ニッケル

読み:ニッケル
外語:Ni: Niccolum 学名 , Nickel 英語 , Nickel フランス語 , Nickel ドイツ語 , Níquel スペイン語 , Никель ロシア語 , نيكل アラビア語 , 大陸簡体 , 台灣正體 , nikel/o エスペラント
品詞:名詞

10族に属する銀白色遷移金属元素

目次

基本情報

一般情報

原子情報

  • 原子量: 58.6934(2)
  • 電子配置:
    • 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d8、4s2
    • [Ar]3d8、4s2
  • 電子殻: 2、8、16、2
  • 原子価: 2、3
  • 酸化数: 0、+2、+3

物理特性

同位体

質量数は、48から79までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は五つある。

  • (58Ni)
  • 60Ni
  • 61Ni
  • 62Ni
  • 64Ni

なお、このうちニッケル58(58Ni)は、長寿命放射性同位体であるらしく、一説では半減期7垓年以上とも言われる。

同位体核種天然存在比半減期崩壊崩壊後生成物
48Ni 2陽子放出46Fe
49Ni β+崩壊49Co
50Ni β+崩壊50Co
51Ni β+崩壊51Co
52Ni β+崩壊52Co
53Ni β+崩壊53Co
54Ni β+崩壊54Co
55Ni β+崩壊55Co
56Ni6.077日EC崩壊56Co
57Ni35.60時EC崩壊57Co
β+崩壊57Co
58Ni68.0769%>7×1020(2β+崩壊)58Fe
59Ni7.6万年EC崩壊59Co
β+崩壊59Co
60Ni26.2231%安定核種(中性子数32)
61Ni1.1399%安定核種(中性子数33)
62Ni3.6345%安定核種(中性子数34)
63Ni100.1年β崩壊63Cu
64Ni0.9256%安定核種(中性子数36)
65Ni2.5172時β崩壊65Cu
66Ni2.28日β崩壊66Cu
67Ni β崩壊67Cu
68Ni β崩壊68Cu
69Ni β崩壊69Cu
70Ni β崩壊70Cu
71Ni β崩壊71Cu
72Ni β崩壊72Cu
73Ni β崩壊73Cu
74Ni β崩壊74Cu
75Ni β崩壊75Cu
76Ni β崩壊76Cu
77Ni β崩壊77Cu
78Ni β崩壊78Cu
79Ni β崩壊79Cu

安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。

用途

ステンレス鉱などの合金成分のほか、電極、形状記憶合金、メッキなどに使われる。貨幣にも使われ、日本の場合は、五十円玉、百円玉、五百円玉にニッケルが含まれている。

充電池の正極によく使われている。

生産

2018(平成30)年現在、上位5ヶ国でニッケル生産量の全体の2/3を占める。

  1. インドネシア 25%
  2. フィリピン 14%
  3. ロシア 11%
  4. ニューカレドニア 9%
  5. カナダ 7%

発見

1775(安永4)年にスウェーデンの科学者ベリマンによって発見された。

名前の語源は、ドイツ語で悪魔の銅を意味する「Kupfernickel」から。これは、ニッケル鉱石が銅鉱石に似ているため、銅があると思って精錬しても銅が得られず、(当時使いみちのない)ニッケルしか得られなかった。そこで、有用な金属を悪魔が「駄目」な金属にしたのだというような理由から、いつしかこのように呼ばれるようになったとされている。

主な化合物

  • 塩化ニッケル(Ⅱ) (7791-20-0)
  • オキシ水酸化ニッケル (NiOOH)
  • 酢酸ニッケル (6018-89-9)
  • 酸化ニッケル
    • 酸化ニッケル(Ⅱ) (1313-99-1)
    • 酸化ニッケル(Ⅲ) (1314-06-3)
  • 水酸化ニッケル (12054-48-7)
  • 硝酸ニッケル、硝酸ニッケル(Ⅱ) (13478-00-7)
  • 炭酸ニッケル (39430-27-8)
  • 硫化ニッケル (12035-72-2)
  • 硫酸ニッケル、硫酸ニッケル(Ⅱ) (NiSO4) (7786-81-4)
  • ニッケルカルボニル (Ni(CO)4) (13463-39-3)

によく似た性質があり、強磁性である。

危険性

  • 引火点: (該当資料なし)
  • 発火点: (該当資料なし)
  • 爆発限界: (該当資料なし)

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: (該当資料なし)
    • 刺激性: (該当資料なし)
    • 感作性: 反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。
  • 毒性
    • 急性毒性: (該当資料なし)
    • 慢性毒性: (該当資料なし)
    • がん原性: (該当資料なし)
    • 変異原性: (該当資料なし)
    • 生殖毒性: (該当資料なし)
    • 催畸形性: (該当資料なし)
    • 神経毒性: (該当資料なし)
  • 規制値
    • 一日許容摂取量(ADI): (該当資料なし)
    • 暫定耐用一日摂取量(PTDI): (該当資料なし)
    • 急性参照値(ARfD): (該当資料なし)
    • 暴露許容濃度(TLV): (吸引性画分)1.5mg/m³;A5(人における発がん性の疑いのない物質) (ACGIH 2004)
    • 最大許容作業濃度(MAK): (吸引性画分)気道および皮膚感作(Sah); 発がん性カテゴリー:1 (DFG 2004)

環境影響

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: (該当資料なし)

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