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あかつき

辞書:科学用語の基礎知識 天文学人工衛星編 (USATE)
読み:あかつき
外語:Akatsuki 英語 , PLANET-C 英語
品詞:固有名詞
2003/05/15 作成
2015/12/07 更新

日本国の金星探査機。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が宇宙科学研究所(ISAS)だった頃から開発していた宇宙探査機である。

基本情報

仕様

  • 衛星バス: ‐
  • 設計寿命: 4.5年(打ち上げ後)
  • 質量: 約500kg(打ち上げ時)
  • 発生電力: 約500W (金星軌道上、ミッション終了時)

沿革

  • 2010(平成22)年5月21日06:58:22(20日@957): 打ち上げ
  • 2010(平成22)年5月21日20:50(@534)頃: 搭載カメラ(LIR/UVI/IR1)初期機能確認(地球の撮影)
  • 2010(平成22)年6月16日: 地球との直線距離(総飛行距離ではない)が1000万km突破 (この時点での通信所要時間は片道34秒(39cBeat))
  • 2010(平成22)年6月28日: 軌道制御エンジン(OME)噴射、国内新規開発の窒化珪素(Si3N4)製セラミックスラスタの世界初の軌道上実証に成功
  • 2010(平成22)年10月8日: 搭載カメラ(LIR/UVI/IR1/IR2)でいて座の一部を撮影、UVIとIR1の撮像画像中に星像を確認
  • 2010(平成22)年12月6日07:50(5日@993): 金星周回軌道投入の為の姿勢変更
  • 2010(平成22)年12月7日08:49(@034): 金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を実施するも失敗
  • 2010(平成22)年10月8日: 搭載カメラ(LIR/UVI/IR1)で金星を撮影(距離約60万km、視直径約1.2度)
  • 2011(平成23)年9月7日: 軌道制御用エンジン(OME)の第1回テスト噴射
  • 2011(平成23)年9月14日: 軌道制御用エンジン(OME)の第2回テスト噴射
  • 2015(平成27)年12月7日08:51(@035): 金星周回軌道投入の噴射

探査計画

火星探査衛星のぞみ(PLANET-B)に続く日本の惑星探査計画で、金星探査機である。各国が金星を目指しており、近く訪れる金星探査時代の先駆けとなる探査機である。

当初計画では2008(平成20)年に打ち上げられ2009(平成21)年に金星到着の予定だったが順調に遅れた。その後、2010(平成22)年にΜ-Ⅴロケットで打ち上げられ、翌年に金星軌道に到達する予定となった。

しかし計画は延期が続いた上、政府方針としてΜ-Ⅴロケットは開発中止。かくしてH-ⅡAロケットでの打ち上げに変更となった。

元々Μ-Ⅴロケットでの打ち上げが想定されていたため、探査機自体は小型軽量に作られている。

軌道投入

2010(平成22)年12月7日に金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を実施したが、その後通信が途絶え一時的に消息を絶った。その理由は不明だが、結果として計画通りの軌道投入には失敗した。

この時は、約6年後に、再度軌道投入のチャンスがあるため、それまで「あかつき」は休眠状態とすることが決定した。元々はバッテリーの都合から、無休で稼働させて4年半が予定されていたが、6年間休眠させても2年は稼働できると見込まれている。

検証実験では、失敗原因は軌道投入マヌーバ(VOI-1)時に逆止弁が閉塞し、結果として軌道制御エンジン(OME)のスラスタノズル部が破損した可能性が高いと見込まれている。破損したスラスタノズルの再着火可否などは地上試験で見極めつつ、結果に応じて2015(平成27)年11月に金星に再会合させることを計画している。

それに先立ち、軌道制御用エンジン(OME)のテスト噴射を、2011(平成23)年9月7日9月14日に実施したが、噴射による加速度が想定よりも小さな値を示していることが判明している。

搭載機器

ミッション機器

  • 1µmカメラ(IR1)
  • 2µmカメラ(IR2)
  • 中間赤外カメラ(LIR)
  • 紫外線イメージャ(UVI)
  • 雷・大気光カメラ(LAC)
  • 超安定発振器(USO)
  • デジタルエレクトロニクス(DE)

バス機器

  • 電源系
  • 通信系
  • データ処理系
  • 姿勢軌道制御系(AOCS)
  • 推進系(RCS)
  • 点火系(IG-BOX)
  • 構造系
  • 熱制御系
  • システム電気計装(WHS)

探査

大気

金星は、太陽系地球の一つ内側の軌道を周る惑星であり、地球に性質が近いと考えられている。

しかし金星は高温の二酸化炭素を高濃度に含む大気に包まれており、地球とはその環境が全く違う。そこで、なぜそのようになったかが分かってくれば、地球の誕生や気候変動などを解明する手掛かりになると考えられる。地球を知るという上でも、金星の研究は重要である。

あかつきは金星表面から300km〜6万kmまでの楕円軌道に投入され、この距離の違いを利用した気象現象や地表の観測を行なう。

暴風探査

金星には、大気大循環として自転速度の60倍にもなる超暴風「スーパーローテーション」という謎の現象が見つかっている。地球からの観測では、その正体は解明されていない。

あかつきは、金星上空から近赤外線や紫外線などで大気や雲の動き、の発生の有無などを精細に調査し、金星大気圏の謎の解明を目指す。

その他にも様々な現象や活動を調査することで、金星の謎の解明に挑む予定である。

探査機の名前

名前「あかつき」は、PLANET-C開発プロジェクトチームで検討をし決定した。「あかつき」(暁)とは、日の出直前に東の空が白み始める頃のことで、金星が最も美しく輝く時間とされる。

名称検討委員会では、観測主目的である金星を包む高速の風(スーパーローテーション)に因む「はやて」(疾風)と拮抗した。なお、プロジェクトマネージャーは「ひばり」を提案していたらしいが、その真意は不明。

元々は2010(平成22)年冬に明けの明星として暁の空に輝く金星に到着する予定だったこともあり、この情景の美しさやイメージによく適合するとして「あかつき」選ばれ、打ち上げ前にその名が発表された。

公募以外で打ち上げ前に名前を公表するのは異例だが、この探査機をより身近に感じてもらうことを意図しているとしている。

メッセージキャンペーン

国内外よりメッセージを集め、それを微細文字でアルミプレートに印刷して「あかつき」に取り付け、そのメッセージを搭載した「あかつき」が金星を周回する、というキャンペーンである。

個人での応募は、2010(平成22)年1月10日必着で、名前は全角10文字(半角20文字)、メッセージは任意で最大全角20文字(半角40文字)となっている。

団体での応募では白黒の絵も可能としている。

団体としては、例えば個人でロケット開発をしている「超電磁P」こと森岡澄夫により主催された「匿名100名募集! ミク絵を金星探査機に貼りませんか?」がある。はちゅねミク&初音ミクのイラストを載せるプロジェクトで、メーカーであるクリプトン・フューチャー・メディアの賛同も得られた。

2009(平成21)年12月22日には賛同者が1万人に達し、2010(平成22)年1月6日の署名締切時点で13,849人となった。

結果、寄せられたコメントとハンドル名を微細文字で用いて絵が描かれたアルミプレート3枚が搭載されることになった。

マスコット

PLANET-Cプロジェクトのマスコットキャラクターとして、二つのキャラクターが公式に設定された

船は女性名詞で、英語でもSheである。しかし、マスコットキャラは男の子。そこでTwitterにて、ブログメンバーのIES兄こと細田聡史博士により無茶なツイートが投稿された

あかつきくんの性別,正確には公式マスコットの性別から来ています

一般的に船はSheで表すので,海外の方には男の子というと戸惑うかも。じゃあ間を取って男の娘にすれば八方丸く収まる気がします。(IES兄)

もちろん公式には「男の子」だが、JAXAの中の人も大変そうである。

関連するリンク
金星探査計画
JAXA
東北大学
用語の所属
宇宙探査機
関連する用語
金星
ISAS
JAXA

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