ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…

読み:ドラゴンクエスト・スリー・そしてでんせつへ
外語:DQ3: DRAGON QUEST III 英語
品詞:商品名

エニックス(現スクウェア・エニックス)により1988(昭和63)年2月10日に発売された、ドラゴンクエストの三作目。

目次

動作機種

オリジナルの動作機種はファミリーコンピュータ

後にスーパーファミコン、ゲームボーイに移植された。

ラインナップ

移植版の特徴

スーパーファミコン版は続編「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」の後に作られたため、Ⅳから採用された新技術が導入されている。

この移植版の出荷本数は140万本だった。

全体の流れ

舞台は初代ドラゴンクエストより過去である。

最初の舞台は初代・Ⅱの世界の「上の世界」であるアリアハンである。この上の世界を旅した末、冒険の終盤にはギアガの大穴より下の世界アレフガルドへと移動し、大魔王ゾーマによって闇に閉ざされたこの世界に光を取り戻し、主人公達は伝説の勇者ロトとしてこの世界に名を残すことになるのである。

システムの改善点

3作目では1〜4人までのパーティプレイに対応した。

なお、2作目と違ってプレイヤー同士の血縁などはなく、酒場で集めた、言うなれば見ず知らずの人達とパーティを組むことになる。

名前も含めて仲間を自分で作成可能であるため、思い通りのパーティを組むことが可能となった。そして、この3作目では主人公(勇者)以外は職業を持ち、転職も可能となっているのが特徴である。

新イベント

前作ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々から健在の船の他に、どんな山をも飛び越えてゆける不死鳥ラーミアが登場する。

また小さなメダル、旅の扉、時間の流れで昼と夜が入れ替わるイベントもこの作品から登場した。

バッテリーバックアップ

冒険の書

本作において最も大きな特徴は、上に述べたような自由なパーティプレイや転職、不死鳥ラーミアなどでは実はなく、「復活の呪文」の廃止とバッテリーバックアップ「冒険の書」の登場である。

ゲームの規模が大きくなり、パスワードコンティニューでは復活の呪文(パスワード)が長くなりすぎ非現実的になったことと、復活の呪文の書き写し間違いによるトラブルを避けることが目的で導入された。

これによって簡単にセーブできるようになり、復活の呪文の書き間違いという悲劇を過去のものとしたが、しかしこれは新たな悲劇の始まりでもあったのである。それは「冒険の書」が、非常に消えやすかったという技術的な問題があったためである。これは、ファミリーコンピュータというゲーム機のハードウェアの制限によるものだったとされる。

リセット

三作目と次の四作目は、「リセットボタンを押しながら電源を切る」必要があった。この理由については幾説かあり正確なところは不明であるが、一般的な説は次の通り。

ファミリーコンピュータは、電源を切る際に電源が不安定な状況からバスを切り離す保護回路を持っていない(後継機のスーパーファミコンには搭載された)。このため、電源が切れる瞬間にメモリがアクティブになる可能性があり、この瞬間にメモリが書き換わってしまう可能性があった。

ファミコンでは、リセットボタンを押した時にバスがシステムから切り離され、不意のSRAMアクセスを防止することが出来たことから、ドラゴンクエストⅢと次作Ⅳでは、電源を切る際にリセットボタンを使う方法が採用された、とする。

悲鳴

この手順にどれほどの効果があったのかは定かではないが、とにかくⅢの冒険の書は簡単に消えた。

バッテリーバックアップは当時としては画期的ではあったが、技術的にこなれておらず、早すぎたとも言える。

このため、プレーヤーは戦々恐々とせざるを得ず、ゲームを楽しむどころではなかったのである。

本作のみの特徴

パーティ全員を透明にする呪文「レムオル」と、同効果の「消え去り草」は、本作のみに登場する。

敵1グループの素早さを下げる呪文「ボミオス」と、同効果の「まだらクモ糸」も、本作のみに登場する。

仲間全員の素早さを上げる呪文「ピオリム」は、本作と続く4作目(ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち)に登場する。5作目以降は廃止されたが、8作目(ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君)で復活した。

戦闘中の攻撃

戦闘中に、仲間に対して攻撃することがシリーズ中で唯一可能。

眠っている仲間を攻撃して起こすことができる、というのが売りだったと思われる。同時に仲間に対する回復の呪文でもモンスターに利用でき、時にこれが攻撃呪文として利用可能だった。例えばボス敵ゾーマはベホマで攻撃できる(スーパーファミコン版を除く)。

またファミコン版では、呪われたアイテムを戦闘中に外せてしまうバグがある。

オープニング

ファミコン版にはオープニングがない。これはゲーム本体に容量が割かれた結果、オープニングを入れる容量が無くなったため省かれたとされている。

ROMは前作の倍の容量(2Miバイト)があったが、それでも不足したわけである。

前作「ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々」の人気を引き継ぎ、前人気も高い作品となった。

このため、本作の発売日が1988(昭和63)年2月10日という平日の水曜日であるにもかかわらず、前日から徹夜をしたり、当日も学校を無断欠席するような児童生徒らが発生し、また、恐喝や窃盗などの犯罪も多発した。

このためエニックスは、以降の作品は、リメイク版などを除き公立学校の休みの日に設定するようになった。これによって無断欠席はなくなったが、しかし以降、ドラクエ人気が陰るまでは、徹夜は当然のように発生し続け、また恐喝・窃盗などの犯罪行為は毎度の風物詩となっていった。

商人の町

商人を一人預けるイベントが発生する。

高レベルの商人を預けても、募ったばかりのレベルの低い商人を預けても結果は変わらないので、普通はルイーダの酒場で新しい商人を用意する。町の名前は商人の名前が使われるので、命名については熟慮が必要である。

なお、女性商人を預けても、その後町の商人は男性商人になるバグがある。スーパーファミコン版では修正された。

バグ

ファミコン版に存在するバグ技。スーパーファミコン版では全て修正された。

  • 防御して攻撃する「防御攻撃」が可能
  • 「シャンパーニの塔」をクリアしなくても進行できる。ただし後から再登場のカンダタに「またおまえたちか!」と身に覚えの無いことを言われる
  • 俗称「ランシールバグ」を用いたアイテムの無限増殖が可能。「悟りの書」も簡単に増やせるため、ファミコン版でも容易に二人以上の賢者をパーティーに出来る

スーパーファミコン版

スーパーファミコン版は、ファミコン版そのままの移植ではなく、後継作で導入された機能やイベントを追加するなど大幅にシステムの変更や改善がなされており、ファミコン版とは一部異なる点がある。

  • ドラゴンクエストⅢは、レベルアップ時のキャラの成長はランダムだが、スーパーファミコン版では「性格」の設定によって成長の傾向が変化する
  • 新職業「盗賊」
  • 「遊び人」に転職可能 (これにより、誰でも賢者になれる)
  • 井戸の中に入ることが可能
  • 呪文やアイテムが大幅に増加している
  • 小さなメダルが存在する
  • 「すごろく場」が存在する
  • ドラクエ5から登場した便利ボタン機能が移植されており、コマンドを選択せずに話したり調べたりできる
  • 後継作と同様、タンスや壺などにアイテムが存在することがある
  • まとめ買い機能搭載 (シリーズ全体としてSFC版の本作が初)
  • 後継作に登場する「ふくろ」があるため、アリアハンで道具を預ける必要がなくなった
  • アレフガルドの曲がDQ1のものに変更された (FC版は上の世界と同じ)
  • ゲームクリア後の隠しダンジョンを追加

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