先天性の脳機能障礙の一つ。出生1,000人に1.5〜2人以上生まれるとされ、その5人に4人は男性である。
次のような行動を取るのが自閉症の特徴である。
普通の人間は、自分の外側に世界があり、そこに人がいてその人にも世界があることを理解できる。しかし自閉症の人間には、その外側が生まれつき理解できない。
そして自分のやりたいこと、思いついたことをやってしまう。
我慢もできず、社会のルールも分からない。
脳がそれを理解できない以上、言って聞かせることは不可能である。
自閉症という名前は、このような障礙者の思考から付けられた名前であるが、誤解されやすい名前でもある。
これは決して、部屋に引きこもっていたり、内気な性格の子供をいうのではない。むしろ一時も目を離せないような子供が多いのが、この病気である。
自閉症はその大半が原因不明である。先天的な脳障害(障礙)で、脳内での情報処理を正常に行なえないという症状は分かっているが、その原因についてはまだ分かっていない。複数の要因の組み合わせによって生じているものと考えられる。
男女比が4∶1と圧倒的に男児が多く、また女児に発現した時は症状が非常に重いことから、性染色体に関わる遺伝(伴性遺伝)ではないか、とする説が有力であるが、病因が遺伝子かどうかさえ、まだ確定していない。
脆弱X症候群やレット症候群なども自閉症状を伴うことが知られ、脆弱X症候群はX染色体に問題があることが判明しているものの、レット症候群はX染色体が疑われていながら明確な原因究明には至っていない。
それ以外の自閉症では、染色体や、脳波検査・CT検査などでは異常が見られず、原因解明には至っていない。
先天性障礙であることから乳児期に診断が付くこともあるが、言語的、社会的な成長期である2〜3才頃になり異常に気付くことが多い。
現在の医学においては、原因不明である上に、根治も不可能である。
しかし、適切な教育訓練を行なえば、将来社会生活を行なうことも不可能ではない。