崩壊の一種で、原子核がα粒子(α線)を放出して他の原子核に変わる現象。α壊変ともいう。
原子核は、陽子や中性子から構成される。特に、陽子2個と中性子2個の、いわゆるα粒子の状態が最も安定であるため、原子核はこのまとまりで存在する。
そして、原子核の陽子や中性子は核力(強い力)によって強く結び付き、一つの塊を保って存在している。
普通に考えれば、原子核からα粒子が飛び出すためには、この核力を上まわるエネルギーを何処からか得なければ、起こり得ない。しかし量子の世界では、そのようなエネルギーがなくともα粒子はトンネル効果を起こしてエネルギーの壁を越え、原子核から飛び出せるのである。
原子核から飛び出せば、狭い範囲にしか及ばない核力はもはや及ばない。次には双方が持つ電磁気力が働き、双方のプラスの電気により大きな斥力が発生し反発し合い、α粒子は高速に外部へと飛び出すことになる。
これを概念的に説明すれば、満員電車の中で身動きの取れなかった人が、突如人ごみを擦り抜けて外へ出るようなものである。