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塩酸

辞書:科学用語の基礎知識 化学物質編 (NSUB)
読み:えんさん
外語:hydrochloric acid 英語
品詞:名詞
2000/11/26 作成
2011/08/24 更新

強酸性を示す無機酸の一つ。塩化水素の水溶液胃液胃酸の主成分である。

基本情報

  • 化学式: HCl (「HCl in H2O」や「HClaq」(aqは添え字でaquaの略)とも書かれる)
  • 分子量: 36.46(塩化水素)
  • 密度: 1.18g/ml(20%の場合)(MSDS)
  • 融点: −50℃(MSDS)
  • 沸点: 約108℃(20%の場合)(MSDS)
  • CAS番号: 7647-01-0
  • ICSC番号: 0163(塩化水素)
  • 官報公示整理番号(化審法番号): 1-215

塩酸
塩酸

  • 外観: 無色透明で強い刺激臭がある
  • 溶解性:
    • : 自由に混合

溶解性

塩酸は還元性なので、イオン化傾向でH(水素)よりイオン化しにくい物質を溶かせない。

酸化性の強い濃硝酸と濃塩酸を1∶3で混合した液体は王水と呼ばれ、イオン化傾向が低い金や白金も溶かす。

製法

工業的には食塩水の電気分解で得られた水素と塩素を直接化合させて作られ(H2 + Cl2 → 2HCl↑)、得られた気体をに溶かす。

実験室では食塩を希硫酸に溶かして加熱し、得られた気体を水に溶かす。NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl↑。

用途

工業的には金属の精製から医薬品の製造まで、極めて多目的に利用される。

また、実験器具の洗浄など、様々な目的で利用される。

危険物質

目に入ればめちゃくちゃ痛く、高濃度のものが目に入れば失明する可能性がある。

万一目に入ったときはまず、多量の水で目を洗い、その後速やかに病院へ。これは殆どの化学薬品に共通の処理であり、化学実験をするときの心構えである。それでも濃硫酸や濃アルカリならまず確実に失明するので、それと比べれば幾らかマシではあるらしい。

吸引すれば気道や肺を冒す。濃度の高い塩酸が皮膚につくと火傷の症状を呈する。

食品添加物

食品添加物のうち加工助剤としても指定されている。

加工助剤とは、食品の加工に使って良いが、最終食品には残留してはならない、というものである。その目的で使うなら、食品用のグレードのものを使わなければならない。

缶詰

缶詰用の果物(蜜柑など)の皮むきも塩酸に浸して行なわれる。

蜜柑の缶詰を作るとき、塩酸などの薬品で処理をしているというと多くの人が不快感を露わにするが、案ずることはない。塩酸など、酔っぱらったときにいつも吐いている筈だからである。

尤も、前述のように加工助剤なので、最終の食品には残留していない。

実験室的な利用範囲

石灰岩(石灰石)を入れたフラスコ希塩酸を注ぐと二酸化炭素が発生。

亜鉛などの金属を入れたフラスコに希塩酸を注ぐと水素が発生。

アルコールカルボン酸の混合液に希塩酸を入れると触媒として働き、エステル生成。

微生物や細胞の培養で使う培地などのpHの調整にも良く使われる。

適用法令

  • 危険物の規制に関する政令
    • 届出を要する物質
  • 毒物及び劇物取締法(法 別表第二)
  • 麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令
    • 麻薬向精神薬原料

運送上の制限もある。

  • 道路法
    • 道路法施行令第19条の13(車両の通行の制限)
  • 船舶安全法(危険物船舶運送及び貯蔵規則)
    • 腐食性物質
  • 航空法(第194条)
    • 腐食性物質

危険性

  • 引火点: 不燃性である(MSDS)
  • 発火点: (該当資料なし)
  • 爆発限界: (該当資料なし)

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: (該当資料なし)
    • 刺激性: 眼、皮膚を刺激する
    • 感作性: (該当資料なし)
  • 毒性
    • 急性毒性: 飲み込むと有害
      • ラット 経口 LD50: 900mg/kg体重(MSDS)
      • マウス 吸入 LC50: 1108ppm/1H(MSDS)
      • ウサギ 経皮 LD50: >5010mg/kg体重(MSDS)
    • 慢性毒性: (該当資料なし)
    • がん原性: 陰性 (IARC)
    • 変異原性: (該当資料なし)
    • 生殖毒性: (該当資料なし)
    • 催畸形性: (該当資料なし)
    • 神経毒性: (該当資料なし)
  • 規制値
    • 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
    • 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
    • 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
    • 暴露許容濃度(TLV): 設定されていない
    • 最大許容作業濃度(MAK): (該当資料なし)

環境影響

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: 水生生物に対して毒性が非常に強い

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