種族Ⅲ

読み:しゅぞくさん
外語:Pop III stars
品詞:名詞

近年の研究により、かつてW.Baade(バーデ)が明らかにした恒星にある二つの種族の拡張として考案された用語。

それゆえに明確な定義はないが、種族Ⅱの星に先立ち、宇宙で最初に形成された恒星を種族Ⅲと呼ぶ。

現在のビッグバン理論では、水素とヘリウムは宇宙誕生の際に作られ、それよりも重い元素は恒星内での核融合反応などで作られたと考えられている。従って、ビッグバン直後に生まれた恒星は水素・ヘリウムと、僅かなリチウムを含むだけで、それ以外の重元素を一切含まない恒星だと考えられる。こういった理論上の恒星を種族Ⅲと呼ぶ。

現在ではそのような恒星は観測されていない。重力レンズを利用した観測で幾つか候補は見つかっているが、確証が得られていない。2009(平成21)年には次世代宇宙望遠鏡(NGST: Next Generation Space Telescope)が打ち上げ予定で、これを利用すれば研究が進むものと思われる。

かつては、宇宙の初期に誕生した低金属量星は超巨星であるため、既に超新星爆発を起こして無くなったと考えられていた。しかし、ごく初期の種族Ⅱの恒星と考えられるHE0107-5240の発見により、宇宙の初期にも低質量星が作られていたことが分かった。こういった恒星の観測をすることで初期宇宙の謎にさらに迫ることができると考えられている。