イギリス陸軍に所属する世界で初めて創設された特殊部隊。元々は特殊航空任務旅団(SAS: Special Air Service brigade)と言う名前であったが、現在では「旅団」は外し、単に「特殊空挺部隊」という。しかし、別に空挺任務のみを帯びているわけではないので、あまり日本語にせず、"SAS" と呼ぶ方が良い。
その発祥は、第二次世界大戦中の北アフリカ戦線において、ロンメル将軍率いるドイツ・アフリカ軍団の猛攻の前に、同軍団の背後で航空機の破壊や補給部隊を襲撃することを目的に将校のデビット・スターリングの提唱により創設されたものである。
そのため、元来は敵軍の後方攪乱や情報収集などが目的であったが、1960年代の後半にIRAの活動が激しくなると、家屋突入部隊(HAG: House Assault Group)などで対テロのノウハウを得る。更に1970年代前半に世界的にテロ活動が激化すると、対テロ戦闘に重きを置くようになり、1中隊78名(現在のCRW中隊)にまで拡張してテロ対策能力を向上させた。
世界初の特殊部隊ということもあり、各国の特殊部隊のお手本となり、育成活動も行なっている。
主な活動履歴として、軍事作戦への参加としてはフォークランド紛争や湾岸戦争、対テロ作戦としてはイラン人旅客機乗っ取り事件(1975(昭和50)年)、バルコン街でのIRA籠城(1975(昭和50)年12月)、駐英イラン大使館占拠事件(1980(昭和55)年5月5日)などがあり、他にもGSG-9のモガディシオ突入行動(1977(昭和52)年10月)を援護したり、ペルーの日本大使公邸人質事件でも協力を行なっている。
湾岸戦争においてはイラク国内に潜入し、スカッドミサイル狩りを行なったことが同作戦で部隊長を努めていたアンディ・マクナブ(Andy McNab)軍曹による「ブラヴォー・ツー・ゼロ」という本(後にビデオ化)が出版されたため広く知られている。