陰イオン界面活性剤の一つ。脂肪酸に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、または苛性カリ(水酸化カリウム)を加えて作られた洗剤のこと。苛性ソーダを加えると固形石鹸に、苛性カリを加えると液体石鹸になる。このため、脂肪酸石鹸とも呼ばれる。これ以外の手法で作られたものには合成洗剤(LAS)や高級アルコール系洗剤があるが、これらは石鹸とは区別される。
ちなみに石鹸はアルカリ性だが、これは脂肪酸石鹸は脂肪酸とアルカリ金属(主としてナトリウム)の塩であり、つまり弱酸と強塩基の塩であるために、水に溶かすと加水分解により弱アルカリ性となるためである。
飽和脂肪酸の石鹸は酸化されにくい。低級(炭素数が少ない)のものは融点が低いため低温の水にも溶けやすいが、高級(炭素数が多い)のものは融点が高く、低温の水に溶けにくい。
不飽和脂肪酸の石けんは、二重結合部分が単結合よりに水分子との親和性が良いため低温の水にも溶けやすいが、二重結合の部分が酸化されやすいという欠点がある。
石鹸は合成洗剤と違ってベンゼン核と硫酸基を持たないため、川などに流しても微生物を殺さず、川や海を汚濁しないという利点がある。