イギリスのビッカース社が開発した装甲鋼。浸炭をしないで表面を硬化させている。
浸炭処理は甲鈑と炭素粉末とを交互に重ねて炉に入れ、2週間ほど数百℃の高温に維持することで行なう。非常に手間がかかると同時に、最後の焼入れの際に表面に亀裂が入りやすく、その場合は耐弾力が低下してしまう。例えば戦艦「大和」の場合、46cm弾の貫徹を防ぐためには硬化層の厚さを35%(140mm)程度と非常に厚くする必要があった。この結果、浸炭による超硬化層が10mm程度加わっても耐弾性への寄与は相対的に低くなった。そのため、製造の手間と亀裂の発生を考慮に入れて浸炭処理を廃止している。