特定小電力トランシーバー

読み:とくていしょうでんりょくトランシーバー
品詞:名詞

特定小電力無線のうち、420MHz帯を使うトランシーバーの通称。

名称を略して「特小」、あるいは小電力トランシーバーともいう。

目次

機能

免許不要で利用できる無線電話である。

送信出力が大きい代わり免許が必要なアマチュア無線とは違い、免許が要らない代わりに出力が小さい。

利点と欠点

利点は、携帯電話と違って通話料は無料であることと、話したことを一度に大勢に伝えられることがある。

欠点は多数ある。

  • 一対一でしか話せないのは携帯電話と同じ
  • 他に使っている人がいたら、その通話が終わるまで待たなければならない
  • 携帯電話と違って特定の相手を明確に指定して呼び出しできない

通信

半二重による利用が前提だが、両方のバンドを使って電話と同じように全二重通話を出来るようにした通信機もある。

但し、法定出力が10mWであるため、近距離にしか飛ばない。また、無線機に取り付けられているアンテナの交換も不可能である。なぜならアンテナを交換すると、出力を上げなくてもアンテナの利得を上げることで到達範囲を大幅に伸ばしてしまうことが出来るため、他の場所でその周波数が使えなくなるためである。

スタンバイピー

半二重での通話ということは、二人が同時に話すことができない、ということである。

半二重は、一般的な携帯電話機とは大きく勝手が違う。円滑に話者を切り換えるためには、一方が話し終わったら「どうぞ」と言って他方に譲る。これを繰り返すことになる。

話すときにはPTTキーを押し、話し終わったらPTTキーを離す。通信機によっては、PTTキーを離すと「ピー」となる機能、スタンバイピー機能(あるいはエンドピー機能)を搭載したものもある。これを使えば、「どうぞ」と一々言わなくても相手に話し終わったことが伝えられる。

更に熟練(?)すると、ピー無しでもスムーズに会話ができるようになる。

制限

少ないバンドを大勢で使うため長時間の連続送信は禁止されており、通話は3分以内、送信は30秒以内と規定されている。

3分経過したら、2秒以上受信のみの状態として待機しなければならない。

周波数等

この名称で呼ばれる無線機には2種類あり、バンド(電波帯域)も2種類の割り当てがある。レジャー用が9チャンネル、業務用は11チャンネルある。

但し現在ではレジャー/業務の区別無く用いられている。

レジャー用バンド
1CH422.2000(MHz)
2CH422.2125
3CH422.2250
4CH422.2375
5CH422.2500
6CH422.2625
7CH422.2750
8CH422.2875
9CH422.3000
業務用バンド
1CH422.0500(MHz)
2CH422.0625
3CH422.0750
4CH422.0875
5CH422.1000
6CH422.1125
7CH422.1250
8CH422.1375
9CH422.1500
10CH422.1625
11CH422.1750

レジャー/業務ともに、12.5kHzステップNFMである。

電波の型式はFMのF3E(古いアマチュア無線方式による表現ではF3)である。

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