Ⅱ型超新星

読み:にがた・ちょうしんせい
品詞:名詞

超新星の種類の一つで、スペクトル線に水素の吸収線があるもの。

目次

太陽の4〜8倍以上の質量を持つ重い星が進化の最終段階になると、中心にの核が形成される。

やがて鉄の核の質量が増し、自らの重力に耐え切れなくなると鉄の核は潰れ重力崩壊を起こす。このとき同時に衝撃波が外向きに発生し、恒星の外周部分は吹き飛ばされる。これがⅡ型超新星である。

このためⅡ型超新星は重力崩壊型の超新星とも呼ばれている。

輝線

Ⅱ型超新星は、スペクトル中に細い輝線が見られるのが特徴である。

これは、爆発前に星の周囲に放たれた物質に、超新星爆発した恒星からの衝撃波がぶつかり、ゆっくりと膨張しながら発光していると考えられている。

超新星爆発

Ⅰa型超新星に比べ、爆発後にできる重い元素の中には鉄より軽めの中間元素が多い。

光度変化は個性があり、また渦巻銀河棒渦巻銀河の腕に出現することが多い。

なお、爆発後、中心の核は中性子星となる。

種類

大まかな分類

例えば次のように分けられることがある。

  • Ⅱ-norm型超新星 ‐ 通常のもの。単に「Ⅱ型超新星」と呼ばれることが多い
  • Ⅱ-pec型超新星 ‐ 独特(peculiar)であるもの (例えば SN 1987A)

光度変化

光度変化から、次の二つに細分される。

スペクトル線

スペクトル線の特徴から、次の二つに細分される。

  • Ⅱn型超新星 (スペクトルにある水素の線の幅が狭い(nallow)もの)
  • Ⅱb型超新星 (スペクトルに弱い水素の線があるもの、Ⅱ型→Ⅰb型に遷移する中間型とみられる) (例えば SN 1993J)

主な超新星

Ⅱ型超新星は膨大な量が発見されているが、その中でも特に論文の中に見られるなど注目されることがあるものに、次のようなものがある。()で併記するのは所属する銀河等の名称。

ⅡL/ⅡP/Ⅱn/Ⅱbなど他に分類されるものを除く。

  • SN 1054 (銀河系) ‐ 後のM1
  • SN 1951H (M101)
  • SN 1961I (M61=NGC 4303)
  • SN 1964F (M61)
  • SN 1967H (M99)
  • SN 1972Q (M99)
  • SN 1979C (M100)
  • SN 1987A (大マゼラン雲) ‐ ニュートリノ天文学の幕開けとなる記念すべき超新星
  • SN 1988A (M58)
  • SN 2002gw (NGC 992)
  • SN 2003ed (NGC 5303A)
  • SN 2006ov (M61=NGC 4303)
  • SN 2011fi (NGC 1954)
  • SN 2012ho (MCG -01-57-21)
  • SN 2013bu (NGC 7331)
  • SN 2013cc (NGC 1961)
  • SN 2013hu (NGC 3693)
  • SN 2014F (NGC 6667)
  • SN 2014G (NGC 3448)
  • SN 2014cx (NGC 337)
  • SN 2015ba (IC 1029)
  • SN 2020jfo (M61=NGC 4303)
用語の所属
超新星
II
関連する用語
Ⅰ型超新星
渦巻銀河
中性子星
衝撃波

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