飛行場

航空法(昭和27年7月15日法律第231号)第1条では「国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠」することが宣言されている。

国際民間航空条約では、第14附属書「飛行場」で「航空機の到着、出発、移動のため全部又は一部を使用せしめる目的をもつ陸上又は水上の一定区域(建物施設及び器材を含む)」(訳文)とされる。これが一番公的な定義といえる。

また、航空法第38条により、国家による一部例外を除いて、飛行場の設置には国土交通省の許可が必要である。

さらに航空法第79条では「陸上にあつては飛行場以外の場所において、水上にあつては国土交通省令で定める場所において、離陸し、又は着陸してはならない」とされ、無許可の場所で航空機の離着陸を行なってはならないとされる。

つまり、陸上において飛行場は「飛行機の離着陸を許可された場所およびその付帯設備」と考えて差し支えない。ただし、臨時に許可を受けた場所である場外離着陸場は、法的には飛行場に含まれていない。

実際には、文脈により含まれる範囲が異なる。広義では離着陸できる航空機の種別によらないが、狭義としてヘリコプターなどの垂直離着陸のみ可能なヘリポートを除外することがある。同一文章中に広義と狭義が混在することもあるので、注意が必要である。

日本では、不特定多数の用に供する公共飛行場と、限られた航空機の離着陸のための非公共用飛行場に大別され、設置時の申請項目に含まれる。公共、非公共というのはあくまで用途に基づくもので、公的な資金による非公共飛行場も存在する。

水上機のための水上飛行場も設定することができる。しかし、上述のように水上では禁止水域でない限り離着陸してかまわない(航空法79条)ため、現在の日本でわざわざ水上飛行場の申請をしている公共飛行場は存在しない。

飛行場は空港と混同されるが、空港は空港法で「公共の用に供する飛行場」と定義されている。

つまり、現在では民間航空機の発着する(できる)飛行場が「空港」であると言える。

かつて、旧・空港整備法では、主として航空運送の用に供する公共用飛行場のうち、政令で定めるもの、と規定されていた。つまり「指定を受けた飛行場が空港」であり、政令の指定がなければ空港ではなかった。

現在、飛行場は、空港法によって幾つかに分類されている。法改正により、呼称等も変更になった。括弧書きで併記するのは、旧法「空港整備法」による呼称である。

• 空港法第四条に掲げる空港 (旧・第一種空港)
• 第四条第一項第五号に掲げる空港 (旧・第二種空港)
• 地方管理空港 (旧・第三種空港)
• 共用空港 (旧・共用飛行場)
• 八尾空港 (※詳細後述)

以下は、空港法の定義にないもの。

• その他公共用飛行場(ヘリポートを除く)
• 公共用へリポート

八尾空港の扱いは特殊で、「空港法施行令」の附則に、次のように記されている。

附則(平成二〇年六月一八日政令第一九七号)

(経過措置)

2 第一条の規定による改正前の空港整備法施行令別表第二に規定する八尾空港は、当分の間、空港整備法及び航空法の一部を改正する法律第一条の規定による改正後の空港法(昭和三十一年法律第八十号。次項において「新空港法」という。)第四条第一項第五号に掲げる空港とみなす。

この附則により、第四条第一項第五号に掲げる空港(旧・第二種空港)とみなす旨が定められている。

現在は「新石垣空港」が開港し、それまで使われていた石垣空港は廃港となった。法律では「新石垣空港」が指定しており、この空港の開港までの間は経過措置が設けられていた。

附則(平成二〇年六月一八日政令第一九七号)

(経過措置)

3 空港整備法施行令の一部を改正する政令(昭和五十七年政令第三十二号)の規定による改正前の空港整備法施行令別表第三に規定する石垣空港は、空港整備法施行令の一部を改正する政令附則第三項の規定にかかわらず、新石垣空港の供用が開始される時までの間は、新空港法第五条第一項に規定する地方管理空港とみなす。

もって、石垣空港は新石垣空港開港までは地方管理空港(旧・第三種空港)が維持されていた。

旧空港整備法および関連制令で「第一種空港」とされていた空港。

旧空港整備法および関連制令で「第二種空港」とされていた空港のうち、国交省のもの。

「北九州空港」は、かつては「新北九州空港」と呼ばれていた。

旧空港整備法および関連制令で「第二種空港」とされていた空港のうち、自治体のもの。

旧空港整備法および関連制令で「第三種空港」とされていた空港。

広島西飛行場は、廃港の予定。