Mac OS

読み:マックオウエス
外語:Mac OS 英語
品詞:商品名

Apple ComputerMacintoshに搭載されているオペレーティングシステム(OS)の名称。容易でシンプルな操作性と、グラフィックおよびマルチメディアの機能に優れている。優れた操作性は、その後のGUI OSに多大な影響を与えることとなり、いくつもの独自概念がMicrosoft WindowsなどのOSに採用されていった。

OS X以前のMac OSはシングルタスク(疑似マルチタスク)のOSであり、マルチウィンドウではあるが、動作中のアプリケーションを切り替えて使用する。

画面上部にシステム共通のメニューバーがウィンドウと独立して存在し、アプリが切り替わるたびにメニュー表示も切り替えられる。このため全てのアプリでほとんど同じ場所を同じように操作する形となっており、アプリ間での学習の必要性を軽減している。この辺りのデザインポリシーは、マルチタスクとなったMac OS Xになっても変わっていない。シンプルで分かりやすくを基本ポリシーとし、WindowsやUNIXで採用されるような広い画面上に点在する各アプリがそれぞれの作業空間の中で自由な操作を行なうような多機能性・柔軟性にはあまり対応せず、このシンプルさと洗練度の高さを美徳としている。

デスクトップ上にはアイコンが多数並び、マウスを利用してアイコンに対してあたかも現実の物体のような直感的な操作性(アイコンをつまんで移動したり、画面上で名称を直接編集できたり)や、オブジェクティブな操作性(同一の操作でも対象によって自動的に適切な処理が選択され実行される)、アニメーションを利用したインタラクティブな反応(ドラッグ時にアイコンの輪郭が表示されたり、ダブルクリック時にアイコンが広がってウィンドウが表示されるなど)を実現していた。初期の頃から画面表示と最終出力である印刷結果のイメージを等しくするためWYSIWYGと呼ばれる概念を導入し、複数の文字フォントを自由なレイアウトで表示することを可能としていた。画面表示は原則として72dpiの倍率で固定することで画面上のサイズと印刷サイズを等しくできるようにも考慮されていた。これらの現実世界とリンクする概念はコンピューターと直接関係しない分野の人の多くに好意的に受け入れられ、"現実の作業に用いる道具" として科学研究、DTP業、音楽、デザイナーなどに長く愛用されることとなった。

Mac OSはパソコンの比較的初期の時代にマウス操作によるGUIを実現し、文字入力による操作(CUI)から大幅な操作性の向上を実現した。これは、Xeroxのパロアルト研究所(PARC)が作ったOSであるAltoをモデルに開発されている。メニューによるコマンドの一覧選択化や、画面上に並ぶアイコンなど、多くのグラフィカルな概念がこのワークステーション用OSで実現されており、Mac OSではこれをパソコンで実現した上、それを元により直感的で安心な操作が可能なように様々な部分に改良が加えられている。

ハードウェアとOSを一社で開発することでシステム的に非常に統一感のあるOSとなっており、システムの設定まで含めて操作性が高い。ユーザーが触るべきでない部分は基本的にブラックボックスとなり、操作ミスが少なくなるようきめ細かく配慮されている。反面、問題が発生したときの対応手段が限定されており、ほとんどの場合 "原因不明の致命傷" となってしまい、唯一の対策がOSの再インストールとなってしまうことも珍しくない。

Mac OSではマウスに通常1つボタンのものを使用する。そのため、初心者でも "左右のどっちを押せばいいのか" などで迷うことはない。その代わりボタンごとに複数の機能を持たせるような多機能性には欠ける。クリックに複数の意味を持たせる場合には、キーボード上の[control]や[shift]などの修飾キーを併用することになり、操作性はあまり良くない。

英語版は、System 6や7のように "System ?" という名前が、日本語版はSystem 6までは英語版にマイナーバージョンを付加した名が、System 7以降は漢字Talk 7のように "漢字Talk ?" という名が付加されたが、バージョン7.6以降では言語を問わず "Mac OS" という名で統一されている。

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