変光星の分類の一つ。2個以上の天体からなる連星で、地球から見て互いに隠し合うことで見かけの明るさが変化するもの。記号は「E」。

目次 概要 特徴 光度曲線での分類 成分星の物理的特性による分類 内部臨界ロッシュローブの充填度に基づく分類

概要

光度曲線とスペクトルから得られる視線速度曲線により、成分星の直径や質量などを推定できるという特徴がある。

特徴

変光星総合カタログ(General Catalogue of Variable Stars; GCVS)では、次のように細分類している。

光度曲線での分類

• アルゴル型 (EA)

  主極小と第二極小の他は平坦な食外光度を持つ。

• こと座β型 (EB)

  星が近接しているため潮汐力によって星が変形しており、食外でも光度が変化する。

• (EP)

  惑星による食で光度変化するもの。プロトタイプはペガスス座V376星である。

• おおぐまW型 (EW)

  星同士が接触しており、双方でほぼ共通の大気を持つため、主極小と第二極小の深さが殆ど同じで光度も滑らかに変化する。

成分星の物理的特性による分類

• GS

  一つまたは両方の成分星が巨星または超巨星である。

• PN

  成分星に惑星状星雲の中心星を含む。プロトタイプは、や座UU星である。

• RS

  りょうけん座RS型変光星のうち食変光が見られるもので、食外でサインカーブのような光度曲線を示す。

  様々な強度の強いCaII HおよびK輝線がスペクトルに存在する。これは、太陽型の彩層活動の増加を示している。

• WD

  成分星に白色矮星を含む。

• WR

  成分星にウォルフ・ライエ星を含む。プロトタイプは、はくちょう座V444星である。

内部臨界ロッシュローブの充填度に基づく分類

• AR

  とかげ座AR星のように分離した連星系。双方の成分星は、内部の等ポテンシャルを満たさない準巨星である。

• D

  分離した連星系で、成分星が内部臨界ロッシュローブを満たさない。

• DM

  分離した連星系で、双方の成分星が主系列星であり、それらの内部臨界ロッシュローブを満たさない。

• DS

  分離した準巨星の連星系で、準巨星は内部の重要な臨界面を満たさない。

• DW

  物理的特性はおおぐま座W星の系(KW、後述)に似ているが、接触していない。

• K

  接触連星。互いの天体同士で表面が接触しているもの。

• KE

  初期(O-A)スペクトル型の接触連星。両方の成分星のサイズは内部の臨界表面に近い。

• KW

  F0-Kスペクトル型で楕円形になったおおぐま座W星タイプの接触連星。主たる成分星は主系列星であり、副次的な成分星は図の主系列の左下(MV、B-V)にある。

• SD

  それほど重量のない成分星の表面がその内部臨界ロッシュローブに近い準分離連星系。食の上記分類システムの組み合わせにより、型には複数の分類が割り当てられる。これらは/で区切られている。例: E/DM、EA/DS/RS、EB/WR、EW/KW、など。

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