XCAST |
辞書:通信用語の基礎知識 通信手順中編 (CPTRAN) |
読み:エックスキャスト |
外語:XCAST: Explicit Multi-Unicast |
品詞:名詞 |
1対複数の通信を行なうためのプロトコルで、IPv6上で動作する。
XCASTは明示的マルチユニキャスト(eXplicit Multi-Unicast)という技術である。当初は明示的マルチキャスト(Explicit Multicast)と称していたが、機構と性質がユニキャストにより近いことを強調するため、後に改名された。
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特徴 |
マルチキャストの場合、世界中(少なくとも途中経路の全て)のルーターがマルチキャストに対応していないと使えない。実際に、マルチキャストは殆ど普及していない。
対してXCASTは、宛先リストをオプションとして持ち、宛先IPアドレスはそのうちの一つを選択して付ける。このためXCASTパケットは、ユニキャストにしか対応していないルーターでも通過出来る。これを半透明トンネリングという。
マルチキャストとは異なり、送信者があらかじめ送信先を設定して送信するのが特徴。つまり、送り主が送る相手を指定するマルチキャストである。マルチキャストと比べて、ルーターの負荷が小さい、マルチキャスト用IPアドレスを消費しないといったメリットがある。
実装 |
技術の総称としてXCAST、IPv4用がXCAST4、IPv6用がXCAST6であるが、実際にはIPv6用の実装であるXCAST6しか存在しない。I-DにはXCAST4の仕様も書かれているが、仕様レベルのみの話である。Linux用とFreeBSD用のXCAST6プロトコルスタックとライブラリが作られている。
FreeBSD用は日本が開発しており、富士通研究所とWIDEプロジェクトが作った実装が使われている。
Linux用は南鮮が開発しており、電子通信研究院(ETRI)と崇實大学校が作った実装が使われている。
両者は2002(平成14)年7月15日に相互接続する実験に成功している。
ドラフト |
MDO6の作者である富士通研究所グリッド&バイオ研究部の今井祐二に加え、IBMのRick BoivieとNancy Feldman、Colt TelecomのWim Livens、OneSparrowのDirk Ooms、AlcatelのOlivier ParidaensらによりI-Dが出されている。
2006(平成18)年6月現在、期限が同月末の<draft-ooms-xcast-basic-spec-09.txt>が最新であるが、いよいよRFCとなる見込みのようである。
リンク |
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