シリアルATA

読み:シリアル・エイティーエイ
外語:SATA: Serial ATA: Serial AT Attachment
品詞:名詞

旧来のパラレルATAの後継として登場した、パーソナルコンピュータハードディスクドライブを接続するためのインターフェイスの一つ。

変更点

従来のATA(IDE)は、8または16ビットのパラレル伝送方式を用いていた。

シリアルATAではその名の通り、シリアル伝送方式が採用されているのが最大の特徴である。

パラレルからシリアルに変わったため、物理的な仕様も大きく変更されている。

大昔

ATAはまずIDEとして作られたが、この当時はST-506という製品の互換品が主に使われていた。このインターフェイスは、実はシリアルだった。

現在でこそ、シリアルインターフェイスの高速化技術は確立されているが、当時の技術力ではシリアルの高速化にも限界があった。そこで、ST-506のコントローラICであるWD1003とレジスタレベルで互換性のある、パラレルインターフェイスのIDEが作られたのがパラレルATAの始まりなのである。

変遷

時代は流れ、さらなる高速化、幅の広い邪魔なケーブルによるエアーフローの悪化など色々な問題が出て来るに至り、ATAは再びシリアル化された。

但しシリアルとは言っても、大昔のST-506のものとは、全く無関係である。上位のプロトコルはATAのものを維持し、物理層は最新の技術を導入した。

パラレルATAと、シリアルATAとの差異は、次のようなものがある。

  • 通信信号のシリアル化
  • 信号電圧の変更 (3.3V〜5V → ±250mV)
  • 高速化 (Ultra ATA/133(Ultra DMA モード6)の133Mバイト/秒に対し、150Mバイト/秒に)
  • ケーブル長の延長 (18インチ(45.72cm)→1m)
  • ケーブルの変更 (40/80芯パラレル→7芯シリアル)
  • マスタ/スレーブの概念を廃止し、1本のケーブルで1台とした

重要なものについては、詳細を後述する。

バージョン

シリアルATAには複数のバージョンがある。

単に「シリアルATA」と呼んだ場合は、総称の時と、1.0の時とがあり得るので注意が必要である。

Ⅲについては、開発の発表まではされたが完成することなく今に至っている。

接続方法

従来のATAは、信号ケーブルに40芯または80芯のフラットケーブルを用いていたが、シリアルATAでは7芯となった。更にケーブル長は従来の18インチ(45.72cm)から1000mmに延長された。

また従来のATAは1本の信号ケーブルに最大2台までドライブが接続できたが、シリアルATAでは1台しか接続できない。つまりマザーボードとドライブは常に1対1で接続される。

このため、従来のようにジャンパピンなどによるマスタ/スレーブの(面倒な)設定は不要となった。

マザーボード上のシリアルATAコネクタ
マザーボード上のシリアルATAコネクタ

ケーブル・コネクタ

コネクタの形状が従来のATAから変更されたのは半ば当然であるが、そのコネクタ形状の仕様が統一されている。これにより、3.5インチHDDと2.5インチHDDで同じケーブルを使用できる。

具体的には、次の二種類のコネクタが規定されている。

  • 信号用 (7ピン)
  • 給電用 (15ピン)

ホットプラグに対応するため、GNDが先に接触する設計となっている。

シリアルATA 信号用ケーブル
シリアルATA 信号用ケーブル

信用号コネクタは7ピンで、平衡伝送でデータを送る。7ピンは、A+/A−/B+/B−と、3本のGND線から構成される。AとBは、それぞれ送信用、受信用として用いられる。

速度

標準となる1倍速仕様の最大転送速度は1.5Gbpsである。符号化に8B/10Bを用いているため、8ビットの伝送に対し10ビットを要し、もって実質速度は150Mバイト/秒となる。この速度でさえ、従来のUltra ATAより高速である。

しかもUltra ATAではフラットケーブルの電気的な特性などによりこれ以上の速度向上は困難だったが、シリアルATAでは更に4倍速(600Mバイト/秒)までの性能向上も計画されている。

当初は1倍速と同じケーブルとコネクタを使うことが計画されたが、結局2倍速までは同じものを用い、4倍速では新しいコネクタを用いることとなった。

構造

ATAの名の通り、物理層はシリアルであっても、ソフトウェア面(上位の層)では従来のATAの仕様を踏襲する。

ある程度の互換性が維持されるため、デバイスドライバなどのソフトウェアも、大幅な変更なしでシリアルATAに対応できる。