着陸料

読み:ちゃくりくりょう
品詞:名詞

航空会社が空港に対して、航空機の利用回数に応じて支払う利用料。

日本の空港の着陸料は外国の空港のそれと比較すると極めて高い。例えば国際線でよく使われるB747-400(395トン)の場合、成田の95万円、関空の91万円に対し、ニューヨーク(JFK)は54万円、パリ(CDG)は33万円、フランクフルト空港に至っては17万円でしかない。関空がアジアのハブ空港となり得ないのはその地理的条件だけではなくこの着陸料がライバルの仁川空港(ソウル)の31万円、香港空港の41万円に比べて2、3倍もすることにもある。この問題は国際競争力だけではない。日本の飛行機代の運賃が海外への場合と国内への場合を比較して国内の運賃が割高に見えるのはこの着陸料が高いことにも原因がある。国内線でよく使われるB767-300(130トン)の場合、関空で25万円、羽田で22万円(幹線の場合。地方路線だと15万円。ただし2003(平成15)年度からは幹線と同額)なのに対しニューヨーク(EWR)は12万円、パリ(CDG)は9万円、フランクフルト空港は5万円でソウルの金浦空港にいたっては2万円でしかない。もっとも旅客の多い東京─札幌では平均運賃に占める着陸料などの比率は24%もある。同じぐらいの距離であるワシントンDC─アトランタの場合それは10%でしかない。

関空の場合、空港までの距離が遠くて移動時間がかかる上に空港連絡橋の通行料が高く空港までの交通費も高く付いてしまう。そのためただでさえ伊丹空港に対して不利だが、ドル箱の大阪─東京の場合、関空だと海上を大きく迂回するため伊丹線に比べて10分ほど余計に時間がかかる。そのため、国際便との乗り継ぎ客がいるにも関わらず関空便の方が搭乗率が低い。航空会社は当然なことながら搭乗率が高い方を増便するが加えて着陸料も関空の方が1割ほど高いため関空に勝ち目は無い。このため、国際線も抱えるにも関わらず、なんと2002(平成14)年には「アジアのハブ空港」を目指す関空が、旅客数で「国内基幹空港」の伊丹に負けるという事態が発生している。国土交通省は伊丹の着陸料値上げや2種空港への格下げ、1日あたりのジェット枠250便のうち50便を伊丹から関空に振り向けると共に、1,000km以上の長距離路線の制限などという強硬政策をとろうとしている。この様な市場経済を無視した施政ではトータルの利用者が減少するだけのことであろう。

日本の空港の着陸料が高いのは税金ではなくて財政投融資を中心とする借金で建設しているからである。空港はこの着陸料とテナント料から収入を得ている。この収入を使って借金を返済しないと行けないので着陸料が高くなるのである。日本の空港は高速道路と同様まず建設ありきで、かなり利用見込みにかなり甘い見通しをたてているため、実際にはかなり苦難な道をたどることになる。関空などは借金の利子すらろくに支払えていない状況である。

実は成田は値下げが可能なのである。しかし、成田を値下げすると関空からますます航空機が逃げるので、伊丹と同様関空との兼ね合いから国土交通省が値下げをさせないのである。そもそも関空の着陸料はその借金の額からはじいてトンあたり3,600円とされる予定であった。これは成田の2,400円の1.5倍で競争にならないとの理由で同額にされ、2,300円を経て、成田の第二滑走路完成による発着枠増大に対応するため、2001(平成13)年4月から2003(平成15)年3月までの期間限定で2,090円にしたり、増便分はさらに半額とするなどの政策を打ち出しているが、1兆2千億円もの累積債務がある以上どうにもならない。この上1兆5千億もかかる二期工事を行なうと自力での借金返済は着陸料をいくらにしたって返済できない。そのため、政府は成田・関空・中部の三空港を一法人にまとめようとしている。つまり高速道路の東名・名神、大阪市営地下鉄の御堂筋線のように関空の借金を成田でまかなおうとしているのである。また、2002(平成14)年12月18日には国が年間90億円の「補給金」を30年間にもわたって関空に注入することを決定している。「民活」のシンボルとしてスタートした特殊会社関空とは一体何だったのであろうか。そしてその財源として、上述の伊丹の着陸料値上げによる30億円と26の地方空港と羽田で実施している着陸料の2/3への軽減政策をとりやめることで発生する50億円の計80億円を充てることにしている。つまり関空の借金を成田だけではなく全国で負担するわけである。こんなことをしていては高速料金と同様着陸料も下がるどころか上がる一方であろう。