すざく

読み:すざく
外語:SUZAKU: Astronomy Satellite-EII
品詞:固有名詞,@機械

第23号科学衛星すざく。JAXAが宇宙科学研究所(ISAS)だった頃から開発中の国産X線天文衛星。

2005(平成17)年7月10日12:30(@187)に内之浦宇宙空間観測所から、JAXAの宇宙科学研究本部(ISAS)のΜ-Ⅴ-6(Μ-Ⅴロケット6号機)で打ち上げられた。

はくちょうてんまぎんがあすかに続く、日本5番目のX線天文衛星である。

衛星計画名ASTRO-EⅡ。国際標識番号2005-025A。

軟X線からγ線までの広帯域(0.4〜600keV)を観測できるのが特徴。

高い分光能力と広観測帯域により、ブラックホール超新星、あるいは銀河団の衝突・合体や、巨大ブラックホールへ吸い込まれる直前の天体から放射されるX線など、宇宙の高エネルギー現象の観測により宇宙の構造や進化の謎の解明に貢献することが期待される。

高度約550kmの略円軌道である。

重量
約1700kg
寸法
直径2.1m、全長6.5m(鏡筒伸展後)、幅5.4m(太陽パドル展開時)

装備

  • X線望遠鏡 (XRT)
  • 硬X線検出器 (HXD)
  • X線CCDカメラ (XIS)
  • X線マイクロカロリメータ (XRS)

X線望遠鏡

口径40cm、焦点距離4.5m〜4.75mの望遠鏡で、5台搭載されている。この望遠鏡は、先代「あすか」のそれと比べ、有効面積、結像性能ともに倍近い改善が図られている。

軽量でありながらも、10keV近い高エネルギーX線に対して、世界最大級の感度を持つ。

X線CCDカメラ

5台の望遠鏡中、4台の焦点面上に搭載されているのが、このX線CCDカメラである。

観測範囲は0.5keV〜12keVのX線領域である。

4台を併用すると、X線望遠鏡としては世界最大級の有効面積となる。

X線マイクロカロリメータ

5台の望遠鏡中、1台の焦点面上に搭載されているのが、このX線検出器である。従来の検出器と比べ、一桁も波長分解能が高い、高分解能X線分光器である。

動作には極低温が必要で、すざくでは

  • 断熱消磁型冷凍機
  • 液体ヘリウム容器(絶対温度1.2K)
  • 固体ネオン容器(絶対温度17K)

という三段階の冷却機構を新規に開発し、搭載した。

寒剤は消耗品で、観測期間は2〜3年間とされたが、僅か1ヶ月で液体ヘリウムが消失し、この装置での観測は既に終了している。原因はヘリウムを機体内部に還流させたことと考えられており、同様に冷却が必要な赤外線天文衛星あかりでは、直接排気に変更されている。

この名がすざく(朱雀)になった由来は、JAXAより4つが示されている。

  1. 朱雀は伝説上の鳥の姿をした宇宙の守護神で、災厄を祓い福を招くとされる。日本のX線天文衛星を引き継ぐのに相応しい。
  2. 日本のX線天文衛星の初挑戦は失敗だった。その再挑戦は白鳥が担い、その後の発展の道を開いた。ASTRO-Eの失敗は赤い鳥「朱雀」が引き継いで新しい歴史を開く。
  3. 朱雀は、藤原京・平城京で朱雀門や朱雀大路に名を残す。日本文化の全盛を導いた「あすか」時代を引き継ぐに相応しい(あすかは先代ASTRO-Dの衛星名)。
  4. 支那の星座の二十八宿は四神(玄武・青龍・白虎・朱雀)にまとまる。ASTRO-EⅡの観測対象のおとめ座銀河団は南方朱雀に属する天空領域である。

度重なる延期の末、一度は2005(平成17)年2月頃に決まったものの、H-ⅡAロケット打ち上げ失敗の余波で更に延期された。

2005(平成17)年6月26日12:00(@166)の打ち上げが決まったが、後に三段目エンジンのノズルの不調によりΜ-Ⅴロケット8号機(Μ-Ⅴ-8)のものと交換のため、7月6日に延期となった。

その後、梅雨時ゆえの天候不順により再度延期され、7月10日に打ち上げとなった。