炭疽を引き起こすウィルス原菌で、主な生物兵器に使用されるものの一つ。
生物兵器として用いる場合、化学混合物を使って加工処理をし、炭疽菌の芽胞を飛散しやすくして、致死率の高い肺炭疽を引き起こす可能性を高めておく。1950年〜1960年代にアメリカで兵器化された他、ソ連やイラクでも保有されていた。
肺炭疽にかかると、一週間以内の潜伏期の後、風邪に似た症状で発病。数日後、突然症状が悪化し、呼吸困難などにより死に至る。無治療では90%上の致死率である。
炭疽菌の入手は西アジアや南アジア、アフリカなど政情不安定な地域での入手が容易である他、旧ソ連の崩壊によって流出したものを入手するか、各国の研究室にあるものを入手することになる。自然界ではトルコからパキスタンに至る「炭疽ベルト」では年間100人以上の患者が発生しているが、炭疽菌は土壌に生息しているが、それを採取するのは困難である。
炭疽菌の培養は簡単で、大学レベルの研究室において一般実験用の培養液で37℃前後に保てば増殖する。胞子は通常、無味・無臭で白い粉末状であり、日光や熱、消毒剤などに非常に強い。手紙に入っていれば、外見から判断は難しい。
2001(平成13)年10月にはアメリカのフロリダやニューヨークで郵便物に付着していた炭疽菌によって炭疽にかかり、死者が出ている。この炭疽菌は加工処理が施されておらず、兵器化されていないものだが、炭疽ベルト以外ではほとんど見られない病気であるので、テロ(テロル)の可能性が高い。