中央本線

読み:ちゅうおう・ほんせん
品詞:固有名詞

東京都と愛知県名古屋市を長野県塩尻市経由で結ぶ、JRの鉄道路線(幹線)。

旧国鉄の本線制度においては、中央線の一つであり、その本線となっている。現在では、中央線などの走る線路の名前と考えれば良い。

目次

  • 総延長:
    • 424.6km(東京駅‐名古屋駅)
    • 422.6km(神田駅‐代々木駅、新宿駅‐名古屋) (鉄道要覧)
  • 軌間: 1067mm軌道(JR在来線の狭軌)
  • 駅数: 112駅(起点、終点、東京駅を含む)
    • JR東日本: 73駅 (東京駅、塩尻駅含む)
    • JR東海: 39駅 (塩尻駅を除く)
  • 単線複線: 単線・複線・複々線以上が混在する
    • 複線 (東京駅‐御茶ノ水駅)
    • 複々線 (御茶ノ水駅‐三鷹駅)
    • 複線 (三鷹駅‐茅野駅‐普門寺信号場)
    • 単線 (普門寺信号場‐上諏訪駅‐岡谷駅‐辰野駅‐塩尻駅)
    • 複線 (岡谷駅‐みどり湖駅‐塩尻駅)
    • 複線 (塩尻駅‐贄川駅)
    • 単線 (贄川駅‐奈良井駅)
    • 複線 (奈良井駅‐宮ノ越駅)
    • 単線 (宮ノ越駅‐原野駅)
    • 複線 (原野駅‐倉本駅)
    • 単線 (倉本駅‐十二兼駅)
    • 複線 (十二兼駅‐名古屋駅)
  • 電化区間: 全線電化架空電車線方式直流電化1500V
  • 閉塞方式: 自動閉塞方式
  • 保安装置:
    • ATS-P: 東京駅‐塩尻駅
    • ATS-SN: 岡谷駅‐辰野駅‐塩尻駅 (辰野支線)
    • ATS-ST: 塩尻駅‐名古屋駅
  • 運転速度: 最高130km/h(312km/hBeat)
  • 所要時間: 東京駅‐名古屋駅 ‐ 7時間程度(特急スーパーあずさ、特急しなの併用)、約9時間(全て普通列車)

起点・終点

  • 起点: 東京駅(詳細は後述)
  • 終点: 名古屋駅

区間

国鉄時代は東京駅‐塩尻駅‐名古屋駅であったが、民営化を前に区間が変更され、次のようになった(詳細後述)。

  • 神田駅‐代々木駅、新宿駅‐みどり湖駅‐塩尻駅‐名古屋駅
  • 岡谷駅‐辰野駅‐塩尻駅 (辰野支線)

かつての東京駅‐神田駅は東北本線に、代々木駅‐新宿駅は山手線に変更されている。

金山駅‐名古屋駅は東海道本線との二重戸籍区間となっている。

塩尻駅‐松本駅も、JR東日本は便宜上の扱いとして中央本線と呼ぶこともあるが、この区間は実際は篠ノ井線である。

所属

塩尻駅を境に、東側を「中央東線」、西側を「中央西線」と呼ぶ。中央東線はJR東日本、中央西線はJR東海に属する。

  • 所属
    • JR東日本 ((東京駅‐神田駅)、神田駅‐代々木駅、(代々木駅‐新宿駅)、新宿駅‐塩尻駅)
    • JR東海 (塩尻駅‐名古屋駅)

特色

同じ東京駅発の東海道本線太平洋沿岸を走るのに対し、中央本線は内陸を走る。日本の中央を走ることから「中央本線」と名付けられた。

線路は概ね、甲州街道中山道沿いに走っている。

都心部は中央線快速のため複々線以上となっているが、それ以外は複線、また単線区間も多い。

長野県の諏訪湖沿いは単線になっているが、これは地元が「諏訪を通過されると街が廃れる」として複線化を妨害をしたためである。

路線区間の確定まで

現在では、「本線制度」は有名無実化しており、最近のJRの資料にはどこにも使われていない。いまJRが用いる「中央本線」という名は、慣用からの名に過ぎず、本線制度に基づく路線名ではない。

さて、この現在の慣用名としての中央本線は、東京駅‐塩尻駅‐名古屋駅を通して言うが、現存する中央本線で、かつ本線制度と一致する区間は、神田駅‐代々木駅と新宿駅‐塩尻駅‐金山駅‐名古屋駅となる。

国鉄分割民営化での動き

もともと中央本線は、東京駅‐塩尻駅‐名古屋駅であった。区間中に何ヶ所か二重戸籍区間が存在した。

国鉄分割民営化の際に、区間ごとの旅客輸送人員に基づいて路線の廃止を決定することになった。その際、ある区間が複数の路線に属する二重戸籍区間があると、同一の旅客や貨物を重複して数えてしまうことになる。

例えば、ローカル線の末端を旅客の多い幹線に重複させることにより、みかけの輸送量を増やし、廃止を逃れるようなことになれば問題である。よって、二重戸籍を解消することになった。

この時、東京駅‐神田駅は東北本線に、代々木駅‐新宿駅は山手線に帰属することになったため、中央本線の区間は不連続になった。

金山駅‐名古屋駅も二重戸籍区間だったが、当時、金山駅は東海道本線のみの駅で、中央線にはホームが無かった。このため金山駅‐名古屋駅の乗客は明らかに東海道本線の旅客であり、中央本線として数えられる恐れがないことから、終点は名古屋駅のまま変更されなかった。

JR化後に中央線金山駅が供用を開始したが、もはや二重戸籍を解消する必要がないため、終点は名古屋駅のままになっている。

駅の一覧

中央東線

東京都23区内
  • (東京駅)
  • 神田駅
  • 御茶ノ水駅
  • 水道橋駅
  • 飯田橋駅
  • 市ヶ谷駅
  • 四ッ谷駅
  • 信濃町駅
  • 千駄ヶ谷駅
  • 代々木駅
  • 新宿駅
  • 大久保駅
  • 東中野駅
  • 中野駅
  • 高円寺駅
  • 阿佐ヶ谷駅
  • 荻窪駅
  • 西荻窪駅
東京都・三多摩
  • 吉祥寺駅
  • 三鷹駅
  • 武蔵境駅
  • 東小金井駅
  • 武蔵小金井駅
  • 国分寺駅
  • 西国分寺駅
  • 国立駅
  • 立川駅
  • 日野駅
  • 豊田駅
  • 八王子駅
  • 西八王子駅
  • 高尾駅
神奈川県
  • 相模湖駅
  • 藤野駅
山梨県
  • 上野原駅
  • 四方津駅
  • 梁川駅
  • 鳥沢駅
  • 猿橋駅
  • 大月駅
  • 初狩駅
  • 笹子駅
  • 甲斐大和駅
  • 勝沼ぶどう郷駅
  • 塩山駅
  • 東山梨駅
  • 山梨市駅
  • 春日居町駅
  • 石和温泉駅
  • 酒折駅
  • 甲府駅
  • 竜王駅
  • 塩崎駅
  • 韮崎駅
  • 新府駅
  • 穴山駅
  • 日野春駅
  • 長坂駅
  • 小淵沢駅
長野県
  • 信濃境駅
  • 富士見駅
  • すずらんの里駅
  • 青柳駅
  • 茅野駅
  • 上諏訪駅
  • 下諏訪駅
  • 岡谷駅
  • (本線)
    • みどり湖駅
  • (辰野支線)
    • 川岸駅
    • 辰野駅
    • 信濃川島駅
    • 小野駅
  • 塩尻駅

中央西線

長野県
  • 塩尻駅
  • 洗馬駅
  • 日出塩駅
  • 贄川駅
  • 木曽平沢駅
  • 奈良井駅
  • 藪原駅
  • 宮ノ越駅
  • 原野駅
  • 木曽福島駅
  • 上松駅
  • 倉本駅
  • 須原駅
  • 大桑駅
  • 野尻駅
  • 十二兼駅
  • 南木曽駅
  • 田立駅
岐阜県
  • 坂下駅
  • 落合川駅
  • 中津川駅
  • 美乃坂本駅
  • 恵那駅
  • 武並駅
  • 釜戸駅
  • 瑞浪駅
  • 土岐市駅
  • 多治見駅
  • 古虎渓駅
愛知県
  • 定光寺駅
  • 高蔵寺駅
  • 神領駅
  • 春日井駅
  • 勝川駅
  • 新守山駅
  • 大曽根駅
  • 千種駅
  • 鶴舞駅
  • 金山駅
  • 名古屋駅

運転系統の情報

一覧表

他線への乗り入れが日常的にあるが、以下に記載する区間は中央本線該当分のみ。[]で囲んで表わした色は路線図に表示されている色で、車体の色ではない。

  • 中央線・総武線各駅停車[黄]
    • 御茶ノ水駅‐代々木駅 (御茶ノ水以東は総武線各停と直通)
    • 新宿駅‐三鷹駅 (早朝、深夜は三鷹以西にも直通)
  • 中央線快速[橙] (東京駅‐高尾駅、一部青梅駅、武蔵五日市駅、大月駅、河口湖駅まで直通)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐高尾駅
  • 中央線通勤特快[赤] (大月駅/青海駅→立川駅→東京駅、青梅駅発うちの青梅駅‐立川駅間は青梅線)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐立川駅‐大月駅
  • 中央線中央特快[青] (東京駅‐高尾駅、一部大月駅、河口湖駅まで直通)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐高尾駅
  • 中央線青梅特快[緑] (東京駅‐立川駅、立川駅から青梅線に直通)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐立川駅
  • 中央線通勤特快[紫] (大月駅→高尾駅→立川駅→東京駅、青海駅→立川駅→東京駅、青梅駅発うちの青梅駅‐立川駅間は青梅線)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐立川駅‐大月駅
  • 中央ライナー (東京駅‐新宿駅‐立川駅‐八王子駅‐高尾駅)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐高尾駅
  • 青梅ライナー (東京駅‐新宿駅‐立川駅‐拝島駅‐河辺駅‐青梅駅、但し立川駅‐青梅駅間は青梅線)
    • 神田駅‐御茶ノ水駅‐代々木駅
    • 新宿駅‐立川駅
  • 中央線(普通列車)[紺]
    • 立川駅‐甲府駅
    • 甲府駅‐岡谷駅‐塩尻駅
    • 岡谷駅‐塩尻駅
    • 塩尻駅‐中津川駅
    • 中津川駅‐名古屋駅
  • 東京メトロ東西線
    • 中野駅‐三鷹駅

中央線各駅停車/普通列車

いわゆる鈍行であり、最も馴染み深いと考えられるものである。

起点から終点まで、中央本線を一本で結ぶ列車はない。特に、塩尻駅を境として中央東線中央西線を直通する定期旅客列車は一本も存在していないため、実質として、東西では別の路線だと言える。

列車は区間に分けられて運行されており、途中で乗り換えが必要である。

  • 中央線・総武線各駅停車 (御茶ノ水駅‐三鷹駅、複々線)

    一部、高尾まで、または青梅線、更に五日市線・八高線への乗り入れなどをしている。

  • 中央線 (立川駅‐甲府駅)
  • 中央線 (甲府駅‐岡谷駅‐塩尻駅)
  • 中央線 (岡谷駅‐塩尻駅)
  • 中央線 (塩尻駅‐中津川駅)
  • 中央線 (中津川駅‐名古屋駅)

「普通」は、立川駅以西で設定されている中距離電車である。いわゆる各駅停車であるが、「中央線・総武線各駅停車」の各駅停車との区別のため普通と称されているようである。

接続する主な路線

ここでは、かつての本線制度を前提とした接続状況を記している。

現行の運転系統で駅ごとの接続状況は、中央線の項を参照のこと。

主な橋

  • 万富橋 (神田川)

主なトンネル

  • 湯の花トンネル (東京都八王子市裏高尾町)
  • 小仏トンネル (小仏峠、東京都八王子市裏高尾町‐神奈川県相模原市緑区千木良)
  • 猿橋トンネル (山梨県大月市猿橋町藤崎‐大月市猿橋町猿橋)
  • 笹子トンネル (笹子峠、山梨県大月市笹子町黒野田‐甲州市大和町初鹿野)
  • 大日影トンネル (山梨県甲州市大和町初鹿野‐甲州市勝沼町菱山)
  • 新大日影トンネル (山梨県甲州市大和町初鹿野‐甲州市勝沼町菱山)
  • 新岩戸トンネル (山梨県甲州市塩山牛奥)
  • 鳥居トンネル (鳥居峠、長野県塩尻市大字奈良井‐木曽郡木祖村大字薮原)
  • 鷲鳥トンネル (長野県木曽郡木祖村大字薮原‐木曽郡木祖村大字菅)
  • 山吹トンネル (山吹山、長野県木曽郡木祖村大字菅‐木曽郡木曽町日義)
  • 矢崎トンネル (長野県木曽郡木曽町新開‐木曽郡木曽町福島)
  • 第一羅天トンネル (長野県木曽郡南木曽町読書)
  • 第二羅天トンネル (長野県木曽郡南木曽町読書)
  • 島田トンネル (長野県木曽郡南木曽町読書‐木曽郡南木曽町田立)
  • 第一高峰山トンネル (岐阜県中津川市山口‐中津川市瀬戸)
  • 新瀬戸山トンネル (岐阜県中津川市瀬戸)
  • 新槇ヶ根トンネル (一里塚、岐阜県恵那市長島町中野‐恵那市武並町竹折)
  • 久尻トンネル (岐阜県土岐市泉町久尻‐多治見市東栄町5丁目)
  • 池田町トンネル (岐阜県多治見市月見町2丁目‐多治見市月見町3丁目)
  • 諏訪トンネル (岐阜県多治見市三の倉町大美山‐多治見市諏訪町神田)
  • 愛岐トンネル (岐阜県多治見市諏訪町川西‐愛知県春日井市玉野町)

主な峠

  • 小仏峠 (東京都八王子市裏高尾町‐神奈川県相模原市緑区千木良、小仏トンネル)
  • 笹子峠 (山梨県大月市笹子町黒野田‐甲州市大和町初鹿野、笹子トンネル)
  • 鳥居峠 (長野県塩尻市大字奈良井‐木曽郡木祖村大字薮原、鳥居トンネル)

経由する自治体

東京都
千代田区新宿区渋谷区中野区杉並区武蔵野市三鷹市小金井市国分寺市府中市国立市 ‐ 立川市 ‐ 日野市 ‐ 八王子市
神奈川県
相模原市
山梨県
上野原市 ‐ 大月市 ‐ 甲州市 ‐ 山梨市 ‐ 笛吹市 ‐ 甲府市 ‐ 甲斐市 ‐ 韮崎市 ‐ 北杜市
長野県
諏訪郡富士見町 ‐ 茅野市 ‐ 諏訪市 ‐ 諏訪郡下諏訪町 ‐ 岡谷市 ‐ 上伊那郡辰野町(辰野支線のみ) ‐ 塩尻市 ‐ 木曽郡木祖村 ‐ 木曽町 ‐ 上松町 ‐ 大桑村 ‐ 南木曽町
岐阜県
中津川市 ‐ 恵那市 ‐ 瑞浪市 ‐ 土岐市 ‐ 多治見市
愛知県
春日井市 ‐ 名古屋市

区間は、中央本線該当分のみ。

主な特急

主な車両

通勤・近郊型車両

特急車両

  • E257系 (かいじ)
  • E351系 (スーパーあずさ)
  • 383系 (しなの)

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