DB600シリーズ中でもMe109やMe110をはじめとする航空機に搭載されたもっとも代表的なエンジン。海外でもライセンス生産がされ、日本でもDB601Aaのライセンス権を日本陸海軍がそれぞれ取得、各々川崎航空機(「ハ四○」と命名)と愛知時計算機(「熱田」と命名)で製造させた。
600型に対して、新たにボッシュ製直接燃料噴射装置を取りつけているのが異なる点である。この装置は通常のエンジンが気化器(キャブレター)で燃料と空気をまぜて混合気を作り、気筒内に送るのに対し、燃料を霧状にしてそのまま気筒内に吹き付ける方式であった。直接噴射することにより、気化器の氷結の心配が無くなり、急上昇や急降下など高いGのかかる飛行姿勢をとっても性能を維持でき、バトル・オブ・ブリテンにおいて、イギリス空軍を多いにてこずらせた。また、寒冷地での始動も容易・確実であるばかりか、温度圧力によって噴射量を調整できるため、経済性も高かった。