東京湾アクアライン
読み:とうきょうわん-アクアライン
外語:Tokyo wan Aqua-line

 神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ自動車専用道路の一般有料道路東京湾横断・木更津東金道路の一部である。
目次

情報

起点・終点

設計諸元

規制等

法定路線名

沿革

通行料金
 普通車は「800円」。
 通行料金に様々な割引が掛かっており、現在は普通車が800円で通行できる。
 高速道路の料金の変更について議論が進んでいるが、2013(平成25)年、国交省は「当分の間、千葉県による費用負担を前提に、現行の終日800円を継続する」とした。
 詳細は後述。

状況
 総事業費は約1兆4400億円(建設中利息等を含む)。
 全区間において東日本高速道路株式会社が管理している。かつては日本道路公団(JH)東京第二管理局が管理していた。
 道路の修繕や海ほたるPAの営業などは、東京湾横断道路(株)が行なっている。

特徴

接続する主な道路
 分かりやすいように、東京湾アクアライン連絡道も併記する。

主なトンネル
 アクアトンネルは、2車線×3まで拡張できる構造になっていて、出入口の穴は三つある。現在はこのうち2車線×2が供用されている。
 将来的には左右が2車線の上下線、中央が2車線対面通行となり、計片側3車線とする予定であるらしいが、現在の利用状況ではまず実現しないだろう。

経由する自治体
神奈川県
川崎市
千葉県
木更津市

インターチェンジなど
 具体的なIC等は次のとおり。東京湾アクアライン連絡道を含む。

東京湾アクアライン

東京湾アクアライン連絡道

料金

基本料金
 東京湾アクアラインは、「海峡部等特別区間」とされ、割高な料金設定となっている。通常の高速道路は、普通区間(地方部)が24.60円/km、大都市近郊区間が29.52円/kmと決まっているが、アクアラインの場合は179.28円/kmであり、ターミナルチャージが150円/回(いずれも税別)である。大都市近郊区間と比較しても、当社比6倍のお求めにくい価格である。
 2013(平成25)年現在「何らかの割引」が常にあり、基本料金の徴収はないが、ETC割引と、千葉県の負担を前提とした割引による現行料金は、次の通りとなっている。
車種本来料金現行料金
基本料金ETC料金社会実験
軽自動車等2,400円1,860円640円
普通車3,000円2,320円800円
中型車3,600円2,780円960円
大型車4,950円3,830円1,320円
特大車8,250円6,380円2,200円
 普通車の場合、(150円+(15.1km×179.28円/km))×1.05=3000円(四捨五入)、ということになる。
 料金所は上下線ともに木更津側にあり、さらに海ほたるPAにUターン用の車線と川崎方面からのUターン車両のための料金所が整備されている。
 割引は、海ほたるPAでUターンした場合でも適用されるが、川崎側から入った場合は後日割引となる。

当初計画
 基本料金については当初、普通車で開通6年め以降(2002(平成14)年12月18日〜)の基本料金が4,900円、開通より5年間の特別期間割引で4,000円とされた。
 しかしあまりの通行量の少なさから、次の計画で値下げされた。
 2005(平成17)年10月1日の道路公団民営化に伴い、本道路は東日本高速道路株式会社管理の一般有料道路となった。
 この時も料金は据え置かれ、また2008(平成20)年度になっても結局4,000円への値上げはできず、3,000円のまま維持されている。

過去の割引
 「アクアETC社会実験料金」などと称して、ETC車限定で「何重にもわたる割引」が行なわれた。
 基本的には、ETC車限定で次の値段であった。
 期間中、更に追加の割引も行なわれた。
 一回目は、割引料金から更に三割引となった(アクアラインのみ。連絡道を除く)。
 二回目は、時間帯割引社会実験「通勤割引」が行なわれた。朝夕の通勤時間帯(06:00〜09:00と17:00〜20:00)は、基本料金に対して半額となった(アクアラインのみ。連絡道を除く)。

現在と今後の割引
 2009(平成21)年3月28日〜2011(平成23)年6月20日00:00(19日@666)まで、生活対策(景気対策)の高速道路料金割引区間に含まれていた(休日は「休日特別割引」で1000円乗り放題、その他時間帯も割引)。
 また、2009(平成21)年8月1日からは、財源は国と千葉県が折半して、更なる値下げ「料金割引社会実験」を実施している。当初は2011(平成23)年3月31日までだったが、3年間延長された。
 ※ 2013(平成25)年、国交省は「当分の間、千葉県による費用負担を前提に、現行の終日800円を継続する」とした。従って、料金割引(普通車800円)は期限を設けず、当分の間続く見込みである。

対費用効果

公共道路としての対費用効果について
 本来、公共交通機関は採算など考える必要はなく、建設費用や維持費用と経済効果が見合っていれば良いものである。
 これは、家の前の道路の採算性を論じる必要がないのと、さして変わらない話だからであるが、一応ここに採算関係を記しておく。

経済効果
 まずこの道路は明らかに、建設費用および維持費用と、経済効果が釣り合っていない道路であるといえる。
 この道路はいつもガラガラで、需要があるとは考えにくい。

赤字
 2000(平成12)年度末の累積赤字は669億4000万円にもなり、1999(平成11)年度末の339億3000万円から約倍増したことが2002(平成14)年8月20日に日本道路公団(JH)の内部資料で明らかになった。
 このような事になったのは、当初、一日の交通量を2万5000台と見込んで作られたのに、実際には1万台と見込みを大きく下まわったため、赤字が拡大してしまったからである。

対策
 このため日本道路公団(JH)は2000(平成12)年7月、アクアラインの収支を黒字路線の京葉道路千葉東金道路に組み込む料金プール制(千葉プール)を導入した。
 しかし2000(平成12)年度末に千葉プール全体でも187億7000万円の赤字を計上するなど焼け石に水の状態で、2047(令和29)年の計画通りの償還は、まず不可能であると見込まれた。
 そこで、2005(平成17)年10月1日の日本道路公団の分割民営化に伴って千葉プールは廃止、全国路線網(いわゆる全国プール)に組み込まれた。これによって、東名高速道路などの黒字路線の収益によって、将来的に借金返済が可能となった。

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