魚類
読み:ぎょるい

 脊椎動物のうちの一群。水中で生活し、鰓呼吸をし、鰭(ひれ)で泳いで移動し、体表には鱗(うろこ)がある生物
目次

概要
 分類学上は、魚類というものは存在しない。従って、明確な定義もない。
 見た目は似た生き物のため、その昔は学名の階層構造で綱の段階で魚綱を設定する方法も模索されたが、失敗し、既にそのような分類方法は取られていない。

特徴

範囲
 魚類と呼ばれるものは範囲が広いが、脊索動物門(Chordata) 脊椎動物亜門(Vertebrata)に属する生物のうち、両生類や、四肢動物を除いた動物を魚類ということが多い。
 鰹(かつお)や鱸(スズキ)、鮪(まぐろ)などの大型の生物も「魚類」として有名で、時に人を食べることで恐れられる鮫(サメ)も大型だがこれも「魚類」である。一方、鯱(シャチ)、海豚/鯆(イルカ)、鯨(クジラ)などは海中で生活するが、これらは哺乳類であり、魚類ではない。
 鯨の肉は生で食べられる貴重な食材だが、その肉質は明らかに魚類ではなく獣のものである。
 魚類と魚類ではない陸上生物の境界として知られ、現存するものは、シーラカンス目の生物(いわゆるシーラカンス)である。ゲノム解析により、魚類が持たず陸上生物が持つ遺伝子が確認されており、「進化の過程において中間となる生物」であるか、または「シーラカンスと陸上動物は一緒に魚類から分かれた」かの何れかが推測される。

主な特徴
 主な特徴は次の通り。

進化
 魚類から進化したのが両生類である。

発生生物学


 大脳皮質のうち、魚類の頃に嗅覚に関わる大脳旧皮質が作られた。
 魚類から進化した両生類、両生類の末裔である哺乳類などにも受け継がれており、哺乳類ではこの大脳旧皮質と大脳古皮質をあわせて辺縁皮質という。

血液型
 魚類にも血液型が確認されており、A型だとされる。


 魚類の鰭(ひれ)は、動物の前脚(人間なら腕)と、外形や働きは違うものの骨格の基本構造は共通している。
 哺乳類は魚類を祖先に持つため、構造が似通っている。このように、生物において外見や機能が異なっていても起源が同一である器官を相同器官という。

腎臓

構造
 脊椎動物腎臓前腎中腎後腎がある。発生学的には、その名の通り前腎・中腎・後腎の順に生じ、後のものができると前のものが退化する。前腎は初期の段階で退化し、魚類の多くは中腎が機能を有している。
 さて、魚類は、海水魚にせよ淡水魚にせよ、浸透圧の調整を鰓、消化管、腎臓でそれぞれ行なう。このうち塩分調整が可能なのは鰓と腎臓のみである。但し、周囲の環境が異なるため、淡水魚と海水魚では腎臓の構造や機能なども若干差がある。
 例えば、生涯の大半を海で過ごすサケでは、腎臓は長い一本の帯である。対して、淡水魚である金魚には腎臓が2つある。

イオン調整
 体液の浸透圧を維持するためには、無機イオンや水分の濃度が重要である。
 無機イオンは、海水魚はどんどん排出したいし、淡水魚は積極的に取り込みたい。水分は、海水魚はどんどん取り込みたいし、淡水魚は排出したい。
 海水魚の場合、海水は浸透圧が高いため、体内の水分は奪われやすい。そこで、海水を積極的に取り込み、鰓から塩分を排出することで消化管より水分を吸収する。
 淡水魚の場合、無機イオンは貴重なので、腎臓は無機イオンを逃がさないような構造をしている。また水分は周囲に充分にあるため海水魚ほど積極的に飲む必要がなく、また体内の過剰な水分を積極的に体外に出す必要があるため、尿も大量に排出している。

アンモニア
 魚類でも、硬骨魚類の殆どはアンモニアをアンモニアのまま排出するが、軟骨魚類になると尿素に変換して排出する機構を有するようになる。
 生きた化石とされるシーラカンスは硬骨魚類だが、進化したこの魚は軟骨魚類と同様にアンモニアを尿素に変換する機構で浸透圧の調節を可能として海水中に進出した。

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