新東名高速道路

読み:しん・とうめい・こうそくどうろ
品詞:固有名詞

既存の東名高速道路に併走するようにして東京エリアと名古屋エリアを結ぶ高速道路。仮称は「第二東名高速道路」だった。2012(平成24)年4月14日に最初の区間が開通した。

目次

起点・終点

設計諸元

  • 東京都〜海老名南JCT(構想区間)
    • 構造規格: 第一種第一級(C規格)
    • 設計速度: 100km/h(240km/hBeat)
    • 道路幅員: 36.5m
    • 車線数: 6車線
    • 路線延長: ‐
  • 海老名南JCT〜伊勢原JCT
    • 構造規格: 第一種第一級(B規格)
    • 設計速度: 120km/h(288km/hBeat)
    • 道路幅員: 34.5m
    • 車線数: 6車線
    • 路線延長: ‐
  • 伊勢原JCT〜静岡県〜豊田東JCT
    • 構造規格: 第一種第一級(A規格)
    • 設計速度: 140km/h(336km/hBeat)
    • 道路幅員: 36.5m
    • 車線数: 6車線
    • 路線延長: ‐

車線数は往復6車線であるが、一部で暫定4車線の区間が存在する。

このA〜C規格というのは、「第二東海自動車道及び近畿自動車道名古屋神戸線に係る構造基準等について(通達)」(平成2年8月6日 建設省道企発第50号・建設省都計発第99号)によって、140km/h(336km/hBeat)の走行可能性に配慮して、道路構造令(昭和45年政令第320号)の運用基準として定められたものである。

設計速度は次の通り。

  • A規格: 140km/h(336km/hBeat)
  • B規格: 120km/h(288km/hBeat)
  • C規格: 100km/h(240km/hBeat)

但し法定制限速度は都道府県公安委員会(警察庁)の権限になっており、彼らは設計速度を無視して制限速度を低く抑えたがる傾向にあるため、運用上の制限速度は推定で100km〜120km/h(288km/hBeat)程度になるとみられる。

規制等

  • 制限速度: 未定
  • 最低速度: 50km/h(120km/hBeat)
  • 標識規制: 未定

車線数

  • 神奈川区間: 暫定4車線 (完成6車線)
  • 静岡区間: 4/6車線混在(構造物有効幅員)
  • 愛知区間: 暫定4車線 (完成6車線)

法定路線名

建設計画

この道路は、神奈川県横浜市を起点(計画)に、東名高速道路と併走し、要所要所で交差しながら愛知県東海市に至る、延長約298kmの高速自動車国道である。

当面は、海老名南JCTを起点に豊田東JCTまでを結ぶ道路となる。

  • 1987(昭和62)年6月: 第四次全国総合開発計画閣議決定、高規格幹線道路とする
  • 1989(昭和64)年1月: 第28回国土開発幹線自動車道建設審議会で基本計画策定、横浜市〜東海市間(約290km)
  • 1990(平成2)年2月: 基本計画決定、神奈川県横浜市〜愛知県東海市
  • 1991(平成3)年12月: 整備計画、静岡県長泉町〜愛知県東海市
  • 1993(平成5)年11月: 長泉町〜東海市間に施行命令
  • 1996(平成8)年6月: 都市計画決定、海老名市〜山北町間(約35.9km)
  • 1996(平成8)年12月: 整備計画、神奈川県海老名市〜秦野市(約21km)、静岡県御殿場市〜長泉町
  • 1997(平成9)年1月: 建設省から日本道路公団に対し調査指示、海老名市〜秦野市間(約21km)
  • 1997(平成9)年2月: 基本計画決定、東海市〜名古屋市
  • 1997(平成9)年12月: 御殿場市〜長泉町間に施行命令
  • 1998(平成10)年4月: 海老名市〜伊勢原市間(約8km)に施行命令
  • 1998(平成10)年12月: 整備計画、神奈川県秦野市〜静岡県御殿場市(約33km)、暫定4車線に
  • 1999(平成11)年12月: 伊勢原市〜秦野市間(約13km)に施行命令
  • 2009(平成21)年4月1日: 中日本高速道路が、一部区間の先行開通の検討を発表
  • 2009(平成21)年8月11日05:07(10日@879): 駿河湾震源の地震が発生し東名が暫く通行止め、周辺道路が大渋滞する
  • 2009(平成21)年8月15日09:00(@041): 静岡県島田市牛尾→島田市相賀(L=約1.3km)を東名の迂回路として開放(2009(平成21)年8月15日16:00(@333)まで)
  • 2011(平成23)年8月26日: 2012(平成24)年初夏までの開通計画と、「新東名高速道路」の名の発表

沿革

以降は予定

  • 2015(平成27)年度末: 浜松いなさJCT〜豊田東JCT(L=約55km)
  • 2016(平成28)年度: 海老名南JCT〜厚木南IC(L=約2km)
  • 2018(平成30)年度: 厚木南IC〜伊勢原北IC(L=約7km)
  • 2020(令和2)年度: 伊勢原北IC〜御殿場JCT(L=約45km)

管理

中日本高速道路株式会社が管理している。

道路の構成

本線の他に支線があり、従来の東名との連絡が可能となっている。

  • 本線
    • (海老名南JCT〜御殿場JCT) (建設中)
    • 御殿場JCT〜新清水JCT〜浜松いなさJCT
    • (浜松いなさJCT〜豊田東JCT) (建設中)
  • 清水連絡路 (新東名〜東名)
    • 新清水JCT〜清水JCT
  • 引佐連絡路 (新東名〜東名)
    • 浜松いなさJCT〜三ヶ日JCT

接続する主な道路

接続する道路は次のとおり。下表には伊勢湾岸自動車道区間も含む。

高速道路、自動車専用道路

国道(一般道)

地方道

神奈川県
  • 神奈川県道603号上粕屋厚木線(都市計画道路西富岡石倉線) (伊勢原北IC(仮称))
静岡県
  • 静岡県道27号井川湖御幸線 (新静岡IC)
  • 静岡県道40号掛川天竜線 (森掛川IC)
  • 静岡県道74号山脇大谷線 (新静岡IC)
  • 静岡県道87号大岡元長窪線 (長泉沼津IC)
  • 静岡県道88号一色久沢線 (新富士IC)
  • 静岡県道209号静岡朝比奈藤枝線 (藤枝岡部IC)
  • (静岡市)市道小瀬戸飯間線 (静岡SAスマートIC・上り)
  • (静岡市)市道飯間本線 (静岡SAスマートIC・下り)
  • (浜松市)市道浜北灰木大平1号線 (浜松SAスマートIC・上り)
  • (浜松市)市道須部灰の木線 (浜松SAスマートIC・下り)

沿道施設、観光地等

(不明)

主な橋

(不明)

主なトンネル

(不明)

主な峠

(不明)

並行する鉄道

経由する自治体

大雑把な予定路線図から判断したもの。()は通過するかどうか不明な箇所。

神奈川県
海老名市 ‐ 厚木市 ‐ 伊勢原市 ‐ 秦野市 ‐ 足柄上郡松田町 ‐ 山北町
静岡県
駿東郡小山町 ‐ 御殿場市 ‐ 裾野市 ‐ (三島市) ‐ 駿東郡長泉町 ‐ 沼津市 ‐ 富士市 ‐ 静岡市 ‐ 藤枝市 ‐ 島田市 ‐ (菊川市) ‐ 掛川市 ‐ 袋井市 ‐ (周智郡森町) ‐ 磐田市 ‐ 浜松市
愛知県
新城市 ‐ 豊川市 ‐ 岡崎市 ‐ 豊田市

具体的なIC等は次のとおり。但し現時点では全て予定である。

第二東海自動車道横浜名古屋線

ここより前は未開通。

ここより後は未開通。

清水連絡路

引佐連絡路

この区間は三遠南信自動車道の一部となる。

SA/PAごとの主要な情報は次のとおり。複数の駐車場やトイレがある場合は、その合計。

本線
名称上り下り
駐車場トイレガソリン駐車場トイレガソリン
大型小型男大男小大型小型男大男小
秦野SA            
名称未定            
駿河湾沼津SA7598162360 7698162360 
清水PA683261430 683281842 
静岡SA8410282458 84102162862 
藤枝PA8038102050 8038102250 
掛川PA8539102250 8539102250 
遠州森町PA8536101844 8036101844 
浜松SA9492142460 9492162662 
設楽原PA            
岡崎SA            

120km/h走行実証実験

将来の法定速度120km/h(288km/hBeat)設定を見据え、渋滞対策や事故防止システムの実装のための試験が2009(平成21)年秋に行なわれるとされた。続報がないため結果は不明。

実験は遠州森町PA浜松浜北IC間と金谷トンネル‐掛川第一トンネル間の二つの区間の下り線で、計約17kmが用いられる。

試験実施のため、この区間は最優先で完成させるとした。

道路名

建設中、第二東名高速道路/第二名神高速道路と呼ばれていた。

先に開通した第二名神は「新名神高速道路」になった。

静岡県、愛知県、神奈川県、名古屋市、静岡市の3県2市により「新東名高速道路建設促進協議会」が作られ、建設推進のための活動が行なわれたほか、会として「新東名高速道路」の名を採用していた。

建設中の道路の標識なども、隠されているところからうっすらと「新東名」が透けて見えたりしており、相当前から新東名で内定していたものと思われる。正式な決定は2011(平成23)年8月26日に発表された。

名古屋区間

浜松いなさJCT〜豊田東JCT間は当初2014(平成26)年度末に供用開始の予定だったが、工期が1年延長され、2015(平成27)年度末開通予定に変更となった。延長の要因は次の三つとされている。

  • 複数の切土のり面で地滑りの兆候や大規模な崩落が発生したこと (額田、広田、設楽原、県境付近や、岡崎SA)
  • 自然由来の黄鉄鉱・重金属を含んだ土砂が推定以上に大量発生したこと (約50万m³程度の土砂の処分が必要となった)
  • 橋梁基礎の沈下が発生したこと

特に黄鉄鉱と重金属を含んだ土砂は、事前のボーリング調査等で、黄鉄鉱100万m³、重金属30万m³と想定されていた。しかしトンネル深部で推定以上が発生し、また切土部でも大幅な誤差が発生、最終的に160万m³、90万m³と大幅に増加することになった。

特に黄鉄鉱は処理に時間を要するため、計画では用地内の本線盛土に封じ込める計画であったが、50万m³程度を場外に運んで処理する必要が生じてしまい、これに2015(平成27)年の夏頃まで掛かってしまうとしている。

これら想定外の事態への対応の後に舗装工事などを実施することから、供用開始は2015(平成27)年度末になる見通しとされた。

東京への接続

東京どころか、法律上の起点「横浜」にすら至るのが困難な状況で、新東名どころか「海名道路」ではないかとも言われている。

この道路が完成すれば日本の物流に大きな貢献をすることは確実だが、新東名から東京都内への乗り入れはかなり困難そうである。

現時点では、海老名南JCTから、世田谷区玉川付近で外環道へ接続させるルートが考えられており、次のような計画があるとされている(但し、横浜環状道路は新東名ではない。他の道路計画を利用する、という意味である)。

海老名南JCT〜武相幹線横浜環状道路(高速横浜環状西線高速横浜環状北線)〜東京横浜道路東京外環自動車道

しかしながら、武相幹線も東京横浜道路もA'路線(国幹道に並行する一般国道の自専路)ではあるが、実現の目処は全く立っていない。

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