CATVの同軸ケーブルを用い、最大270Mbpsの通信速度を実現する技術。現行のCATVインターネットに対応した集合住宅での利用が想定されている。
米Entropic Communicationsが開発し、2004(平成16)年1月5日にはc.LINKを推進する業界団体であるMoCA(Multimedia Over Coax Alliance)が設立された。MoCAには松下電器産業、米Cisco Systems、米comcast、東芝などが加盟している。
現在、CATVでは幹線は光ファイバ、宅内への引き込みは同軸ケーブル、というスタイルが一般的となっているが、近年はCATVでもFTTH化が進展している。しかし問題となるのは既に同軸ケーブルが配線された集合住宅である。集合住宅の配線変更は困難で、殆ど不可能ともいえる。
これまで、このような同軸ケーブルによる通信はDOCSIS 2.0で最大30Mbpsが限度であった。これ以上の高速化となると、集合住宅まで光ファイバを引き、ここからは電話回線を使いVDSL、などの方法くらいしかないが、電話回線となるとCATV事業者の管轄外となってしまう。FTTHが普及する中で劣勢を強いられているCATVが、DOCSIS 2.0で対抗できないことは今さら疑う余地はない。
そこで、この問題の解決を実現するのがc.LINKで、VDSLと同様の機構により、同軸ケーブルで最大270Mbpsを実現した。CATV事業者が普段から保守をしている同軸ケーブルで更なる高速化が狙え、しかも実運用で100Mbps以上が可能とあり、普及が期待されている。
使用する周波数帯域は50MHz分もあり、テレビ放送の8チャンネル分以上の広さである。現行のCATV(HFC)では770MHz以下を放送と通信で利用している一方で、BS/CS放送は1GHz以上を使用している。この隙間(900MHz帯)を有効活用するのが、このc.LINKというわけである。帯域幅が広いため、270Mbpsという高速通信が実現された。
通信に関する細事(変調方式など)は現時点ではまだ未定。試作機ではOFDMを変調に用いている。
具体的には、放送系用の光ファイバ網とは別に通信系の光ファイバ網を用意し、c.LINKモデムを介して放送系配線と合成する。両信号は同軸配線を経由しRF分配器で分配され各宅内に引き込まれ、従来のSTBでTVの視聴、またc.LINKモデムを利用して最高270Mbps(RF分配器の出力端子間での速度)が利用可能となる。