素粒子物理学の標準理論が存在を予言する、仮想の粒子。
英国の理論物理学者ピーター・ウェア・ヒッグス(Peter Ware Higgs)が、質量の謎を説明するために1964(昭和39)年に提唱した。
現時点では、まだ発見されていない架空の粒子である。
しかし現在の素粒子論はこの粒子の存在が前提となっており、世界中で存在を証明するための観測が行なわれている。
「質量」とは、「動きにくさ」であると表現できる。
この理論では、「ヒッグス粒子が空間をくまなく埋め尽くし、他の粒子を動きにくくしているため、粒子には質量があるのだ」と考えられ、説明されている。
現在、ヒッグス粒子の質量は輻射補正と呼ばれる理論的計算により、トップクォークとウィークボソンの質量に関係付けられている。ヒッグス粒子の質量を間接的に予測するため、現在はトップクォークとウィークボソンの質量を精密に測定することに力が注がれている。
現在、国際協力で「リニアコライダー」と呼ばれる全長30km〜50kmの直線型加速器を建設する案が持ち上がっている。
これは、電子と陽電子を光速近くまで加速し、両者を衝突させてヒッグス粒子を発生させ、その特徴を調べようとするものである。
建設費は5000億〜1兆数千億円と見積もられている。これを日本に誘致しようと、自民党には2006(平成18)年6月15日、与謝野馨金融担当相を代表とする建設推進議員連盟が設立されている。