秒 (時)

読み:びょう
外語:s: second 英語
品詞:名詞,単位助数詞

cgs単位系MKS単位系MKSA単位系、ならびに国際単位系における、時刻・時間の単位。

目次

現在は、セシウム133(133Cs)の基底状態の二つの超微細単位間の遷移放射の9,192,631,770倍の周期の継続時間、と定義されている。

この長さの定義は、1967(昭和42)年の第13回国際度量衡総会で決定したものである。

Beatでは、1秒=1.157cBeatに相当する。

国際単位系では、SI接頭語を付けることで微小または巨大な値を簡潔に表現できる。

以下は、SI的に可能性のありそうな単位である。実際には、その殆どは使用実績が無い。

  • ヨタ秒(Ys) 1024
  • ゼタ秒(Zs) 1021
  • エクサ秒(Es) 1018
  • ペタ秒(Ps) 1015
  • テラ秒(Ts) 1012
  • ギガ秒(Gs) 109
  • メガ秒(Ms) 106
  • キロ秒(ks) 103
  • ヘクト秒(hs) 102
  • デカ秒(das) 101
  • (s) 100
  • デシ秒(ds) 10−1
  • センチ秒(cs) 10−2
  • ミリ秒(ms) 10−3
  • マイクロ秒(µs) 10−6
  • ナノ秒(ns) 10−9
  • ピコ秒(ps) 10−12
  • フェムト秒(fs) 10−15
  • アト秒(as) 10−18
  • ゼプト秒(zs) 10−21
  • ヨクト秒(ys) 10−24

しかしヨタ秒などの巨大な単位は現実的でなく、このような単位を使ってもヨタ話と言われる。

小さい方は、秒の下は途中を飛ばして「ミリ秒」をよく使い、その下は「マイクロ秒」「ナノ秒」あたりまで、電子工学や物理学では普通に用いられている。但し、「ピコ秒」以下にもなると、素粒子物理学、超高速通信といった、ごく限られた世界でしか使われなくなる。

国際単位系としては、SI単位ではないがなどの単位の併用を認めている。

最初から現在の定義が決められたわけではない。ここに至るまでに幾多の変遷を経ている。

紀元前

そもそも、一日(視太陽日)を24等分して1時間と定義したのは、紀元前4000年頃の古代エジプトだった。

これを細分し、1時間を60分、1分を60秒としたのは、紀元前1900年頃の古代バビロニア文明である。

この時・分・秒については、約4000年後の現在においても現役である。

なお、英語で秒をsecondというのは「1時間を60に分けた2番目(second)の細かい部分」(1番目は)であるためである。

18世紀

基準は視太陽日であったが、この視太陽日は一定ではない。夏と冬で1分程異なる。

そこで18世紀のヨーロッパにおいて、1年間の視太陽日の長さを平均した長さとして「平均太陽日」が定義され、これが基準となった。これを24等分した時間が「1平均太陽時」であり、1平均太陽時の3600分の1が1秒である。

公転周期基準

平均太陽時という定義は、地球の自転速度を表わしたものである。

これが常に一定であることが前提となっているが、実際には地球の自転周期は一定ではない。月による潮汐で地球の自転速度は変化しており、また徐々に遅くなっていると言われている。

そこで1956(昭和31)年、地球の公転周期を元に秒を再定義した。曰く「1秒は1900年1月0日12時(暦表示)に対する太陽年の1/31,556,925.9747倍」と定義され、これが1960(昭和35)年の第11回国際度量衡総会で正式に採用された。

しかし、これでもまだ完全とは言えなかった。地球の公転は、観測によってしか決定できない曖昧なものだったからである。

原子時計基準

セシウム原子時計が発明され、この原子時計を秒の定義とすることが決定された。

実際にこれが採用されたのは1967(昭和42)年の第13回国際度量衡総会で、これが現在の基準となっている。

現在の秒は、セシウム原子の約9.2GHzのマイクロ波遷移で定義されている。

1秒の再定義

現在、1秒の再定義が議論されている。

ストロンチウム(Sr)を用いた光格子時計や、アルミニウム(Al)イオンを用いたイオントラップ時計などがあり、セシウム原子時計よりも高精度かつ安定した周波数が得られることが確認されている。

特に光格子時計が有力候補と見なされており、これを用いて秒を再定義するための研究が行なわれている。

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