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青色発光ダイオード

辞書:科学用語の基礎知識 電子部品編 (NELECP)
読み:あおいろ・エルイーディー
品詞:名詞
2001/06/06 作成
2011/09/13 更新

に光る発光ダイオード(LED)。略して「青色LED」。

赤﨑勇により実用的な青色LEDが発明され、中村修二により実用化された。

そして赤﨑勇により更に高輝度の青色LEDが実現され、川崎雅司により新たな材質の青色LEDが発明された。

当初は材質がSiCで、暗く、しかも高価で実用にならなかった。

その後、赤﨑勇によりGaInN(ガリウムインジウム窒素)を材質とするものが発明されたが、量産は困難だった。

1990年代(平成)になって、日亜化学工業(以下日亜)の中村修二により量産技術が発明され、実用化された。この発明は404特許と呼ばれ、エジソンの電球に匹敵するとも言われている。

こういった、主として日本人による技術開発により、従来ののみならず、のLEDも低消費電力でかつ長寿命のものを作れるようになり、さらに赤・緑・青の三原色を合わせた白色光源も実現した。

このため、将来的には電球は全てLEDに置き換えられると見られている。

青色LEDは将来性のある革命的技術ゆえに、熾烈な特許抗争が繰り広げられている。

InGaN素材の青色LEDに関する多くの技術は日亜の特許であり、同社がほぼ独占生産を行なっているため、赤や緑と比べ青は高価で、いつになっても価格が下がらない要因となっている。

また同じく青色LEDを製造する他社との泥沼の裁判劇も繰り広げられた。しかし中村修二退職後の日亜には力がなく、次々と訴訟で敗退している。

加えて、より安価に製造できる青色LEDの「再発明」もされており、今後はシェアなども大きく変わる可能性がある。

改良時代

日亜は1993(平成5)年に、中村の「404特許」を使った青色LEDを発売した。輝度は1000mcdである。

1995(平成7)年秋には豊田合成が、赤﨑勇の技術を用いた輝度2000mcdの青色LEDの量産を開始した。

裁判合戦時代

1999(平成11)年から2000(平成12)年頃まで、日亜の敵は主に豊田合成だった。この頃は日亜が優勢で、泥沼の裁判劇で豊田合成の特許無効を勝ち取っている。

日亜の主張によると、この頃には既に「404特許」は使っていなかったらしい。

第三の材質

2004(平成16)年12月、SiC、InGaNに次ぐ第三の材質として、酸化亜鉛ZnOを用いた青色LEDの開発に川崎雅司・東北大金属材料研究所教授らのグループが世界で初めて成功した。

ZnOは化粧品などに多用される安価な物質であることから、実用化されれば高価な青色LEDの低価格化が実現できると期待される。また日亜の特許を使わずに済む。

中村側の主張

中村側の主張によると、日亜は中村とカリフォルニア大学に、青色LEDの研究の継続をしないこと、日亜で開発した製造方法を使わないこと、関連の発明は全て日亜の所有する権利を持ち出したとみなす、という一方的な内容で脅しをかけたとされる。

しかも中村が企業秘密を漏らさないように監視人が24時間見張っていて出したゴミまで調べられたそうである。そして奥さんや娘さんにまで不審なことが起こり、中村もやむを得ず反撃に出ざるを得なくなってしまったらしい。

これがどれ程事実かどうかは今となっては不明だが、少なくとも事実は、訴訟は日亜が先に起こしたものの、それを仕掛けたのは中村が先、という点であろうか。駆け引きは日亜の負けといえる。

訴訟の時系列

2000(平成12)年5月1日
  1. 中村が日亜のライバル企業の米クリー社と契約。
  2. その折、クリーからストックオプションを貰う見返りとして、日亜を訴える契約を結んだ。
2000(平成12)年12月21日
これを知った日亜は、クリー社を反訴すると同時に中村を訴えた
2001(平成13)年8月23日
中村が日亜を訴えた

中村の主張、第一審まで

中村は自分が発明した青色LEDの特許の権利の主張する。これは窒化ガリウム系結晶の製造方法に関する特許であり、「404特許」と呼ばれている。

しかし職務発明である以上、特許法35条により特許権は日亜のものである。そこで、相当の対価を求めた。

日亜は青色LEDで年間1000億円程度を稼いでおり、中村はその数%(当初50億円、その後200億円に増額)を対価に求めている。

この時には既に404特許は使っていなかったとされているが、しかし日亜は中村の発明のお蔭で会社に15億円の赤字が出たと無茶な主張をしたため、裁判官の心証を著しく悪くし、裁判は中村に有利になった。

第一審判決

一審は2004(平成16)年1月30日に結審、東京地裁は請求通り、200億円の支払いを命じた。

地裁は製品の売上高を確定分を含め1994(平成6)年〜2010(平成22)年までに1兆2086億円に上ると算定、その上で売上高に対する特許の貢献度を50%、利益分をその20%と見積もり、発明の利益を1,208億円とした。

さらに、「会社に青色LEDの技術蓄積は全くなく、独力での発明」として、設備費などを除く中村の貢献度を少なくとも50%と判断、604億円を中村の「発明の対価」と認定し、請求額200億円の満額支払いを認めた。

ちなみに日亜は即時抗告している。

第二審、日亜の反撃

裁判の決着は東京高裁で、高裁が提出した和解案によった。

そして結果、一審判決が認定した発明の対価約604億円の1/100にあたる6億円を対価とする和解案を提示、更に日亜の遅延損害金を含む約8億4000万円を支払うこととし、2005(平成17)年1月11日に結審、和解を成立させた。

その後の日亜

こうして結審した裁判であるが、もし二審の主張が事実なら、その特許の権利を社が保持し続けるとなると、主張と矛盾することになる。

このため日亜は、2006(平成18)年2月10日、404特許の放棄を発表した。

普及時代

訴訟合戦と開発合戦の末、安価な、そして高輝度の青色LEDが入手可能となったことにより、様々な色のLEDが普及を見せた。

現在は高寿命で高輝度のLED式信号機も登場し普及しはじめている。ただこのLED式信号機は、色盲の人には電球式よりも色の見分けが付けにくいとされ、評判が悪いらしい。

白色LEDにするカバー

2002(平成14)年になると一風変わった製品として、日亜製の青色LEDに取り付けると白色LEDになるというゴムキャップを朝日ラバーが発表した。朝日ラバーの株価はその後何日かストップ高となった。

これは、そもそも青色LEDがエネルギーの多くを近紫外線として放出している点に着目したもので、蛍光体のキャップを被せて紫外線の波長を変換する、というものである。蛍光灯やTVブラウン管と同じ原理で白色光としている。

用語の所属
発光ダイオード
関連する用語
日亜化学工業
赤﨑勇
中村修二

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