International Protection

読み:インターナショナル・プロテクション
外語:IP: International Protection 英語
品詞:名詞

ANSI/IEC 60529-2004(Degrees of Protection Provided By Enclosure)で規定される、国際標準の保護指標。日本ではJIS C 0920が対応する。

目次

人体への接近に対する保護と、外来固形物や液体の進入に対する保護を、等級として数字で表現することを特徴とする。この指標はIPコードと呼ばれている。

IPの後に1桁または2桁で等級を記載し、必要に応じてもう一桁または二桁を付する。

書式

次のように記載する。JP23CHの例。

  • IP … コード文字
  • 2 … 第一特性数字 (0〜6までの数字またはX)
  • 3 … 第二特性数字 (0〜8までの数字またはX)
  • C … 付加文字(オプション) (文字A、B、C、D)
  • H … 補助表示(オプション) (文字H、M、S、W)

数字と文字

1桁目を「第一特性数字」といい、電気機器に対する保護内容として「外来固形物の侵入」と、人に対する保護内容として「危険な箇所への接近」を表わす。

2桁目を「第二特性数字」といい、電気機器に対する保護内容として「有害な影響を伴う水の浸入」を表わす。防水に対する保護は2桁目となる。

オプションの一つとして「付加文字」があり、人に対する保護内容として「危険な箇所への接近」を表わす。オプションのもう一つとして「補助文字」があり、電気機器に対する保護内容として「補助表示」を表わす。

第一特性数字に関する保護を規定しない場合はXとするため、水の進入に対する保護のみの指標は俗にIPXコードとも呼ばれている。

要素

要素数字または文字電気機器に対する保護内容人に対する保護内容
コード文字IP
第一特性数字 外来固形物の侵入危険な箇所への接近
0(無保護)(無保護)
1直径≧50mmこぶし(拳)による
2直径≧12.5mm指による
3直径≧2.5mm工具による
4直径≧1.0mm針金による
5防じん形針金による
6耐じん形針金による
第二特性数字 有害な影響を伴う水の侵入 
0(無保護)
1鉛直落下
2落下(15度偏向)
3散水(Spraying)
4飛まつ(Splashing)
5噴流(Jetting)
6暴噴流
7一時的潜水
8継続的潜水
付加文字
(オプション)
  危険な箇所への接近
Aこぶし(拳)による
B指による
C工具による
D針金による
補助表示
(オプション)
 補助表示 
H高圧機器
M水の試験中動作させる
S水の試験中停止させる
W気象条件

防水

第二特性数字で規定される、電子機器の防水能力は、現在重要な指標となっている。

日本国内では、JIS C 0920での規定が試用されており、俗にJIS防水保護等級などと呼ぶ。性能は、0級から8級までが規定されている。

  • 0級 ‐ (無保護)
  • 1級 ‐ 鉛直落下

    鉛直に落下する水滴に対して保護する。

    鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼしてはならない。

  • 2級 ‐ 落下(15度偏向)

    15度以内で傾斜しても鉛直に落下する水滴に対して保護する。

    外郭が鉛直に対して両側に15度以内で傾斜したとき、鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼしてはならない。

  • 3級 ‐ 散水(Spraying)

    散水(spraying water)に対して保護する。

    鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。

  • 4級 ‐ 飛まつ(Splashing)

    水の飛まつ(splashing water)に対して保護する。

    あらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を及ぼしてはならない。

  • 5級 ‐ 噴流(Jetting)

    噴流(water jet)に対して保護する。

    あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。

  • 6級 ‐ 暴噴流

    暴噴流(powerfull jet)に対して保護する。

    あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。

  • 7級 ‐ 一時的潜水

    水に浸しても影響がないように保護する。

    規定の圧力及び時間で外郭を一時的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の浸入があってはならない。

  • 8級 ‐ 継続的潜水

    潜水状態での使用に対して保護する。

    関係者間で取り決めた数字7より厳しい条件下で外郭を継続的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の浸入があってはならい。

噴流と潜水で試験し、合格している場合は、両方の併記(例 IPX5/IPX7)をする。

関連する用語
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