固定ディスクとも呼ばれる装置で、高速回転した磁気ディスクにデータを蓄積する装置。一般にディスク部分には固い金属板やガラス板が用いられるため、この名がある。
世界初のハードディスクドライブは「RAMAC 305」という装置で、1956(昭和31)年11月に開発された。
この装置は直径60cm程度の回転盤50枚で構成されており、5Mバイトのデータを保管できた。今では誤差として切られる程度の矮小な容量だが、この容量は当時としては膨大なもので、この頃主流だったパンチカード約6万枚分の情報量となる。
その後の技術革新によりディスクの密度は向上し、小型化、大容量化への道を進むこととなる。
高速回転しているディスクに磁気ヘッドが非常に接近する構造から衝撃などに大変弱く、場合によってはヘッドや記録面が破損し読み書きできなくなることもある。これを「ディスククラッシュ」などと呼び、ユーザに恐れられている。
現在の製品は初期に比べ耐衝撃性能が向上しているが、危険性はなお多く、取り扱いには慎重を要する。一部のメーカーの意見では、机上にマシンを設置した状態で机を強く叩くような程度でも破損することがあるとされる(一般に瞬間的な垂直方向への衝撃に弱い)。対策としてはこまめにデータのバックアップを取る以外に無い。
なお、ノートパソコンなどモバイル向けの製品では、非動作時にはヘッドが待避領域に移動する(リトラクタブル機能)などの対策が施されている場合が多い。
未使用時、ヘッドをどこに退避するかにより、現在は大きく二つの方式に分けられる。
ハードディスクドライブの容量は、伝統的に未フォーマット時における物理的な容量で表わされ、かつ単位はSI単位系に準じる。つまり、100Gバイト=100,000,000,000バイトである。
一方のパソコン用OSは古くから1K=1024などの変則的表記を行なってきたため、ディスクの容量が増えるにつれ両者の差は開き、結果としてハードディスク計算などと呼ばれている。アメリカでは訴訟も頻発しているとされる。
しかし、K、M、G、といったものを1024単位で計算することが、そもそもの間違いである以上、ハードディスクドライブの容量表示に罪はないと考えられる。
現在では、1024単位は国際電気標準会議(IEC)が新規にバイナリ接頭語として記号を策定したため、こちらに移行することが推奨されている。
通常のハードディスクドライブは固定式だが、ディスク媒体部分のみを交換できるようにしたリムーバブルハードディスクと呼ばれる製品もある。
また、近年ではディスク部分を交換するのではなく、ハードディスクドライブそのものを取り替えてしまう「リムーバブルハードディスクドライブケース」も普及している。ケースからパソコンへは、USBやシリアルATAなどで接続する製品が多い。