ピーシーデポコーポレーション

読み:ピーシーデポコーポレーション
外語:PCD: PC DEPOT CORPORATION 英語
品詞:会社名

関東地方を中心として、家電量販店・パソコンショップである「PC DEPOT」を全国展開している企業。「PCデポ」「PCD」。

目次

基本情報

  • 商号: 株式会社ピーシーデポコーポレーション
  • 本社: 〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜三丁目1番地9
  • 設立: 1994(平成6)年8月
  • 資本金: 47億3761万円
  • 上場市場: 東証1部 7618
  • 代表者: 代表取締役社長 野島隆久 (2016(平成28)年6月23日現在)
  • 従業員: 連結788名、単体637名 (2016(平成28)年3月31日現在)

沿革

  • 1994(平成6)年8月: 設立
  • 2016(平成28)年8月: 炎上

子会社

  • 株式会社イージェーワークス
    • ejnet (イージェーネット)
    • リムネット
    • ALLES NET(アレスネット)
    • 四国インターネット
    • infoPepper(インフォペッパー)
    • The FSI Network(エフエスアイ ネットワーク)
    • まねきねこインターネットプロバイダ
    • U-Broad.jp(ユニバーサルブロード)
    • h555.net(エイチゴーゴーゴーネット)
    • awaji-BB(アワジビービー)
    • 京都アイネット
    • アイネットコミュニケーションズ
    • SANYNET(サニーネット)
    • Momoたろうインターネットクラブ
    • 牛若丸インターネットサービス
    • VC-net
    • 117net
  • 株式会社ピーシーデポストアーズ

大株主

2016(平成28)年3月末時点での株主の概要。8月以降、機関投資家は株式に売却を進めているため、以下とは大きく様変わりしている。

株主名持株数(株)議決権比率(%)
ティーエヌホールディングス株式会社9,000,00020.62%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)4,754,40010.89%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)4,319,1009.89%
野島 隆久4,215,8009.66%
株式会社みずほ銀行1,182,0002.70%
資産管理サービス信託銀行株式会社(証券投資信託口)1,005,8002.30%
NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE-HCR00953,3002.18%
株式会社ケーズホールディングス860,8001.97%
BNP PARIBAS SECURITIES SERVICES LUXEMBOURG/JASDEC/FIM/LUXEMBOURG FUNDS/UCITS ASSETS840,0001.92%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口9)796,8001.82%

PCデポとノジマ

PCデポの社長 野島隆久は、大手家電量販店ノジマの社長 野島廣司の実弟である。

かつて、ノジマから優秀な従業員を引き抜いて創立したのがPCデポである。このためノジマは相当困り、ゆえに兄弟仲が悪いことで有名である。

事件

パソコンの販売や修理などをおこなう量販店「PC DEPOT」(以下PCデポ)で、「80過ぎの独居老人に高額のサポート契約を結ばせた」という事件が2016(平成28)年8月に発覚してから、次々と不祥事や犯罪行為が発覚するに至った。

問題の高額サポートについては、無知な顧客に悪質な契約を結ばさせた(毎月1万5千円のサポート契約に加え、後日解約しようとしたさいに契約解除料として20万円が請求された)、という件である。

この問題が発覚してから、クレジットカードの不正利用にも関わっていたことも発覚した。PCデポ側は「関与したスタッフはすでに退職した」と説明したが、信憑性不明ながら自称元アルバイトの自称志村武史がTwitterで「まだ働いている」「元上司から内情を暴露したTwitterの投稿を消せとの脅迫電話が掛かってきた」(以上意訳)となどとツイートし、これがガソリンとなりTwitterなどでは爆発炎上状態となった。

火に油

PCデポ側は、今回の件は組織ぐるみではないと説明している。

しかしこのような悪質な契約が店員個人の判断でできるわけがないことは、誰が見ても明らかであり、その世論の判断は株価暴落として目に見える形で現われている。結果、大株主のケーズホールディングス(以下ケーズHD)にまで見捨てられる結果となった。

潔く会社ぐるみを認めて社長自ら謝罪会見をするべきとの意見が殺到するが、野島隆久社長は一切謝罪をしようとしないのが特徴的である。

トウゼンカード

野島隆久社長は、従業員にノルマは課していないと主張し続けていた。しかし、実質的にノルマである「トウゼンカード」が流出しており、諸々の犯行は組織ぐるみであることが白日の下にさらされることとなった。

野島の言い分を尊重するとすると、トウゼンカードに書かれていることはやって当然なのだから、ノルマではない。ということになる。なるほど(理解不能)。

なお、実際問題としても、トウゼンカードとノルマは違う。なぜなら、ノルマであればノルマ達成に対する報酬が当然、支給される。一方で、トウゼンカードはやって当然なのだから、達成しても何の報酬もなく給料も上がらないが、達成できなければ給料が下がるのである。

このように、労働者に対して報酬も無しに余計な負荷を掛け続ける企業のことを、ブラック企業という。

さて、名前こそトウゼンながら、その内容はいささかも当然ではなく、特に次のようなものが光っていた。

  • iPhone、iPad、iMac、iPodなどApple製品を1組4台で買わせる(平日・土日 共通1件)
  • 解約を思いとどませる (平日・土日 共通2件)

暴落

事件の深刻さが発覚してから、株式の売りが殺到、連日大商いで株価の値下がりが続いた。

PCデポ関係者による必死の消火活動の甲斐もなく、この問題をタレント兼ブロガーのヨッピー(@yoppymodel)が報じたため、「ヨッピー砲」なる単語が爆誕するとともに、ヨッピー砲で株価は底抜けした。

ケーズHD

2016(平成28)年9月1日(木曜日)、ケーズHDが保有していたPCデポ株全ての売却が完了したことが発覚し、1日深夜から2日未明にかけてネットで報じられた。

ケーズHDはPCデポと株式の持ち合いをしていた。かつて第2位株主だったこともある大株主であり、この年の3月末時点でも発行済み株式の1.97%を保有し、有価証券報告書には第8位株主として記載されていた。

具体的には、前日の8月31日までに全株を売却して損切りを完了したといい、公式には「昨年適用された企業統治指針を受けて持ち合い株を圧縮する一環」を売却の理由とし「株式売却は今回の問題と関係なく、昨年から進めていた」ともしている。

しかし今回の騒動で売却を加速させたであろうことが伺え、これがPCデポの株価暴落の理由の一つとなったことには疑問の余地がない。反発ほぼ無しの下げは、大株主が売り続けたためと考えれば説明を付けやすい。

ちなみに両社の提携は1999(平成11)年からであるので、ケーズはPCデポの株をまだ100円前後の安い頃に入手していた可能性がある。従って今回の売却は、ケーズにとってプラスになった可能性もあり、ケーズ大勝利と予想する投資家もいる。

当然、この報道によって翌2日もPCデポは更に株価を下げているが、一方でケーズHDは値を上げた。価値があるうちに損切りしたこと、その決断の早さなどに対し、投資家は高評価をしたものと見られる。

事件から2ヶ月

高額サポート問題発覚から2ヶ月間の株価の推移を以下に示す。

2016(平成28)年9月28日に1株を1.2株に分割しているため、その前後での株価の見方には注意が必要。分割前の600円は、分割後の500円に相当する。

事件発生前の株価終値1450円は、分割後の調整後終値1,208.33円に相当する。

日付始値終値前日比状況関連する事件
8/1214981450--- (金曜日、事件の前営業日)
8/1514001329−121(−8.34%) 高額サポート問題発覚の翌日
8/1612741231−98(−7.37%)  
8/1711811038−193(−15.68%)  
8/1810381119+81(+7.80%)  
8/1910971016−103(−9.20%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
8/221031993−23(−2.26%)  
8/23963889−104(−10.47%) スキミング犯について怪情報が飛び出し、爆発炎上
8/24860790−99(−11.14%)  
8/25775729−61(−7.72%)  
8/26769750+21(+2.88%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
8/29735692−58(−7.73%) 事件前(12日)の終値1450円の半額を切る
8/30692746+54(+7.80%)  
8/31761713−33(−4.42%) この日までにフィデリティ投信、みずほ銀が大量売却
9/1721709−4(−0.56%) ケーズHD PCデポ株をすべて売却完了が判明
9/2702696−13(−1.83%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
9/5717753+57(+8.19%) 自称係長代理補佐が、消費者庁に通報と発言
9/6752739−14(−1.86%)  
9/7742740+1(+0.14%)  
9/8730729−11(−1.49%)  
9/9727734+5+0.69%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
9/12715697−37(−5.04%) テレビ朝日「モーニングショー」で報道
9/13692655−42(−6.03%)年初来安値 
9/14637633−22(−3.36%)年初来安値 
9/15633630−3(−0.47%)年初来安値 
9/16634642+12(+1.90%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
9/20632635−7(−1.09%)  
9/21639658+23(+3.62%)  
9/23655645−13(−1.98%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
9/26649632−13(−2.02%)  
9/27626626−6(−0.95%)年初来安値 
9/28530516−5.67(−1.09%)年初来安値株式分割(前日比は調整後終値にて算出)
分割: 1株 → 1.2株
9/29514504−12(−2.33%)年初来安値 
9/30490503−1(−0.20%)年初来安値 
日付始値終値前日比状況関連する事件
10/3497491−12(−2.39%)年初来安値遂に400円台、以降しばらく500円攻防戦
10/4491491---(0.00%)  
10/5495502+11(+2.24%)  
10/6507501−1(−0.20%)  
10/7499487−14(−2.79%)年初来安値 
日付始値終値前日比状況関連する事件
10/11487476−11(−2.26%)年初来安値遂に分割前の400円相当(480円)を割る
10/12480516+40(+8.40%)  
10/13515520+4(+0.78%)  
10/14520498−22(−4.23%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
10/17499495−3(−0.60%)  
10/18494484−10(−2.02%)  
10/19483491+7(+1.45%)  
10/20489498+7(+1.43%)  
10/21504507+9(+1.81%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
10/24505504−3(−0.59%)  
10/25509501−3(−0.60%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
10/24505504−3(−0.59%)  
10/25509501−3(−0.60%)  
10/26501523+22(+4.39%)  
10/27520543+20(+3.82%)  
10/28550538−5(−0.92%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
10/31534515−23(−4.23%)  
11/1519511−4(−0.78%)  
11/2507505−6(−1.17%)  
11/4498497−8(−1.58%)  
日付始値終値前日比状況関連する事件
11/7513520+23(+4.63%)  
11/8528508−12(−2.31%)  
11/9528486−22(−4.33%) 年初来安値468
11/10500487+1(+0.21%)  

情勢

ケンヂ氏のツイートがあった2016(平成28)年8月14日(日曜日)の翌日から24営業日(9月15日まで)の成績をみると、6勝18敗である。

その6勝も、比較的大きく上げたのは4営業日のみであり、買い方圧倒的不利となっている。

しかもこの銘柄は、ケーズHD、フィデリティ投信、みずほ銀行など、大口が次々と損切りをしている報道がある中で、これだけ下げながらもストップ安が1回もない。これが意味するところは、どうにかして逃げたい大口のコントロールによるものであり、下落相場が止まらないことを意味している。

反発の見込みがある銘柄の値動きとしては、ストップ安張り付き、あるいはセリング・クライマックスを意味するストップ安に近い大陰線を数本連続して引くことが多い。しかしPCデポにはそれがない。

つまり、大口は可能な限り傷を少なくしながらPCデポの株式を全て売り切るつもりであると読み取ることができ、その売られた株式を個人投資家などがせっせと買い支えているような構図が見えてくる。

このような株式に買い向かうには、途方もない勇気が必要だろう。

2016(平成28)年8月15日(月)

この前日にPCデポの高額サポート問題が「ケンヂ」氏によりツイートされ、問題が発覚。翌営業日であるこの日より、株価の暴落が始まった。

2016(平成28)年8月23日(火)

PCデポ側が「退職した」と説明していたクレジットカードのスキミング犯について、まだ在籍していると主張する自称元アルバイトが出現した。

この自称元アルバイトは、元上司から「内情を暴露したTwitterの投稿を消せ」「訴えるぞ」(以上意訳)との脅迫電話が掛かってきた、と発言。信憑性不明ながら、炎上・延焼を続けていたこの事件は、一線を越えついに爆発炎上案件となり株価は順調に暴落した。

2016(平成28)年8月29日(月)

事件以来、株価は下げ止まらず安値更新を続け、この日ついに騒動前の半分以下にまで値が下がった。

翌30日は値を戻すものの、更に翌31日以降は再び続落となっている。

2016(平成28)年9月1日(火)

この日深夜から翌日までにかけ、かつて第2位株主だったこともある大株主であり、PCデポと株式の持ち合いをしていたケーズHDが奇跡の全株売り抜けに成功したことが報じられた。

当然、この報道によって翌2日もPCデポは更に株価を下げているが、一方でケーズHDは値を上げた。価値があるうちに損切りしたこと、その決断の早さなどに対し、投資家は高評価をしたものと見られる。

2016(平成28)年9月2日(金)

この日、認知症の高齢者にまで高額な契約をさせたという新事実が明らかになった。

また、ノルマは課していないと主張し続けていた野島隆久社長の話とは裏腹に、PCデポの実質的なノルマである「トウゼンカード」が @PCD_CLDF によって公開され、4日(日曜日)にはTwitterで大きな話題となった。

2016(平成28)年9月5日(月)

週末に悪材料がかなり出たものの、久々にリバウンドした。

しかしTwitter炎上案件の一つだったゴルスタが終了したので、ゴルスタに向いていた矛先がまたここに集中する可能性が指摘されている。

2016(平成28)年9月7日(水)

午前中は上げ相場で買い攻勢が強まったが、昼前に力尽きどんどん値下がりし、午後には前日終値を一瞬下回ることもあった。何とか値下がりを食い止めようという動きが見られるも下げ相場となり、終値は何とか前日+1円で踏みとどまった。

この日も、大手株主(銀行や機関投資家)が保有比率を減らすために売りを出していることが発覚。2016(平成28)年8月31日までの保有割合の変更について、今日付で提出されたもので目を引いたのは次の通り。

ちなみにフィデリティ投信は、2016(平成28)年6月15日に5.10%を新規取得し6月22日大引け後に公表した大量保有報告書(5%ルール)で判明したばかりの株式だったが、早速手放す決断をしたらしく、8月31日頃までに2.31%まで売ることができたようである。

この日の午後、食べログで不祥事が発覚して運営会社であるカカクコムの株価が暴落した。ゴルスタ亡き後に出火した新たな火の手による矛先の分散は、PCデポにとって救いの手となるか。

2016(平成28)年9月9日(金)

今日は月次報告が出る日とされており、昨日に引き続いて多くの投資家がホールドしていたらしく、昨日と今日は露骨に出来高が激減した。しかし、月次報告は日中には出なかった。

出来高の減少は大手の損切りもまず一段落付いたためではないかとも予想されるが、いずれにせよ大手が売った株をせっせと買い取る何者たちかが存在している。

2016(平成28)年9月12日(月)

朝、テレビ朝日「モーニングショー」でPCデポの事件が非常にネガティブに(つまり視聴者側に立った立ち位置で)放送された。

この影響もあってか、始値から株価は暴落、その後も介ささせの努力もむなしく、ひたすらに値下がりを続ける一日となった。

2016(平成28)年9月13日(火)

今日は、大口の売り急ぎが目に付くようになる。この影響で今日も始値から株価は暴落し、今日も年初来安値を更新。

2016(平成28)年9月28日(水)

1株→1.2株とする株式分割が実施された。

株価の下落が止まらない中で株式分割を実施し、見た目の株価を20%も低くしてしまうことは賢い選択とは思えないが、それでも株式分割は実施された。

これによって600円台だった株価は500円台となった。

2016(平成28)年10月3日(水)

年初来安値を更新し続けていたが、この日ついに500円を割った。

分割後の500円は分割前の600円に相当するが、500円を割るという見た目のインパクトは大きい。

この日以降、500円前後をふらふらする日が続く。500を簡単に割る流れになっているが、これは大口はもう騙し上げをしないということの証明でもある。

関連するリンク
http://www.pcdepot.co.jp/

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