特別警備隊 (海上自衛隊)

読み:とくべつけいびたい
品詞:団体組織名

海上自衛隊の特殊部隊。通称SBU。

目次

1999(平成11)年3月23日の能登半島沖不審船事件を受けて、海上自衛隊はこれに対応する部隊として2001(平成13)年3月末に特別警備隊(SBU)を設立した。

日本版のSEALs(米海軍特殊部隊)とも言うべき存在であり、実際SBUの創設に当たっては当初SEALsに訓練を依頼したものの、「日程の都合が付かない」として体よく断られた。

このため、訓練は同様に世界を代表する海を主体とした特殊部隊、イギリスのSBSから受けた。後にはSEALsへの訓練派遣などの交流も行なわれるようになったが、やはりSBSとの結びつきに比べれば弱い。

SEALsとの関係

「日程の都合が付かない」というのは、明らかに断りの文句である。

海上保安庁特殊警備隊(SST)の前身であるプルトニウム輸送船警備隊の創設の際には、アメリカ側から働きかけSEALsが訓練を行なっている。

この特別警備隊は北朝鮮に対する備えであるが、そうであれば同盟国であるアメリカは、多忙であっても応じる必要があったと考えられる。真相は闇であるが、どちらにしろアメリカにとって日本とはその程度の存在でしかないようである。

任務

設立直後の2001(平成13)年の奄美大島沖不審船事件では、政府から「出動待機命令」が発令されている(結局、不審船の自沈により出動命令は下らなかった)。

また、対テロ特別措置法でインド洋に派遣されている自衛艦には数名ずつSBUの隊員が乗り組み、警戒任務に就いているとの噂がある。

海保と海自

日本には「特別警備隊」という組織がもう一つ存在する。海上保安庁の組織である。

こちらの方が先に出来ているので、海自はそれを分かった上でSBUの名称を決定した。海保と海自とで同名のフネが多数存在することは有名だが、こういったところにも両組織の仲の悪さ、日本の縦割り社会、協同作戦への無配慮が垣間見られる。但し「現場」は、海自と海保の仲は普通であるらしい。

海保の方には、上述のようにSSTという特殊部隊が存在する。海保は「準軍事組織」に過ぎないため、装備面などにおいて、「軍事組織」である海自のSBUには敵わないと思われるが、SSTの方が歴史が長く、実戦経験も多い。

さて、沿岸警備では海保と海自の連携が重要だが、現実には連携はうまくいっていない。SBUが出動するかSSTが出動するかで「エゴの張り合い」になることが心配される。

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