GIMP

読み:ギンプ
外語:GIMP: The GNU Image Manipulation Program
品詞:固有名詞,@道具

Adobe Photoshop相当の機能を持つグラフィックソフトをUNIX用として開発しよう、という、GNUプロジェクトの一つ。

誕生

実際に公開されたバージョン1.0は、PhotoshopというよりはMS-DOSの頃に流行したグラフィックソフト、マルチペイントに近い雰囲気を持っていた。

その後もメジャーバージョンアップに向けての作業が続けられ、開発版も順次公開されていった。

2008(平成20)年2月現在、2008(平成20)年1月30日にリリースされたGIMP 2.4.4が最新である。

動作環境等

かなり安定しているためか、標準塔載となっているLinuxディストリビューションも複数存在している。

現在、存在するバージョンは、次のとおり。

マスコット

描かれる犬のようなマスコットキャラの名前はWilber(ウィルバー)という。

機能面

Photoshopにありそうな機能は、続々と実装されている。

レイヤー、カラーカーブ、パス・カラーマップ・ヒストグラムの編集、ブラシの編集などに加え、多様なプラグインに対応し、フィルタ類も充実している。

単に絵を描くだけならかなりの事ができ、フリーソフトではあるが、有料のソフトウェアと比べても遜色ない機能を持っている。

但し、CMYKカラーには対応していない弱点がある。入出力は可能だが、GIMPの内部はあくまでRGBで動いているためCMYKの色域をきちんと再現できず、印刷業務では使い物にならない。内部はシフトJISで入出力時のみUnicodeに変換しているエディタが「Unicode対応」を謳うようなもの、と言えるだろう。

ならPhotoshopを使えば良い、と言ってしまえば終わりだが、それだけPhotoshop相当の機能への道は長く険しいもの、ということでもある。

GTK+

GTK+というGUIツールキットは、GIMPのために開発されたライブラリである。

今では広く用いられているが、元々はGIMPの一部でもある。

オープンソースの象徴

概論

GIMPは、良くも悪くもオープンソースを象徴するソフトウェアの一つとして、よく名が挙げられるものである。

オープンソースソフトウェアの良さと限界を垣間見ることができ、そして商用ソフトの存在価値の再認識へと繋がることで、一つのソフトウェアだけでオープンソース開発の縮図が見られるからである。

GIMPはまだまだ、目標であるPhotoshopと比べれば機能は低いが、考えられる機能は続々と詰め込まれ多機能化へ邁進をしている。しかし、使い勝手などの点については一向に改善がない。

Photoshopは商品であるので、その売上を元手として開発者を雇い、利用者の意見を組み入れて改良が続いている。歴史も長く、携わった技術者も多く、更に利用者数も圧倒的である。

しかしGIMPはそうではない。開発サイドは趣味でやっているに過ぎす、人も少ない。現在、開発サイドは機能実装が最優先であり、プログラマとしてはここまでで満足する。次に求められる操作性などはデザイナの仕事であるが、この辺が弱いのだろうと見られる。

操作性

特に良くないと考えられているのは、機能は多くあっても、そのインターフェイスが整理されてない点である。異なる機能で、それぞれの動作の整合性が取られていない。実装優先の弊害であろう。

また機能はあっても、実際に必要とされる機能と「ずれ」があり、結局使えない、といった問題もある。痒いところに手が届かない、作り手が痒い部分を理解してない、というあたりがGIMPの弱点であり、永久にPhotoshopには勝てないだろうという根拠にもなっている。

それでも、まともなフィードバックがあり、それに対応する準備が開発サイドにあれば多少は良いのであろうが、GIMPの場合はまだその水準まで達していないようである。

対Photoshop

操作性という面では、Photoshopも充分に使い勝手が悪いソフトウェアだといえるが、それでも利用者が多いのは機能面が優れているためといえる。

そういう意味では、設定や操作が複雑で勝手が悪くても、機能さえあればよい、というGIMPの方針はあながち間違いではない。ただ、GIMPは機能も低いのが最大の問題で、苦しいところだといえる。ゆえに開発者はもちろん利用者も少なく、なかなか枯れて行かないのである。

課題

プログラマからすれば、UIの細かな改善や使い勝手の向上などは、つまらないことである。新機能の搭載に力を尽くすほうが遥かに楽しいことである。

オープンソースは趣味の世界なので、楽しくなければ誰もしない。これが限界なのである。

対する商用ソフトウェアは利用者に対価を求めるが、この額面は何なのかを鑑みるに、「プログラマは楽しくないが、ユーザにとっては使いやすい」という部分の価格なのだと言う事ができる。