銀白色の金属元素の一つ。
安定同位体は三つある。
| 同位体 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊の種類 | 崩壊後生成物 |
|---|---|---|---|---|
| 104Cd | ||||
| 105Cd | ||||
| 106Cd | 1.25% | >6.6×1018年 | (2β+崩壊) | 106Pd |
| 107Cd | 6.5時 | EC崩壊 | 107Ag | |
| 108Cd | 0.89% | >4.1×1017年 | (2β+崩壊) | 108Pd |
| 109Cd | ‐ | 1.267年 | EC崩壊 | 109Ag |
| 110Cd | 12.51% | 安定核種(中性子数62) | ||
| 111Cd | 12.81% | 安定核種(中性子数63) | ||
| 111mCd | ||||
| 112Cd | 24.13% | 安定核種(中性子数64) | ||
| 113Cd | 12.22% | 9.3×1015年 | β−崩壊 | 113In |
| 113mCd | ||||
| 114Cd | 28.72% | >9.2×1016年 | (2β−崩壊) | 114Sn |
| 115Cd | ‐ | β−崩壊 | 115In | |
| 115mCd | ‐ | 44.6日 | ||
| 116Cd | 7.47% | 3.4×1019年 | 2β−崩壊 | 116Sn |
| 117Cd | ‐ | 2.4時 | β−崩壊 | 117In |
| 118Cd | ||||
有毒だが、展性が大きく加工しやすいという特徴を利用してメッキや電池の電極に使われる。
カドミウムは中性子をよく吸収する性質があり、原子炉の制御棒材料としても使われている。
硫化カドミウムは黄色顔料として使われるほか、半導体の性質を示し、光の強度によって抵抗が変わることから光センサーなどに使われる。
イタイイタイ病は、富山県の神通川流域で発生した、日本初の公害病として認定された疾患である。これはカドミウムによって引き起こされる、骨が軟化する病気である。
重金属であるカドミウムの慢性中毒により腎機能障礙を起こし、カルシウムの吸収ができなくなり、もって骨が脱灰状態になり骨軟化症を招く。このため、僅かな身体の動きでも骨折してしまい、患者が「痛い痛い」と泣き叫んだことから、地元の開業医、萩野昇により「イタイイタイ病」と命名された。
まず、18世紀頃から、神通川流域上流の神岡鉱山で銅や鉛、亜鉛などが採掘されるようになった。しかし、当時はカドミウムが良く知られておらず、その検出方法も知られていなかったこともあり、亜鉛製錬後に発生したカドミウム含有排水などが、そのまま神通川へと流されていた。
神通川の中流域では、潅漑用水や飲料用水として使われていたため、このカドミウム汚染水が農作物や水道水を通じて周辺住民の体内に蓄積され、やがてイタイイタイ病を引き起こしたのである。
食品に含まれるカドミウムの毒性については、食品安全に関するリスクプロファイルシート
でまとめられている。
1817(文化14)年にドイツの科学者シュトロマイヤーにより、菱亜鉛鉱の中の不純物として発見された。
化学名Cadmiumは、ギリシャ語で「菱亜鉛鉱」を意味するκαδμεία(kadmeía)から付けられた。