自動改札機
読み:じどうかいさつき

 改札を自動的に行なう機械。
目次

概要

日本での起源
 古くは1927(昭和2)年の東京地下鉄道(現、東京メトロ銀座線の浅草〜上野)開業の際、運賃の硬貨を入れると入り口の棒が回るようになる改札機が導入されたことが始まりである。
 このときは均一運賃制が採用されていた。

普及まで
 その後、1966(昭和41)年に、現在の方式に近い自動改札機が近畿日本鉄道・あべの橋駅で試験的に導入されたが、これは実用化に至らなかった。しかし翌年3月に、阪急電鉄・北千里駅で本格導入されて以降、関西圏の大手私鉄では早くから導入が進んでいた。
 一方、首都圏では国鉄常磐線・柏駅などで試験が行なわれたが、各社の路線が複雑に入り組んでいる首都圏では導入が難しく、昭和60年代に入って、ようやくJR山手線の数駅で導入された。
 それ以降は各社で順次導入され、現在では大都市近郊の駅だけでなく、地方主要駅でも導入されている。

磁気券
 改札を自動改札機にするにあたり、乗車駅や運賃などを記録する必要があった。その方法として磁気が使われている。
 基本的には切符に磁気データを埋め込み、それを自動改札機に挿入して読み書きする方法が主流である。
 太古、磁気切符が実用化される以前は切符に穴を空け、これを光学的に読み取る方法を採用していた。これは昔の高速道路通行券なども同様で、ありふれた方法ではあったが記憶容量等に限度があった。そこで、磁気切符へと移行することになったのである。
 磁気データのフォーマットは、社団法人日本鉄道技術協会(JREA)の特定部会である「日本鉄道サイバネティクス協議会」が管理しており、基本的には全国共通のデータが使われている。

カード乗車券

ストアードフェアカード
 自動券売機が普及するにつれ、切符は現金だけでなく磁気カードによるプリペイドカードでも購入できるようになった。国鉄時代から使われていたオレンジカードなどが代表である。
 やがて、このカードを直接自動改札機に入れて電車に乗ることができるストアードフェアカードが導入された。オレンジカードでは改札を通れないが、JRではイオカードJスルーカードなどが対応した。
 かくして各社でストアードフェアカードを導入したり、切符やカードの複数枚投入に対応した改札機を導入したりすることで、切符を買う手間や精算窓口に並ぶ手間を大幅に省けるようにしたことも、自動改札機の特長であり、利点である。
 しかしJRのように制度が複雑な場合、複雑な制度に基づいた切符は改札機が対応してくれないという問題や、改札の機械化に法律が追いついていないという問題も残った。

ICカード
 時代は進み、非接触ICカードを採用した自動改札機が登場した。日本での鉄道用の非接触ICカードは、2001(平成13)年にJR東日本が導入した「Suica」が初である。
 これにより切符を購入したり、いちいちストアードフェアカードを取り出して改札機に通したりという手間を省くことが可能となった。
 フォーマット等は定かでは無いが、少記録すべき情報は磁気切符やストアードフェアカードと同様と思われるが、ICは容量が大きいため磁気切符や磁気カードには難しかった様々な情報が記録できる。
 分かり易い例としては、磁気切符では2社間までしか発券できない、つまり他社乗り継ぎは1回までの制限があったが、ICカード乗車券はそのような制限なく利用できる。

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