F-15E

読み:エフ・じゅうごイー
外語:F-15E
品詞:固有名詞

F-111アードバーグの後継となるアメリカ空軍の戦闘爆撃機。F-15の戦闘爆撃機モデル。ストライクイーグルの愛称を持つ。

アメリカ空軍のF-111後継機計画は当初、強化型戦術戦闘機(ETF)計画と呼ばれていたが、後に複合任務戦闘機(DRF)計画へと変更された。このDRF計画ではF-15とF-16を比較し、そのどちらかの改造型をF-111の後継機とすることになっていた。これに対し、F-15の開発メーカーであるマクドネルダグラスではF-15Bの追加試作機で社で所有していたTF-15Aを使用してF-15のDRF用試作機を製造した。一方、F-16の開発メーカーであるジェネラルダイナミクスはクランクド・アロー翼装備のF-16XLを製造。この2機種の間で選定が行なわれたが、既存機からの改修点が少なく、開発コストが安い(F-16XLの4億7千万ドルに対し、F-15改だと2億7千万ドル)、将来の発展性が大きい、被弾時の生存性が高いなどの理由により、1984(昭和59)年2月14日、F-15改が選定され、F-15Eとなった。

採用決定を受けてマクドネルダグラスでは直ちに生産作業に入り、1986(昭和61)年12月11日、生産初号機を初飛行させた。各種試験の後、1988(昭和63)年12月29日に第405戦術訓練航空団への引渡しが開始され、1989(平成元)年末にシーモアジョンソン空軍基地の第4航空団に実戦部隊として初めて配備された。

F-15Eは本格的な対地攻撃能力を得るため、多くの電子機器の更新・追加搭載が行なわれている。まずレーダーはF-15C/Dの多段能力向上(MSIP)機にも搭載されているAN/APG-70になり、さらに合成開口レーダー(SAR)機能が追加され、地上精密攻撃が可能となった。このSAR機能によって乗員はレーダーの画像をほぼ写真の様にして見ることが可能となった。これは解像度も高く、目標から80kmで12.8m、48kmで5.2m、24kmで2.6mとされている。その他、夜間攻撃用にFLIRや広視野HUDも装備され、LANTIRNポッドが左右の空気取入れ口の下に取り付けられ、3重系のデジタル自動飛行装置と組み合わせて全天候地形追随低空進攻を可能にしている。

F-15Eは外観上はそれまでのF-15と大差ないが、それら追加のエレクトロニクス器材による追加搭載器材や大量の兵装を搭載可能とするために、実際には機体構造の60%が再設計されている。これにより最大荷重が9Gに引き上げられ、構造寿命も8,000時間以上へと延ばされている。

F-15Eのコクピットはタンデム配置の複座で、全席にパイロット、後席に兵装システム操作員(WSO)が搭乗する。

F-15Eのエンジンは当初はプラット&ホイットニーF100-PW-220であったが、現在ではアフターバーナー使用時の出力で30%もアップしているF100-PW-229に変更されている。燃料はF-15C/Dと同様コンフォーマルタンク(CFT)を標準装備。F-15E用のCFTでは6箇所ハードポイントが2列に並べられ、主翼下などの従来からあるハードポイントと合わせF-15Eの兵装搭載ステーションは19箇所にも及んでいる。

実戦部隊配備開始から1年半後に湾岸戦争が勃発。F-15Eも2個飛行隊48機がサウジアラビアに展開した。まず、その誘導能力の高さから戦車狩りに参加。E-8 AWACSの指示を受けて、多数の戦車を初めとする車輌を屠った。続いて、その夜間攻撃能力の高さが買われ、スカッド狩りにも参加。夜間にスカッドが存在する疑わしい場所を2機編隊でパトロールし、AWACSから指示が出るとすかさず攻撃を加えるのである。しかし、これらの対地攻撃において対空砲火と地対空ミサイルにより、1機ずつが撃墜されてしまっている。F-15Eは対地攻撃能力だけでなく、そのF-15譲りの対空戦闘能力の高さも持っており、戦闘空中哨戒(CAP)も行なっている。ここではF-15が多数の撃墜を記録しているものの、F-15Eは撃墜を記録することは出来なかった。

F-15Eはアメリカ空軍向けに2004(平成16)年まで製造が続けられる他、イスラエルとサウジアラビア空軍が採用。2002(平成14)年には韓国が新たなカストマーになることが決定している。

全長                    19.43m
全高                    5.63m
全幅                    13.05m
翼面積                  56.5平方m
空虚重量                12,790kg(増槽無し, AIM-7F*4)
離陸重量                20,245kg
最大離陸重量            36,741kg
エンジン                P&W F100-PW-229
                        (ドライ 79.2kN, A/B 129.4kN) 2基
最高速度                マッハ2.5
海面上昇率              15,240m/min
実用上昇限度            18,290m
最小離陸滑走距離        274m
最小着陸滑走距離        1,067m
燃料容量                7,643L(機内)+2,737L(CFT)*2+2,309L(増槽)*3
航続距離                3,840km(増槽*3付)
武装                    M61A1 20mmバルカン砲 1挺(弾数 940発), 
                        AIM-7またはAIM-120*4, AIM-9*4, 
                        爆弾等11,110kg
乗員                    2名
初飛行                  1972年7月27日(F-15A)
  • アメリカ空軍:227機(F-15E*227)
  • イスラエル空軍:25機(F-15I*25)
  • サウジアラビア空軍:72機以下(F-15S*72)
  • 韓国空軍:40機(F-15K*40(予定))