駅ナンバリング
読み:えきナンバリング
外語:station numbering

 鉄道などのに対し、英字と数字からなる記番号を駅番号として作り、駅名標などに記載する制度のこと。日本語を解さない外人でも利用できる。
 駅番号制とも呼ばれるが、JR四国・JR北海道、東京メトロなどは駅ナンバリンクの呼称を用いている。
目次

概要
 これは、表示用の駅の番号や記号を体系化したものである。
 自動改札や列車予約などのため、コンピューター管理用の駅コードが別に様々存在するが、それらとは異なる。
 日本では横浜市営地下鉄が始め、次いで東京の地下鉄で、東京メトロと都営地下鉄が共同で開始(お互い重複しないようにしている)、以降全国に普及した。
 但し、これは全国の駅を一意に表わすものではない。地域ごとに、あるいは鉄道事業者ごとに番号は付けられるため、異なる場所で同じ駅番号が使われている。
 日本以外では、台湾、シンガポール共和国、大韓民国で導入されている。

特徴
 日本のおける駅ナンバリングを地域ごとに例を示す(順不同だが、概ね北から南、東から西の順になるようにしつつ、JRなど主要な路線を優先するような順位で配列する)。

北海道

JR北海道
 JR北海道は、2007(平成19)年10月1日から駅ナンバリングを導入した。但し、他社と違う独特の制度となっている。
 全ての基準は札幌駅で、ここを「01」とする。分岐路線は英字1字を冠し、番号はそのまま連番で継続させる。分岐から更に分岐するものも同様である。また英字は必ずしも路線名ごととは限らず、一定の区間をまとめている。
 また全駅で導入されているわけではない。一部、導入されていない区間がある。以下はJR北海道のプレスリリースに書かれている順序に従い記載。→は記号体系の異なる接続を表わす。
札幌〜東室蘭〜函館
札幌〜旭川〜網走
札幌〜旭川〜稚内
札幌〜釧路
札幌〜新千歳空港
札幌〜小樽〜長万部
札幌〜北海道医療大学
旭川〜富良野
釧路〜網走
滝川〜新得

札幌市営地下鉄

札幌市電
 2015(平成27)年4月1日から導入された。

函館市電
 いつの間にか駅ナンバリングが導入されていた。複数の系統があるが、大きく二つにまとめて附番され、両者共通の停留所はDYと二文字になっている。

道南いさりび鉄道
 旧JR北海道の江差線(五稜郭駅 ‐木古内駅)が2016(平成28)年3月26日に第三セクターに転換された鉄道事業者で、転換開業時から駅ナンバリングを採用した。
 五稜郭駅はJR北海道の函館本線としてH74の番号が附されているため、この駅のみ新たな番号を振らない方針とした。

東北

仙台市地下鉄
 2015(平成27)年2月から順次対応が開始された。

関東

JR東日本
 2016(平成28)年10月1日頃から導入予定。
 旧国鉄路線だが、全て運転系統名ごとに附番しており、線路名ごとではない。

東京モノレール
 JR東日本グループの鉄道事業者。こちらもJR東日本と同様に2016(平成28)年10月1日から導入予定。

東京臨海高速鉄道

東京メトロ・都営地下鉄
 東京地下鉄(東京メトロ)と東京都交通局(都営地下鉄)は異なる鉄道事業者だが、両社の地下鉄網は一体化しており、利用者は区別なく利用できる。
 駅番号も、両社で重複が無いようにして導入された。
 路線を共有している区間(南北線と三田線、有楽町線と副都心線)含め、路線ごとに附番するため一つの駅に複数の駅番号が存在する。複数の路線で駅番号を合わせるため、起点/終点の方向を無視して附番している箇所がある。
 大江戸線はO(オー)にすると0(ゼロ)と誤認しやすいということで、江戸のEを採用するなどの苦労が垣間見られる。

ゆりかもめ
 東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)は都内を走るため、既にあった地下鉄の記号と重複しないよう遠慮してUが採用された。

日暮里・舎人ライナー
 日暮里・舎人ライナーは記号を持たず、2桁の数字のみで表わされる。

首都圏新都市鉄道
 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)は記号を持たず、2桁の数字のみで表わされる。

東葉高速鉄道
 東葉高速鉄道は、2014(平成26)年3月15日から駅番号を導入した。
 西船橋駅は東西線の駅番号(T-23)と二重で番号が振られている。

京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道・新京成電鉄
 京成グループと、相互乗り入れしている芝山鉄道は、2010(平成22)年7月17日の成田スカイアクセス開業の日から駅番号を導入した。
 既に関東では多くの鉄道が導入しており英字1字は飽和状態となっていたため、英字2字とした。なお、路線ごとではなく鉄道事業者ごととなっているため、路線の多い京成は、路線ごとに番号範囲を定めて使用するスタイルとなっている。
 また、新京成電鉄も2014(平成26)年2月より駅番号を導入した。

京浜急行電鉄
 京浜急行電鉄は、2010(平成22)年10月21日の空港線・羽田空港国際線ターミナル駅開業に合わせて駅番号を導入した。
 京成グループと同様に英字2文字の「KK」であるが、附番の法則が特殊である。本線系統の品川を基準に、支線がある場合は支線優先で番号を振り、再び本線の次の駅に戻って番号を続ける(従って本線は番号が飛び飛びになりうる)、というスタイルとなっている。
 なお、泉岳寺駅は本線ではなく都営浅草線に乗り入れるための支線であり、そして浅草線としての番号「A-07」が既に振られているとして、新たな番号は振らない方針とした。

東京急行電鉄・横浜高速鉄道
 東急は2012(平成24)年2月上旬から、横浜高速鉄道みなとみらい線でも同年秋から導入された。
 こちらも2文字だが、路線ごとに別々の附番がされる。同じ駅でも路線が違えば別の番号が振られるのは地下鉄などと同様の方針である。
 大井町線のうち、二子新地駅と高津駅は、大井町線として駅番号は振られない。

東武鉄道
 東武も、業平橋駅の「とうきょうスカイツリー駅」への改名などを含んだ2012(平成24)年3月17日のダイヤ改正から、路線系統の抜本的変更も含め、駅番号が導入された。
 Tから始まる英字2字+数字2桁だが、系統重視の附番である。駅番号としては路線名は飾りに近いが、新駅を想定してか、路線ごとに10の位を別けている。

西武鉄道
 西武鉄道は、2013(平成25)年3月16日に西武池袋線の東京メトロ副都心線経由での各社線への直通運転が開始されることに合わせ、同年3月中に導入された。
 Sから始まる英字2字+数字2桁である。系統ごとに路線をまとめて番号を振っている。なお、貨物線であり事実上廃線状態の安比奈線には番号が振られていない。

京王電鉄
 京王電鉄も、2013(平成25)年2月22日のダイヤ改正に合わせて導入した。
 京王線系統と井の頭線系統で分けられているが、空き番を作らず順番に番号を振っている。

小田急電鉄・箱根登山鉄道・箱根ロープウェイ・箱根観光船
 小田急グループも、2014(平成26)年1月より駅番号を導入した。

横浜市営地下鉄
 日本で初めて駅番号が導入された路線である。神奈川県横浜市を中心としており、東京の鉄道とは接続していない。
 法的には1号線、3号線、4号線と別れているが、うち1号線・3号線のブルーラインは一体化して運用されており、また利用者が路線を意識する必要もない。このため駅番号も連続している。
 当初は数字だけだったが、グリーンライン開業に伴い、従来の路線がブルーラインと改名したことに合わせてBを冠するようになった。

横浜新都市交通
 横浜新都市交通の金沢シーサイドラインでも、2010(平成22)年から駅番号が導入された。英字はなく、数字だけである。

相模鉄道
 相模鉄道は、2014(平成26)年2月頃から順次駅番号を導入した。本線が01から18、いずみ野線が31番以降となっている。

江ノ島電鉄
 2011(平成23)年6月9日、江ノ電も駅番号を導入した。

中部

JR東海
 2017(平成29)年12月13日に導入を発表。2018(平成30)年3月以降、順次反映。なお、この時点でまだ開業していない袋井駅と磐田駅の間の新駅はCA-30が予約されている。

伊豆急行

伊豆箱根鉄道
 いつの間にか導入されていた。

富士急行
 富士急行も少しずつ導入を始め、2011(平成23)年7月1日の富士山駅開業に合わせて導入が正式に完了した。

長野電鉄
 長野電鉄も駅番号を採用しはじめたが、正式な開始日は定かでない。
 かつて屋代線があった頃、須坂駅は、長野線としても屋代線としても偶然に13になるため、N13とY13を合わせて、NY13としていた。屋代線廃止後は、単にN13となった。

上田電鉄

静岡鉄道
 静岡鉄道も徐々に導入を始め、2011(平成23)年10月1日に導入が正式に完了した。

遠州鉄道
 遠州鉄道は記号を持たず、2桁の数字のみで表わされる。

豊橋鉄道
 豊橋鉄道は複数の路線を運営しているが記号を持たず、1桁ないし2桁の数字のみで表わされる。従って鉄道会社内で番号が重複する。

名古屋
 名古屋市交通局名古屋ガイドウェイバス名古屋臨海高速鉄道は、名古屋圏の鉄道区間について、重複しないように記号を設定して導入した。
 名古屋ガイドウェイバスについては、高架軌道区間と一般道区間に別れているが、高架軌道区間のみ番号がある。

愛知高速交通
 リニモ開業時から採用された。Lは名古屋の既存路線で使われていないことから重複していない。

愛知環状鉄道
 愛知環状鉄道は記号を持たず、2桁の数字のみで表わされる。

名古屋鉄道
 2016(平成28)年3月より順次導入開始。乗り換え駅でも番号重複がないように附番されている。

近畿

JR西日本
 JR西日本は、路線記号を導入しているが、駅に番号は振っていない。各エリアごとに英字1文字で、エリアが異なれば重複もある。

近畿エリア
 北陸本線・東海道本線・山陽本線を「A」、大阪環状線を「O」として、ここから原則分岐順に英字を振っている。

岡山・福山エリア

山陰エリア

広島エリア
 JRシティネットワーク広島エリア内の駅で路線記号が掲示されているが、エリア外でも決められたラインカラーは使用されている。いずれ路線記号も掲示される可能性もゼロではない。

伊勢鉄道
 伊勢鉄道は記号を持たず、1桁または2桁の数字のみで表わされる。
 番号は3から始まるが、これは列車の殆どが乗り入れている関西本線の四日市駅を1、南四日市駅を2としたルールである。

京都市交通局
 京都市交通局(京都市営地下鉄)は、東西線六地蔵〜醍醐間の開通に合わせて2004(平成16)年11月26日から導入された。

叡山電鉄
 叡山電鉄では全線でEのみを使っている。由来は叡山電車のEから。
 分岐点は宝ヶ池駅だが、番号はE06のみである。

京阪電気鉄道
 2014(平成26)年4月1日から導入したが、駅名標への表記方針について発表したのは2014(平成26)年11月26日である。以降、大津線系統とケーブル線を除き、順次駅名称の更新が行なわれた。その後、大津線系統にも導入されている。

京福電気鉄道
 京福電気鉄道ではAとBが使われている。先に導入した京都市営地下鉄と重複を避けるため、北野線はKではなく、単にAの次としてBを選択した。
 新駅が予定されている箇所については欠番が存在していたが、撮影所前駅の開業に合わせ、番号が振り直された。

京都丹後鉄道
 いつの間にか導入されていた。宮津駅が14となるようにして番号が振られている。

近畿日本鉄道
 近畿日本鉄道(近鉄)は23の路線と、1索道線、2鋼索線を持つ。駅ナンバリングは当初、けいはんな線のみで導入されていたが、その後ほぼ全路線へと導入されていった。
 主要路線をA〜Fとし、支線に対してG〜Pまでとした上で、二桁で番号を振っている。数字を揃えるため、途中大規模な欠番が生じているものが多数ある。
 けいはんな線は大阪市営地下鉄の中央線と連続しているため、記号および番号は中央線と連続したものを用いている。

大阪高速鉄道
 大阪高速鉄道(大阪モノレール)は番号のみで記号を使用していない。
 分岐点は万博記念公園駅だが、番号は17のみである。

大阪市交通局・北大阪急行電鉄
 大阪市交通局が運営する大阪市営地下鉄およびニュートラムと、地下鉄と直通運転をしている北大阪急行電鉄、当時の大阪港トランスポートシステムが同時に導入した。
 異なる事業者で記号が重複する区間がある(南北線と御堂筋線がM)が、これは両者を一つの路線と見なし、連続するように駅番号を振ったためである。
 原則として11からの連番で振られており、乗り入れ等をする路線はここから減算するようにして番号が付けられている。

阪急電鉄・阪神電鉄・能勢電鉄
 阪急と能勢電鉄は2013(平成25)年4月30日から、阪神は翌年2014(平成26)年4月30日から導入した。

南海電気鉄道・阪堺電気軌道・泉北高速鉄道
 2012(平成24)年2月23日に、南海、その子会社の阪堺、および南海と相互直通運転を実施している大阪府都市開発(現在の泉北高速鉄道)が駅ナンバリングを導入した。
 支線は枝番を付けるのが特徴的である。

和歌山電鐵
 いつの間にか導入されていた。

神戸市交通局・北神急行電鉄
 神戸市交通局(神戸市営地下鉄)と北神急行電鉄で同時に導入された。路線記号は路線名を無視して現状優先としているのが特徴。
 神戸市営地下鉄は、法的には西神線、山手線、西神延伸線と3線あるが、西神線と山手線はほぼ全列車が直通運転しているため「西神・山手線」と呼ばれ、番号も両線で共通して振られている。ここに接続する北神急行電鉄北神線も、連続する番号が振られている。

神戸新交通
 神戸新交通は、PおよびPLとRを使う。このため、先に導入した神戸市交通局・北神急行電鉄とは重複していない。
 ポートアイランド線(環状部)の分岐点は市民広場駅(P06)で、環状部(PL)の番号はここから連続するように附番されている。

山陽電気鉄道
 2014(平成26)年4月1日から導入された。

神戸電鉄
 2014(平成26)年4月1日から導入された。

中国

広島電鉄
 Mは宮島線が使うため皆実線は別名の比治山線からHを採った。また皆実線がHを使うため、白島線はWhiteからWを採った。
 本線は宮島線と連続するのでMとし、連続する番号を振っている。

一畑電車

四国

JR四国・阿佐海岸鉄道・土佐くろしお鉄道
 JR四国阿佐海岸鉄道土佐くろしお鉄道で一斉に導入された。
 JR四国では県庁所在地の駅を00とし、ここからの連番で振るようになっている。他の第三セクター二社も、JR線からの連番になっている。
 路線ごと、県庁所在地を00とすること、という条件から同じ路線でも一つの駅に二つの番号が存在する駅が多数ある。また県庁所在地の駅が切り替えとなるために、同じ路線名でも路線記号が変わってくる。
 路線記号はJRは1文字、他の鉄道は2文字である。
 中村線と宿毛線は実質的に一体となっていることから、路線記号および番号は共通のものが使われており番号も連続している。

高松琴平電気鉄道
 高松琴平電気鉄道では、2013(平成25)年12月15日に導入された。

伊予鉄道
 2015(平成27)年6月より導入が開始された。市内電車は戸籍上の路線名を無視して環状線と支線とで分けられている。

九州・沖縄

福岡市地下鉄
 福岡市地下鉄では、2011(平成23)年に導入された。

筑豊電気鉄道
 筑豊電気鉄道では、2013(平成25)年に導入された。

長崎電気軌道
 長崎電気軌道でも導入されている。11から始め、全停留所で重複しないように2桁で番号が振られる。路線や系統ごとの分類などはされていない。
 なお、蛍茶屋線の新中川町と蛍茶屋の間の「42」と、大浦線の大浦海岸通りと大浦天主堂下の間の「49」は欠番。理由は不明だが、不吉(42=死に、49=死苦)なためと思われる。また「46」は駅廃止に伴い欠番となった。
 また、赤迫方向のみ停車する本線の昭和町通り駅には番号が振られていない。

熊本市電
 2011(平成23)年3月1日に、系統名の変更に合わせて駅ナンバリングを導入した。A系統は数字のみ、B系統はBを冠するのが特徴。

鹿児島市電
 鹿児島市電でも、いつの間にか導入されていた。系統番号1桁と、連番2桁で降られるのが特徴となる。両系統が重複する区間は二つの番号が振られている。

沖縄都市モノレール
 沖縄の鉄道はこれ一本なので、番号のみで記号を使用していない。

再検索