スプリットホライズン

読み:スプリットホライズン
外語:split horizon 英語
品詞:名詞

ルーティングを安定化するための方法の一つ。

目次

距離ベクトル方式ルーティングプロトコルでは、通常、ルーターは自分が到達可能なネットワーク全てに関する情報をRIPなどで隣接ルーターに定期的に送信し、ルーティングテーブルを更新しあう。これをレギュラーアップデートという。

故障発生

例えば、A‐B‐C‐Dというルーターで構成されたネットワークと仮定し、ルーターDが故障したとする。

隣接ルーターCは、メトリック値16(到達不可能)を隣接ルーターBに広告(送信)する。これが全体に伝われば、ルーターDへルーティングを行なうことはなくなる。

しかし、その前にルーターBはルーターAに対しルーターDが生存している状態のテーブルを送信した場合、後にルーターAはルーターBに対して、ルーターDがまだ生きていた頃の状態のルーティングテーブルを戻すことになる。双方から来る異なったルートを、ルーターBは双方とも信用してしまう。

問題

さて、この状態では、ルーターAはルーターDへのルートをルーターBとするが、ルーターBはルートDへのルートをルーターAとしてしまう。

こうなるとルーターDへのパケットは、ルーターAとルーターBの間でループしてしまう。これがルーティングループである。

解決

そこで、発案された技術の一つがスプリットホライズンである。

その方法は大変シンプルであり、隣接ルーターから貰ったルート情報は、そのルーターに対して広告しない、というものである。

シンプルでありながら効果は劇的で、これによってネットワーク障害時のルーティングの不安定が早く収束する。

検証

ルーターDの故障を検出したルーターCは、ルーターBに対しメトリック値16を広告する。この直前に、ルーターBはルーターAに対し、正常だった頃のルートを広告したとする。この状態では、ルーターDの故障を知っているのはルーターCとルーターBだけである。

一定時間後、ルーターAはルート情報をルーターBに広告するが、ルーターBから貰ったルーターDのルートは広告しない。従ってルーターBのルートDに対するルーティングテーブルは汚染されない。

一定時間後、ルーターBはルーターDのメトリック値16をルーターAへと送信する。これにより、ルーターA、B、Cに、晴れてルーターDの故障の旨が周知されるのである。

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