ATRAC

読み:アトラック
外語:ATRAC: Adaptive TRansform Acoustic Coding
品詞:固有名詞,+規格

音声圧縮技術の一つ。1992(平成4)年にミニディスクで採用するためにソニーが開発した。

ATRACはバージョン1、2、3.0、4.0、4.5、Type-Rと進化している。当初は16ビットだったDACも進化を続け、バージョン4.0からは20ビット、バージョン4.5からは24ビットと精度が高まり、従来より歪率やダイナミックレンジが大幅に改善されている。

具体的には、周波数帯域を低域・中域・高域の3つのブロックに分割し、それぞれ別々に圧縮処理を行なう。これは、同じ音量であっても周波数により人間が感じる音のレベルが違うという "等ラウドネス特性" に基づいた手法である。また、ある大きな音に近い周波数の小さな音は聴き取りにくいという "マスキング特性" に基づき、人間には聞こえにくいとされる音域をカット(マスキング)することで情報量を減らしている。

このような人間の聴覚心理学に基づいた方法で、人間の耳ではCDとの音質の差を殆ど感じることなく、CDフォーマット(44.1kHz/16ビット)の音声の情報量を約1/5に圧縮することができるとアナウンスされている。

しかしバージョン1の頃は、人間の耳に聞こえないとされる高域ブロックを粗末に扱っていたため、高級なオーディオ機器では高音の膨らみの不足などが起こり、マニアに酷く叩かれた。しかし改良を重ね、また歪率やダイナミックレンジの改善などが進み、現在では初期のものとは比較にならない程に音質が向上している。