────┤
  │  総  数  │27,714,796│24,891,113│29,993,321│
  ├─────┼─────┼─────┼─────┤
  │1 日 平 均│    75,931│    68,195│    82,173│
  ├─┬───┼─────┼─────┼─────┤
  │国│日本人│18,390,623│15,685,849│18,527,494│
  │  ├───┼─────┼─────┼─────┤
  │際│外国人│ 5,982,469│ 5,980,621│ 7,173,331│
  │  ├───┼─────┼─────┼─────┤
  │線│通過客│ 2,542,770│ 2,553,094│ 3,185,124│
  ├─┴───┼─────┼─────┼─────┤
  │ 国 内 線 │   798,934│   671,549│ 1,107,372│
  └─────┴─────┴─────┴─────┘
航空貨物量(単位:トン)
  ┌────┬─────┬─────┬─────┐
  │        │ 2000年度 │ 2001年度 │ 2002年度 │
  ├────┼─────┼─────┼─────┤
  │ 総  数 │ 1,842,558│ 1,603,940│ 2,030,149│
  ├────┼─────┼─────┼─────┤
  │ 1日平均│     5,048│     4,394│     5,562│
  ├────┼─────┼─────┼─────┤
  │ A滑走路│   677,517│   536,485│   716,354│
  ├────┼─────┼─────┼─────┤
  │ B滑走路│   863,473│   791,481│   911,786│
  ├────┼─────┼─────┼─────┤
  │国 内 線│   301,568│   275,974│   402,009│
  └────┴─────┴─────┴─────┘
コラム(ターミナル割り振り(カッコ内はチェックインカウンター))
第1ターミナル
  アメリカン航空(北ウィング4F・カウンターA・B)
  アリタリア航空(北ウィング4F・カウンターD)
  ヴァージン・アトランティック航空(北ウィング4F・カウンターC)
  ヴァリグ・ブラジル航空(北ウィング4F・カウンターB)
  エアカラン(北ウィング4F・カウンターB)
  エア・タヒチ・ヌイ(北ウィング4F・カウンターB)
  エールフランス航空(北ウィング4F・カウンターB)
  キャセイパシフィック航空(北ウィング4F・カウンターE)
  KLMオランダ航空(北ウィング4F・カウンターD)
  シンガポール航空(北ウィング4F・カウンターA)
  大韓航空(北ウィング4F・カウンターA)
  ノースウエスト航空(北ウィング4F・カウンターD)
  フィンランド航空(北ウィング4F・カウンターC)
  ブリティッシュ・エアウェイズ(北ウィング4F・カウンターB)
  ユナイテッド航空(北ウィング4F・カウンターB・C)
  USエアウェイズ(北ウィング4F・カウンターB・C)
  
第2ターミナル
  日本航空(JAL)(3FカウンターI〜M)
  日本アジア航空(JAA)(3FカウンターI〜M)
  JALウェイズ(3FカウンターI〜M)
  ジェイエア(第2ターミナル1F(国際線到着階)南側)
  
  全日本空輸(ANA)(3FカウンターA〜C・Z・V)
  エアーニッポン(3FカウンターA〜C・Z・V)
  エアージャパン(3FカウンターB)
  フェアリンク(第2ターミナル1F(国際線到着階)南側)
  中日本エアラインサービス(第2ターミナル1F(国際線到着階)南側)
  
  アエロフロート・ロシア航空(3FカウンターC〜H)
  アシアナ航空(3FカウンターZ)
  イベリア・スペイン航空(3FカウンターD〜H)
  イラン航空(3FカウンターD〜H)
  ウズベキスタン国営航空(3FカウンターY)
  エア・インディア(3FカウンターD〜H)
  エア・カナダ(3FカウンターW・Y)
  エア・パシフィック航空(3FカウンターD〜H)
  エジプト航空(3FカウンターD〜H)
  エバー航空(3FカウンターW・Y)
  オーストリア航空(3FカウンターW・Y)
  ガルーダ・インドネシア航空(3FカウンターD〜H)
  カンタス航空(3FカウンターD〜H)
  コンチネンタル航空(3FカウンターD〜H)
  コンチネンタル・ミクロネシア航空(3FカウンターD〜H)
  スイス・インターナショナル・エアラインズ(3FカウンターD〜H)
  スカンジナビア航空(3FカウンターW・Y)
  スリランカ航空(3FカウンターD〜H)
  タイ国際航空(3FカウンターD〜H)
  チャイナエアライン(3FカウンターC, 3FカウンターH(団体カウンター))
  中国国際航空(3FカウンターD〜H)
  中国東方航空(3FカウンターD〜H)
  中国南方航空(3FカウンターD〜H)
  デルタ航空(3FカウンターD〜H)
  トルコ航空(3FカウンターW・Y)
  ニューギニア航空(3FカウンターD〜H)
  ニュージーランド航空(3FカウンターD〜H)
  パキスタン国際航空(3FカウンターD〜H)
  ビーマン・バングラデッシュ航空(3FカウンターD〜H)
  フィリピン航空(3FカウンターD〜H)
  ベトナム航空(3FカウンターD〜H)
  香港ドラゴン航空(3FカウンターY)
  マレーシア航空(3FカウンターD〜H)
  MIATモンゴル航空(3FカウンターW・Y)
  メキシカーナ航空(3FカウンターA〜C・Z・V)
  ルフトハンザ・ドイツ航空(3FカウンターW・Y)
コラム(航空会社別発着回数(旅客便1,000便以上, 貨物便500便以上) 
2002年度)
※旅客便
  日本航空                              31,996回
  ノースウエスト航空                    15,102回
  全日本空輸                            11,270回
  ユナイテッド航空                       5,105回
  大韓航空                               3,647回
  日本エアシステム                       3,518回
  キャセイパシフィック航空               3,209回
  アメリカン航空                         3,007回
  カンタス航空                           2,809回
  アシアナ航空                           2,797回
  シンガポール航空                       2,698回
  チャイナエアライン                     2,698回
  日本アジア航空                         2,374回
  コンチネンタル・ミクロネシア航空       2,239回
  タイ国際航空                           2,214回
  中国国際航空                           2,074回
  エールフランス航空                     1,943回
  JALウェイズ                            1,867回
  中国東方航空                           1,473回
  マレーシア航空                         1,440回
  ブリティッシュ・エアウェイズ           1,434回
  コンチネンタル航空                     1,402回
  エバー航空                             1,392回
  エア・カナダ                           1,368回
  フィリピン航空                         1,332回
  ルフトハンザ・ドイツ航空               1,318回
  エアージャパン                         1,185回
  アリタリア航空                         1,016回
  
※貨物便
  フェデラル・エクスプレス               5,808回
  日本貨物航空                           4,263回
  日本航空                               4,165回
  ノースウエスト航空                     3,821回
  ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)  1,414回
  ポーラエアカーゴ                         775回
  キャセイパシフィック航空                 770回
  全日本空輸                               589回