JRの指定席予約システム。日本初のオンラインリアルタイムシステムであり、日本の通信発展の歴史を語る上では欠かせないシステムの一つ。現在は鉄道情報システム株式会社が管理している。
1959(昭和34)年、東京駅構内にホストコンピュータが設置され、翌年から12台の端末と結ばれた "MARS1" が稼働した。当時の英語名は "Magneticelectronic Automatic seat-Reservation System"(磁気的電子的予約システム) と付けられていた。"MARS1" は予約を自動的に受け付けるのみで、切符の自動発券機能は無く、切符に座席を書き込むなどの手作業が多いという欠点があったが、コンピュータが普及していない当時としては、これでも画期的なシステムであった。その後、1964(昭和39)年に自動発券機能を装備した "MARS101" が稼働開始、1965(昭和40)年に "MARS102"、1968(昭和43)年に "MARS103"、1970(昭和45)年に "MARS104"、1972(昭和47)年に "MARS105" とバージョンアップを重ね、1985(昭和60)年の "MARS301"を経て、現在は、1993(平成5)年に稼働を開始した "MARS305" が使用されている。
現在のホストコンピュータは東京都国立市にあり、UNIXワークステーション20台で分散処理をしている。かつては日立製のHITACというスパコンが2台使われていた。電源は2系統を確保し、万が一に備えて、UPSとディーゼル発電機が用意されている。
MARS105の時代はマイクロ波の無線通信回線が国鉄本社と国立を結んでいた。端末は全国に約8000台があり、各駅のみどりの窓口や旅行センター、全国各地の旅行会社などに置かれている。
端末の操作は、最初は "活字棒" というハンコのような棒を差し込んで操作していたが、次第に進化し、現在はタッチパネル方式やマウス入力の端末も存在し、端末のOSにはMicrosoft Windowsも使われている。さらに最近は、JRの切符だけでなく、国内線飛行機のチケットや遊園地の入場券なども買えるようになっている。
JRの指定席券の発売開始が1ヵ月前の10時からと決まっている関係上、午前9時57分から10時ちょうどまでの間、データベース更新作業のため指定席券の発券が出来なくなる。
1999(平成11)年11月11日11:11(@132)ごろ、MARSのホストコンピュータがダウンする事故が起きた。一部では、この時刻に1が10個並んだことから、2000年問題(Y2K)の前兆ではないかと騒がれたが、それは原因ではない。真相は、このときに入場券を買い求める依頼が、1分(0.7Beat)間に約3万件ありアクセスが殺到した事と、10:50(@118)頃からデータ保守作業を行なっていた事とが重なったことが原因である。ちなみに通常、入場券の発行は1日当たり6000件程度、最混雑期の指定券発売開始直後の指定券発行処理件数は、1分当たり約14000件程度である。
コラム(主なMARS端末のタイプ)
MARS端末には, 操作方法によっていろいろな種類がある.
・M型, M2型 …大型で, データ入力には手動でパタパタめくる盤を使う.
正面にボタン, 右側にモニターがある.
・L型 …パソコンタイプで, モニターは白黒. 発行される切符は横
長の連続紙タイプで, 自動改札非対応.
・ME型, MR型…パソコンタイプで, データ入力には特殊なキーボードを使
う. キーボードのボタン1つ1つに駅名などが割り当てられ
ており, その割り当ては自動的に切り替わる.
・MR-10型 …パソコンタイプで, マウス併用のもの. OSがWindowsだっ
たりする.
・MR-20型 …タッチパネル式画面を使ったもの. 最新式の一つであり,
全国に設置が進んでいる.
・MV型 …新幹線指定券自動販売機. タッチパネル式画面で入力し,
お客が操作する. 新幹線を降りた先の目的駅まで乗車券を
買うことができ, 窓側指定機能や領収書発行機能もある.