血尿

読み:けつにょう
外語:blood urine 英語
品詞:名詞

血液の混じった尿のうち、肉眼ではっきりわかるほどに尿の色が赤いもの。

目次

血尿の色は、ワインのロゼ風から、鮮血、茶色まで、状況により様々である。

見た目では分からない量が混ざっている場合は「尿潜血」と呼ばれる。

傾向

一般には、血尿→癌という発想が多いらしいが、血尿の全体に占める癌の初期症状というのは、それほど多くない。

また、腎臓の癌はかなり少ないのでそれほど心配は要らず、むしろ多いのは膀胱がんや前立腺がんである。

但し、がんはそれほど簡単に罹患する病気ではないので、血尿が出て慌てて病院に飛び込んで来る場合、尿道炎膀胱炎、男性なら前立腺炎などの方が率は高いと見られる(但し未検証)。

原因

血尿を来たす疾患には大きく分けて次のようなものがある。

血尿は尿路のどこかから出血していることは事実であるが、原因不明なことも多く、その率は半数以上ともされる。仕方がないので「特発性腎出血」なる苦肉の策の診断名も生まれたが、そもそもそんな病気があるのかという点は、学者の中でも議論が多い。また、病名が付いても原因が不明なことに変わりはない。

年齢、性別、既往などで確率的には絞ることは可能だが、問診程度の内容で判断することは不可能である。

疾患

具体的に、血尿をきたす疾患としては、主として次のようなものがある(順不同)。

  • 腎臓
    • 糸球体腎炎
      • 急性糸球体腎炎/急性腎炎 (AGN)
      • 急速進行性腎炎症候群 (RPGN)
      • 慢性糸球体腎炎
        • 膜性増殖性糸球体腎炎 (MPGN)
    • 慢性腎炎症候群
    • IgA腎症
    • 紫斑病性腎炎
    • 遺伝性腎炎
    • 良性反復性血尿
    • 溶血性尿毒症症候群
    • 間質性腎炎/尿細管間質性腎炎
    • 腎盂腎炎
    • ループス腎炎 (全身性エリテマトーデスの合併症)
    • 水腎症
    • 嚢胞性腎疾患
    • 腎硬化症
      • 悪性腎硬化症
    • 腎血管異常
      • 腎動脈瘤
      • 腎梗塞
      • 腎静脈瘤
      • 腎静脈血栓症
      • ナットクラッカー現象
    • 遊走腎
    • 腎臓結石症/腎結石
    • 腎腫瘍/腎臓がん(腎がん)
    • 薬剤性腎障害/薬物性腎障害
    • 特発性腎出血 (原因不明な場合の病名)
  • 尿管
  • 膀胱
    • 膀胱結石症
    • 膀胱炎
    • 膀胱腫瘍/膀胱がん
  • 尿道
  • 月経血・痔出血の混入
  • 尿路異物
  • 泌尿器外傷
  • その他の出血傾向のある疾患
    • 白血病
    • 血友病
    • 敗血症
    • 紫斑病
    • グッドパスチャー症候群
    • 膠原病
    • ウェゲナー肉芽腫症
    • 結節性動脈周囲炎
    • 強皮症(全身性硬化症)
  • その他

腎臓自身は回復力の強い臓器であるので、仮に血尿や蛋白が出たとしても、腎臓に致命的な障害(障礙)が出るということは通常はない。その状態がいつまで続くかの方が問題となる。

しかしながら、血尿は通常の健康状態では起こらない症状であるので、早急に、腎臓内科か泌尿器科専門医の診察と精密検査が必要になる。

医師から、良性であると診断されていない限り、自分勝手な判断で様子見ということはしてはならない。

関連する用語
尿潜血

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