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肝硬変
辞書:科学用語の基礎知識 医学・情報編 (BMEDI)
読み:かんこうへん
外語:LC: liver cirrhosis
品詞:名詞

肝臓の重篤な疾病の一つ。肝細胞の破壊に伴い肝臓内に結節が生じ、これにより肝小葉が変形する疾患。

目次
概要
定義

病理形態学では、次のように定義される。

  1. 肝細胞壊死/脱落しグリソン鞘と中心静脈か肝静脈間に繊維隔壁が作られる
  2. 再生結節の形成が肉眼で確認できる
  3. 肝小葉の構造が変化し循環動態が異常となる
  4. 弥漫性の病変である
原因

肝細胞は、慢性肝炎や肝障害などで肝細胞が破壊されても再生する能力を持っている。

しかし、壊死と再生が繰り返されると繊維の増生が起こり、肝細胞は壊れた部分を補うようにして硬い繊維に囲まれながら再生してしまう。線維質が蓄積すると肝臓の中に壁ができてしまい、肝細胞は壁の中で再生し増殖するため、やがて再生結節という細胞の塊が作られ、肝小葉の構造が変化して機能が害されてしまう。肝臓がこのような結節の集まりに変化してしまうものが、肝硬変である。

成因

B型・C型肝炎ウイルス感染、多量・長期の飲酒、自己免疫、といったものが慢性肝炎や肝障害を引き起こし、これが徐々に進行して肝臓が硬くなった状態を肝硬変という。

一説では、次のようなものが原因となる。

特徴
進行状態

肝硬変の進行度合いによって、次の二つに分けられる。

病態

肝硬変で肝小葉が変形すると、門脈の血流が悪化する。

その結果、代謝などに使う有効血流量が減少し門脈圧が上昇する。こうなると血流を回復するために体は肝臓の外に別の血管でバイパス(門脈大静脈シャント(P-C))を作ってしまう。

これによって血液は肝臓で代謝されず直接下大静脈へ流れるようになり、更に血流が減ることで肝細胞の壊死が助長され肝硬変が進行してしまう。

門脈側副路

門脈内に血液が溜まった場合、何らかの大静脈へ繋がる別の経路が必要になる。人間には様々な予備の経路が用意されているが、その内の一つが奇静脈経由の経路である。

次のような経路で連絡される。

  1. 門脈
  2. 左胃静脈
  3. 食道静脈
  4. 奇静脈系
  5. 上大静脈

なぜ肝臓病で食道なのかというと、このような特徴的な経路が存在するためである。

検査

手法

肝硬変かどうかは、問診、触診、視診、血液検査、腹部超音波検査またはCTなどにより総合的に診断される。

また内視鏡検査で食道や胃の静脈が太くなる静脈瘤が確認される場合、肝硬変によるものである可能性があるため診断の助けとなる。


問診

触診と視診

血液検査

肝臓には、蛋白質や脂質を合成する機能、物質を処理し体外に排泄するための機能などがあり、それらの機能が弱っていないかを判断することになるが、まだ確立されたものはない。

様々なパラメーターを与えることによって肝硬変を診断するためのスコアリングシステムが様々存在している。

どの要素を使うかはスコアリングシステムにより異なるが、使われることが多い血液検査の要素としては、次のようなものがある(順不同)。

リンク
用語の所属
肝臓
関連する用語
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