ATX電源 (規格)

読み:エイティーエックスでんげん
外語:ATX Power supply 英語
品詞:名詞

ATXフォームファクターを採用したマザーボード規格で使われている電源ユニット(電源装置)の総称。

目次

実際には様々な規格が存在し、これらの総称である。

電源装置自体が制御用のプロセッサーを持ち、ソフトウェアで電源のON/OFFなどを行なうことができるのが特徴。

基本仕様

ATXフォームファクターは長く使われており、またATXの後継フォームファクターなどもあるので、その歴史の中で様々な規格が作られ使われている。

利用者として重要な規格のポイントには、電源装置の寸法、供給電源容量、そしてマザーボードに接続するコネクターの仕様がある。

主なもの

主要なものだけでも、次のようなものがある。

派生規格

  • ATX12VO

    12V Onlyとなる規格。24ピンもある大きくて邪魔なメインコネクター(MBUコネクター)を、12Vだけ供給するコンパクトな10ピン端子に変えるというもの。電源装置も専用品を使えば大幅に簡素化可能とするのが謳い文句。

    登場の由来は、そもそも既にマザーボード上で+3.3Vや+5Vの需要がないため。PCI Expressの拡張スロットへの供給にこの電圧があるが、昨今のマザーボードでは供給された12VからDC-DCコンバーターで+3.3Vや+5Vを生成して供給する例もある。またシリアルATAの給電用コネクターには5V(と、シリアルATA3.1までは3.3Vも)が含まれるため、この供給端子はマザーボード上に移す必要がある。

    発案者のIntelは普及させる気満々で、Intelの第12世代デスクトップ向けマイクロプロセッサーAlder Lakeから採用しようとしているが、

  • SFX電源

    スモールフォームファクター(SFF)用の電源装置規格。microATXFlexATXNano-ITXMini-ITXNLXなどのフォームファクター向けである以外は、ATX電源とほぼ同じである。

    SFX電源に4ピンのATX12Vコネクター相当品を追加したSFX12V電源の規格もある。

  • TFX電源

    TFXフォームファクター用。

  • WTX電源

    WTXフォームファクター用。コネクターはATX電源のそれと全く異なり互換性がない。

  • AMD GES

    AMDのAthlon MP(デュアルプロセッサー)プラットフォーム用に作られたもの。

    24ピンのメインコネクターはATX12V電源の派生ではあるが互換性はない。追加の8ピンも、ATX12V電源で採用されたEPS12Vコネクターに似ているがこれも互換性がない。

    やがてAMDもIntelと同じAMD12V電源を採用したため、これは普及することなく消滅した。

  • EPS電源/EPS12V電源

    BTXフォームファクター用の電源。ATX電源がデスクトップパソコン用だったのに対し、EPS電源はより出力電源が強化されたエントリーサーバー用の電源装置として設計された。

    BTX自体は全く普及せず消えたが、この規格で採用された24ピンのMBUコネクター(メインコネクター)や、4ピンのCPU電源供給コネクターは、ATX電源仕様に逆輸入されて今に残っている。

メインコネクター

メインコネクター(MBUコネクター)は、基本的には10ピン×2列の20ピンが使用される。

ただしBTX/ATX 2.2マザーボード以降では、より大容量の電流に耐えられるように12ピン×2列で計24ピンにピン数が増やされたコネクターを使う、EPS12V電源の仕様を輸入、採用したEPS電源を使用する。

補助電源コネクター

必要に応じて追加コネクターを用いる。

例えばPentium 4以降で使うATX12V電源では、メインコネクターに加えて2ピン×2列の4ピンコネクター(ATX12Vコネクター)を用いる。

EPS12V電源ではこれが8ピンに増えたものを使うが、両方に互換性にある電源装置は、中央で4ピン+4ピンに割れるようになっている。

用語の所属
電源ユニット
ATX
関連する用語
ATX電源 (オリジナル)
ATX12V電源
BTX
EPS12V電源

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