大日本帝国憲法において、天皇の大権によって行使されると定められた事項。

目次 概要 該当条文

概要

次のようなものが大権事項とされた。

• 法律の裁可(第六条)
• 帝国議会の召集・開会・閉会・停会及び衆議院の解散(第七条)
• 緊急勅令(第八条)
• 独立命令の発布(第九条)
• 行政各部の官制制定・文武官の任免(第一○条)
• 陸海軍の統帥(統帥権。第一一条)
• 陸海軍の編制(編制権。第一二条)
• 宣戦・講和・条約締結(外交大権。第一三条)
• 戒厳の宣告(戒厳令宣告権。第一四条)
• 栄典の授与(栄典大権。第一五条)
• 恩赦(第一六条)
• 非常大権(第三一条)

該当条文

第六条 天皇ハ法律ヲ裁可シ其ノ公布及執行ヲ命令ス

第七条 天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会及閉会停会及衆議院ノ解散ヲ命ズ

第八条

1 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス

2 此ノ勅令ハ次ノ会期ニ於テ帝国議会ニ提出スヘシ若議会ニ於テ承認セサルトキハ政府ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フコトヲ公布スヘシ

第九条 天皇ハ法律ヲ執行スル為ニ又ハ公共ノ安寧秩序ヲ保持シ及臣民ノ降伏ヲ増進スル為ニ必要ナル命令ヲ発シ又ハ発セシム但シ命令ヲ以テ法律ヲ変更スルコトヲ得ズ

第一○条 天皇ハ行政各部ノ官制及文武官ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シ此ノ憲法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタルモノハ各々其ノ条項ニ依ル

第一一条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス

第一二条 天皇ハ陸海軍の編制及常備兵額ヲ定ム

第一三条 天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス

第一四条

1 天皇ハ戒厳ヲ宣告ス

2 戒厳ノ要件ハ及効力ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム

第一五条 天皇ハ爵位勲章及其ノ他ノ栄典ヲ授与ス

第一六条 天皇ハ大特赦特減刑及復権ヲ命ス

第三一条 本章(転載者駐 第二章 臣民権利義務)ニ掲ケタル条規ハ戦時又ハ国家事変ノ場合ニ於テ天皇大権ノ施行ヲ妨クルコトナシ

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戒厳宣告権
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