高速増殖炉

読み:こうそくぞうしょくろ
外語:FBR: Fast Breeder Reactor
品詞:名詞

原子炉のタイプの一つ。減速材は使用せず、冷却材にナトリウムを使う。

名前について

まずはじめに、名前から勘違いされがちだが、決して「高速に増殖する」原子炉ではない。

詳細は後述するが、この炉は、「高速中性子」により「燃料を増殖」させる「原子」から、「高速増殖炉」という名前が付けられたものである。

もっとも、このような誤解を招く名前を付けた者は、批判されてしかるべきであろう。

利点

増殖炉の一種で、高速中性子によって核分裂連鎖反応によるエネルギーを発生させながら、同時に炉内で消費した燃料(MOX燃料)以上の燃料(プルトニウム)を生成する、という原子炉である。

燃料を複数回リサイクルでき、ウランの利用効率が軽水炉と比べて高くできる上、軽水炉方式よりも廃棄物を減らせるのが利点である。

燃料

そもそも、原子力発電の燃料であるウラン235は天然ウラン中に約0.7%しか含まれていない。ウラン235だけに頼っていては石油と同様、いつか使い切ってしまうことは自明である。

一方、天然ウラン中に99.3%含まれているウラン238はそのままでは燃料にならないが、原子炉の中で中性子を吸収すると燃料として使えるプルトニウムに変わる。

つまり、高速増殖炉とはウラン238をプルトニウム239に転換する機能を持った原子炉であり、こうして出来たプルトニウムを使えば、今後数千年は燃料の枯渇に悩む必要がなくなると考えられている。

資源を作るということ

高速増殖炉の価値は、単に経済性だけではない。日本のようにエネルギー資源が乏しく、その大半を輸入に頼っている国では、エネルギー政策上も重要な意味を持っている。

増殖炉が実用化されれば、ウランなどの輸入価格の変動などに左右されない、独自のエネルギー資源を確保することができるからである。この確保に成功すれば原子力発電などにも有効で、安く、かつ安定して電力を供給することができる。

そこで世界各国で高速増殖炉の開発が行なわれ、日本でも国策によって開発が行なわれている。

しかし、高速増殖炉は冷却材に水ではなく液体ナトリウムを使うことや、原子炉自体の制御の難しさがあり、2008(平成20)年現在もなお実用化の見通しは立っていない。

各国の現状

アメリカドイツイギリスフランスは1980年代〜1990年代に撤退してしまった。

残った日本は、持ち前の技術力を見せるべき所だったが、1995(平成7)年12月の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)のもんじゅ事故以来、計画は頓挫したままである。

日本の現状

事故後、「もんじゅ」は旧動燃から引き継がれた特殊法人、核燃料サイクル開発機構に管理が移された。この特殊法人は、2005(平成17)年10月に日本原子力研究所(原研)と統合し、独立行政法人日本原子力研究開発機構になった。

これを著している現在、この機構により運転再開に向けた工事が進められており、2008(平成20)年1月現在、近日運転再開予定、とされている。

このため、どんな手を使ってでも日本の発展を阻害せんとするプロ市民からの妨害は激しく、様々な工作活動が繰り広げられいる。